広井王子脚本による不条理劇!?　ダンディ商会研究生公演が開催！

サクラ大戦歌謡ショウから生まれたダンディ団が、舞台制作や新人養成を目的に立ち上げたのが、株式会社ダンディ商会。

立ち上げと同時に研究生募集を始め、その成果を披露する研究生公演を2020年に行う予定でしたが、新型コロナによって延期。それがこのたび2021年3月5日（金）から7日（日）まで、東京・東長崎の小劇場てあとるらぽうにて、ついにダンディ商会研究生公演『夏の夜の夢かも？』として開催に至りました。

脚本を広井王子さん、演出を螢雪次朗さんが務め、これが初舞台という研究生の情熱も詰まった公演をレポートします。

▲配役を入れ替え、鶴さんチーム、亀さんチームの2パターンで公演
　

広井王子さん好みのアングラ演劇を螢雪次朗さん流の笑いでまとめた、不思議な魅力を放つ公演

広井王子さんの脚本を見た誰もが「どうしよう……」と思ったというほど、不条理で、アングラで、テント芝居（1960～70年代に流行した、実験的・前衛的な演劇をテントなどの小劇場で上演した運動）的な内容の『夏の夜の夢かも？』。

“父を亡くした上海の少年が、日本人の母の面影を追って日本へ密航。頼れる人などいない中、調教師と名のる男が現れて……？　広井王子が放つ現代日本を皮肉ったブラックユーモアたっぷりの不条理劇！”

あらすじをこう説明されても、内容が伝わるとは到底思えないほどのカオス。学生運動が盛んな1960年代の話かと思えば、ビットコインやYouTuberが登場したり、ファンタジーな森の精霊が出てきたりと、昭和と令和が入り混じります。

ただ、いかにも広井さんらしいのは、“日本”を描いていること。日本の社会に適用するように人間を調教する“調教師”。日本で長年働いたのに、結局日本に受け入れてもらえない“上海の少年”。アイドルとして人気が出たものの、スキャンダルで潰される“女”。

どうしようもなく日本的な仕組みの中で、キャラクターたちが生々しく苦しみ、もがき、それでも生きていく姿が、ひたすら心に残ります。

説明できない、よくわからない内容だけど、面白かった。そんな不思議な魅力を放つ公演でした。

▲鶴さんチームの前説は、Velo武田さんの息子の武田丞さん。研究生で最も若く、現役高校生ですが、すでに横山智佐さんの「真夏のフェス」などで活躍しています。一方、亀さんチームの前説は、研究生で最も年上の小山光雄さん。44歳にして、これが初舞台です

▲迷う者の前に現れる謎の男・調教師。強引に人の行く末を決めたかと思えば突き放し、快楽に溺れた女は張り飛ばす。一言では到底語りきれない難役を、鶴さんチームは高橋宗孝さん、亀さんチームは成尾公生多さんが熱演

▲焼き鳥を串に刺す作業を延々と続ける3人。上海から来た青年（画像右　鶴／東條アキ　亀／松﨑藍生）はもう22年もこの仕事を続けているという。女性（鶴／藤城茉莉恵　亀／長島初雪）は単純な作業と、焼き鳥にも表れる経済格差に辟易した様子。対してミャンマーから来た青年（画像左　佐藤清明）は、日本でこの仕事をして国に帰れば大金持ちになれると、嬉々として作業を続ける

▲謎の男・調教師がかつて迷い込んだ森で出会ったのは、森の番人ダダ男（鶴／武田丞　亀／小山光雄）。精霊とのことだが、ここから舞台は不思議時空へまっしぐら！

▲ウクレレを弾きながら現れるバラの精霊（鶴／長島初雪　亀／藤城茉莉恵）。美しい華には棘があり、森で騒ぐコケ・コッ子をウクレレの一撃で黙らせる

▲森を徘徊するコケ・コッ子（佐藤清明）。たくさん焼き鳥を作るために、人工的に作られた巨大鶏だが、死ぬのが怖くなって脱走してきたという。しかし森の精霊たちに説得され、食べられるために帰っていく。それを敬礼で見送るダダ男

▲森の精霊たちによる、狂乱の日の宴。螢演出の真骨頂といえる、笑いの要素をふんだんに盛り込んだパンツ男三人衆をはじめ、強烈な印象を残す一幕

▲ダンスも大きな見せ場。中でもダンスが得意な武田丞さんが目を引きます

▲食べると希望の未来を見られるという三色鶏を求め、鶏農家を訪れる調教師。時はまさに三里塚闘争真っ只中。昭和史を彩った出来事がさりげなく散りばめられている

▲焼き鳥のCMソングで一発当てた焼き鳥娘が、スキャンダルで地に墜とされる。そこに現れた調教師にすがり、焼き鳥を串に刺す日々を過ごしながら、ゆっくりと自分を取り戻していく

▲焼き鳥を串に刺す作業中、実は上海から来た青年がビットコインで億万長者となり、今は焼き鳥店を全国展開する大実業家と判明。偶然拾ったラッキーを元手に、したたかに生きる者が勝利者となる

▲そこをコロナ禍が襲い、店を広げ過ぎたことが災いして会社は倒産。借金まで背負ったため、納税証明書とパスポートを持って給付金の相談に向かうも、日本人ではないからとすげなく断られる。国に見捨てられ、途方に暮れる上海の青年

▲そこに焼き鳥の串を一緒に刺していた女性が現れる。青年に倣ってラッキーを信じていたら、YouTuberとして成功したという。人生は裏表が簡単にひっくり返る。負けても立ち上がれば明日が来る

▲土と共に生きる道を選ぶ青年。強いメッセージ性があるわけではないが、日本という国のことを漠然と考えてしまう、不思議な感触を残すラストだった

▲最後はVelo武田さんも登場し、全員で挨拶
　
[取材・文／帝劇スタ夫　撮影／川岸涼太・設楽英一]
　

ダンディ商会団員研究生　3期生募集！

経験不問！　おじさん達によるダンディなレッスン！

応援します！
男女、経験問わず！　新しいショウを目指す方！
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舞台はもちろん映像やその他芸能界へのステップとなります。

ダンディ商会講師、スタッフ一丸となって応援します！

レッスン中、終了後も、優秀な方は舞台やその他出演する事が出来ます。

応募資格
16才以上。経験不問。（他プロダクションに所属されている方も可能です!　※承諾を得た上）

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毎週日曜日　都内スタジオにて稽古指導（回数・内容等は月により変動あり）
内容：芝居・肉体訓練・ダンス・歌・殺陣など

レッスン費
入所金　￥30,000
月　　　￥25,000　年間一括払い（分割応相談）

スケジュールの流れ
履歴書送付→１次審査→結果通知→２次審査面接→結果通知（合格者には詳細通知）
　→レッスンスタート→公演開催
　→2年後ダンディ商会 俳優所属・スタッフ所属、または卒業等（個々に面談、相談）

履歴書送付先
郵送、またはメールにて書類データ添付でも受付いたします。
履歴書またはプロフィールに志望動機を明記の上、写真２枚（全身・上半身）を添付。
〒105-0013
東京都港区浜松町1-1-10　立川ビル203
ダンディ商会団員研究生3期　係

締め切り　2021年4月10日　着

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