なんで私が好きになるキャラクターは野島健児さんが演じているの？ キャラクターから紐解く、圧倒的推しキャラ率を誇る野島さんの魅力【推し声優語らせてください・連載第1回】

日夜、様々なアニメ・声優情報をお届けしているアニメイトタイムズ。働いているメンバーは、もれなくアニメや声優が大好きなのですが、なかなか個人的な推しを語れる場は多くはありません。それは編集やライターという仕事は意外にも裏方お仕事である点やお仕事という構造上で仕方ない部分があるからです。

でも、今回の連載ではちょっぴり……いや、もうガッツリとそこに踏み込んで行こうかと思います！

ということではじまりました、新連載「推し声優語らせてください」。その名の通り、アニメイトタイムズを代表するライター陣が個人的イチオシ声優の魅力を語り尽くしていきます。

実はこの企画、読者のみなさんの熱いオタ活を見ていて思いついたのです。楽しそうにしているみなさんに影響を受けて、僕たちもやってみたいな〜と。

読者のみなさんに感謝しつつ、早速連載をスタートさせていきましょう！

初回となる第1回はアニメイトタイムズで「アニメイト編集部BL塾」などを執筆している阿部裕華さんです。ピックアップした声優さんは野島健児さん。

阿部さんは好きになるキャラクターが軒並み野島さんが演じているようで……？

阿部さんの執筆記事

□いまさら聞けない商業BLの世界！「アニメイト編集部BL塾」開校【前編】


　
□ぼくらの人生を変えたアニメ11選【2012年編】｜『PSYCHO-PASS サイコパス』


　

声優さんは「崇拝」する存在

今回の執筆テーマ「推し声優」を考えたとき、さあどうしたものか……と頭を悩ませました。「推しキャラクター」はパッと思い浮かぶけれど、「推し声優」となると途端に難易度が上がります。

声優さんへ興味がないというわけではありません。物心ついた頃からテレビにかじりついて『美少女戦士セーラームーン』『新世紀エヴァンゲリオン』『怪盗セイント・テール』『スレイヤーズ』など様々なアニメを視聴し、徐々に声優という存在に興味を示すようになります。

小学生になると自分が見ているアニメのエンドロールに記載されたキャストを片っ端からノートに書き写し、「今はこの声優さんがいろんなアニメに出ているな」と調査（？）をしていたくらいには幼い頃から強く興味がありました（今思い返しても謎な行動です）。

当時はおそらく今ほど声優さんが表に出ることはなく、自分の中では“キャラクターの中の人”のイメージがとても強くありました。好きなキャラクターに声で命を吹き込む神様のような存在。小学6年生の時に初めて買ったアニメ雑誌の声優図鑑的な付録に掲載された声優さんの顔写真や趣味などを見て、「本当にいるんだ…」と衝撃を受けたこと、今でも鮮明に覚えています。

その当時の印象が根強く、「好き」という身近な感情より「崇拝」という遠方な感情を声優さんには抱いていました。なので、さあどうしたものか……と頭を悩ませたわけです。

悩みに悩んだ末にたどり着いた解、それは「これまで推してきた（or 気になっていた）キャラクターに最も共通している声優さん」はある意味推し声優になるのでは……？でした。

とはいえ、そこから一人に絞るのは至難の業。二度目のさあどうしたものかについては長くなるので割愛しますが、結果「野島健児」さんを推してまいろうと思い至りました。

野島健児さんの声との出会い

野島健児さん（以下、野島さん）は、アニメ・ゲーム・吹き替え・ドラマCDなど数多くの作品に出演し、アニメ好きなら知らない人はいないのではないでしょうか。

父は野島昭生さん、兄は野島裕史さんと家族で一本アニメを成り立たせてしまいそうな超豪華声優一家であることも有名ですよね（2021年冬アニメ『スケートリーディング☆スターズ』では、双子を裕史さんと演じ、父親は昭生さんが演じるという夢の共演にとても感動しました）。また、昨年には野島さんの長男・野島透也さんも声優デビューが決定しています。

野島さんの名前を知ったのは、今から19年前。小学生だった自分は夕方に放送されているアニメを片っ端から見ていたのですが、そんな時に野島さんが声を担当したキャラクターに出会います。テレビ東京系で放送されていた『スパイラル 〜推理の絆〜』のカノン・ヒルベルトです。

『スパイラル』は原作漫画を読んでおり、カノンはアニメを視聴する前から好きなキャラクターでした。原作が続いており途中からアニメオリジナルストーリーになっていたこと、オープニングの映像にも登場していなかったことから、アニメには登場しないのかなと思っていましたが、少し役回りを変えて終盤にカノンは登場します。

ドイツ人のハーフでイケメンな好青年。普段は温厚で物腰柔らかいのに、自身の目的遂行のためなら手段は選ばない冷酷さ・狂暴さを持つ彼に、野島さんの声はピッタリで。アニメオリジナル設定でありながら、原作のカノンの雰囲気をそのままに命を吹き込んでくださった！と感動しました。

「野島さん＝カノン」のイメージが定着していた時、そのイメージを覆したのが『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のユウナ・ロマ・セイランです。

前作『機動戦士ガンダムSEED』の主人公キラ・ヤマトの双子の姉カガリ・ユラ・アスハの婚約者であるユウナ。傲慢な物言いをする割に、問題に直面すると気弱で臆病になってしまう情けないヘタレキャラクターでした。カノンとは全く異なるキャラクターのため、最初は誰が演じているんだろう？と気がつきません。エンドロールで野島さんの名前を見つけた時は、「え、野島健児さんってあの野島健児さん…？」と半信半疑でした。

よーく聞くとたしかに性格は違えど野島さんの声であると認識できました。しかし、声のテンションや語気などの細かいポイントが絶妙に異なり、キャラクターの外見や性格と相まって全く別の声に聞こえていたのです。

その後も『CLANNAD-クラナド-』（岡崎朋也）『好きなものは好きだからしょうがない!!』（羽野義広）『エア・ギア』（宇童アキラ）『Over Drive』（寺尾晃一）『ぼくらの』（カンジ）など度々野島さんの声のキャラクターを耳に（目に）し、いろんな役柄を演じられている声優さんだな……と徐々に自分の中で関心が高まっていきます。