音楽
angela 10thアルバム発売記念インタビュー

angela 10thアルバム『Battle & Message』発売記念インタビュー|遠藤正明さんとのコラボ曲や『ヴァルヴレイヴ』新曲に、『ファフナー』、『K』、『はめふら』の楽曲など熱いメッセージを込めた12曲を収録! 発売記念1万字インタビューをお届け!!

「I’ll be」は全編1コードで、「ああ早く、ライブでみんなに会いたいな」という想いを歌に。

――では他の新曲のご紹介もお願いします。3曲目の「I’ll be」は「歪むNew world」など現実世界を描きつつ、「独りじゃないんだ どうか忘れないで」と皆さんへエールを送っているような。

atsuko:一番最後に作った曲で、ずっとコードが1つの曲をやりたいと思っていた希望を実現しました。メロディアスになればなるほど、コード展開も多くなるものですが、1つのコードでカッコいい曲を作りたいと。

KATSU:ずっとCマイナーで、一瞬だけBフラットが入るギミックはありますが、基本的には1コードです。個人的にはこういうチャレンジはもうやめていただきたい(笑)。1コードで貫き通すアーティストはなかなかいない中、1つのコードでどこまで展開できるのかと試されている気持ちにもなりつつ、アレンジしがいがありました。

――angelaの楽曲はコード展開も激しいものが多いので新鮮なのでは?

KATSU:1つだと飽きてくるんですよね(笑)。でもトランスや民族音楽、日本の祭囃子など本来リスナーを魅了したり、中毒性を感じる曲が1コードなので、やってみたかった部分もあって。アルバムならではの曲かなと思います。

atsuko:1コードの曲なので、歌詞も小難しいことを言ってはいけないかなと思って。たぶん10分くらいで書いたような歌詞が合うんじゃないかと。もちろん10分では書いていませんけど(笑)。

さらさらと書いた歌詞でもどこで印象付けようかなと考えて、韻を踏む感じ、例えば曲名の「I’ll」と「歩き続ける」とか、日本語と英語の響きが似ている部分を重ねながら同じ韻を踏むサビが続いていくようにできたらいいなと。でも、ざっくりとした内容は「ああ早く、ライブでみんなに会いたいな」です(笑)。

――「連撃Victory」と「クライシス」と並んだ2曲は『Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ2』用の楽曲です。

atsuko:まさかまた『ヴァルヴレイヴ』の曲を作るとは思いもしなくて、オファーが来た時は驚きました。

KATSU:でも依頼をいただいた時はまた『ヴァルヴレイヴ』に関われて嬉しいと思いました。子供の頃からロボットアニメを見てきたので、サンライズ作品に関われるということはすごく光栄なことで。

――「連撃Victory」はテンポがいいサウンドに加えて、「撃て」の連続や「覚醒ならVictory」などの歌詞も相まってテンションが上がる曲ですね。

atsuko:ありがとうございます。私たちの曲は『蒼穹のファフナー』のパチンコでも使用されましたが、「ホールの大音響の中でも声が聞こえるのがいいよね」と言っていただいたことがあって。

歌詞は制作中に発売されたブルーレイBOXを見て思い出しながら、急に戦いに巻き込まれた子供たちがなぜ戦わなくてはいけないのかという葛藤を描こうと。制作サイドからも「使えるようであれば使ってください」と「連撃」や「革命」などいくつかのピックアップしたワードをいただいていたので、そこも参考にしました。

ただ「連撃Victory」を作っている最中にもう1曲追加オーダーが入って、作ったのが次に収録されている「クライシス」で。2曲の違いやコントラストをどう出そうかと悩みました。

「連撃Victory」は赤くメラメラ燃える炎のイメージで、「クライシス」はクールな青い炎で、おとなしそうに見えるけど、秘めた温度は高いというイメージで作りました。歌詞にはいただいた「ヤメマスカ」を使わせていただきました。

KATSU:angelaらしい熱いバトルソングになったと思うし、サンライズ作品にもピッタリの曲になったかなと。でもまだ『ガンダム』の曲のお話が来ないんですよね。やる自信があるのに(笑)。

――「Do it!」はポップで、「泣いちゃっても凹んでも陽は昇る」や「未来はねえ面白い」など元気で前向きさを感じる曲ですね。

atsuko:このアルバムにも収録されている「乙女のルートはひとつじゃない!」と「君の影、オレンジの空」は『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のOP曲と挿入歌で、かわいい曲は作らせていただきましたが、私たちはバトルものの曲が多いし、自由度が高いアルバムだからこそ、かわいい曲を作りたかったんです(笑)。

メロディを作った時に既にサビの「do it!」という歌詞だけはありました。誰でもやりたいと思っていても実際にはやっていないことがあると思うんです。仕事だったらやらなくてはいけないけど、プライベートだと後回しにしがちで。

お洗濯とかお掃除とか。聞いて軽快な気持ちになって、「さあ、やろうか!」と思える曲にしようと。

KATSU:ジャケットのイメージでもある80年代風のサウンドやフレーズを意識して作りました。atsukoさんが「かわいい曲にしたい」と言っていたので、最近、80年代のサウンドを今風にアレンジしたカッコいいアイドルソングをよく耳にしますが、そういうサウンドで懐かしくてかわいい曲にしてみました。

atsuko:ピアノの音色とか懐かしいよね。

KATSU:本物のサウンドをやりたかったので、ビンテージ機材を引っ張り出してきて。懐かしいものと新しいものをミックスしています。80年代独特のクドさみたいなものが世界中でも流行っていて、昔の機材の音ってアクやクセが強いし、各楽器が独立して鳴っている感じがありますが、今のangela風にギミックだらけにして。

atsuko:ジャケットの衣装やデザインも80年代風になっていますが、今の若い子たちの間でも今、80年代の音楽やファッションが流行っていて。私が中学の時に付けていたような髪飾りを今の子が付けていたりして。

この子達にとっては懐かしいものではなく、新しいものなんだという不思議さはありますよね。ただ80年代の時のままではなくて、プラスアルファされていて。

KATSU:80年代サウンドをangelaがやるとこうなるという曲になったと思うし、懐かしさや新鮮さを感じてもらえたらいいなと思っています。

 

「夢と希望に殺される」は今の空気感も詰め込んだ、暗くて純粋なメッセージソング!? MVはリリックビデオに挑戦!

――「夢と希望に殺される」は70~80年代のフォークやニューミュージックのようなサウンド感に、心のやるせなさやいらだちが歌詞と歌声から感じられました。

atsuko:まずプロデューサーから「すごく暗い曲を作りましょう」と言われて。

KATSU:去年、コロナが本格化し始めた頃、雑談で「純粋なメッセージソングってないよね」と話していたら、atsukoさんが突然「できた!」と持ってきたのがこの曲で。結果的にこのアルバムの中で一番メッセージ色が強い曲になりました。

暗い男の子の曲だけど、コロナと戦っているみんなの気持ちを代弁しているようにも思えて。またレコーディングした後に、リラックスした状態で歌っているatsukoさんの歌声がいいなと思って、初期に仮でレコーディングした時のテイクがそのまま使われています。

アルバムの中で唯一、異様な曲に聞こえると思いますが、コロナ禍のこの1年はいろいろなことが変わったり、失われたものが多くて。そんな今の空気感はアルバムに残さなくてはいけないという想いもありました。

――「夢さえ持たなきゃ挫折だってしないんだ」とどこまでも苦しみを歌いながらも最後には「夢と希望は生きている」と明るい光も。

KATSU:その部分は最初はなくて。プロデューサーが「暗すぎるから」と後で替えました。「暗い曲作ろうと言ったのはあなたでしょ!」と思いながら(笑)。

atsuko:他のサビ終わりと同じく、「夢と希望に殺される」だったけど、一筋の希望があったほうがいいんじゃないかと。書き直そうとしたけど、主人公がかなりこじらせているので、最後で急に「やっぱり、僕頑張るよ!」となるのはおかしいし。主人公の中にひと欠片の希望が残っていたと最後の1行だけ換えることにしました。

――MVも今までのangelaにはなかった挑戦をされているとか。

KATSU:アルバムの中でも特殊な存在感がある曲なので、YouTube等で流行っているリリックビデオを作ってもらうのがおもしろいかなと。

絵師さんが曲を聞いたインスピレーションからキャラクターを描いてもらって、動画師さんに映像化してもらうという、総合芸術であるアニメーションのミニマムな形でおもしろいMVができたかなと思います。

歌詞を動画で見ると、曲を聞いて入ってくるイメージと違ったものを感じていただけるでしょうし、皆さんそれぞれのメッセージや答えが伝わればいいなと思っています。

――「君想う」は「いくばくかの言の葉を」や「叶わぬ夢 泡沫(うたかた)」など古典文学の香りと雰囲気が漂う曲ですね。

atsuko:個人的に和風な曲が好きで、派手ではないけど、歌っていて心地いいんですよね。でも2人でデモを録った時、いつも通り、ちょっと民謡っぽく歌ってみたらあまりおもしろくなくて。

KATSU:普通の民謡になっちゃって(笑)。

atsuko:そこで同じ歌い方で、本線が10本、上と下のハモがそれぞれ8本ずつテイクを重ねてみたら、歌が弦楽器みたいに聞こえて。

不思議な浮遊感漂う楽曲になりました。歌詞は、私たちの年齢になると、もう会えなくなる人も出てくるし、会いたくても会えない人がいるという現状と、曲を作っている頃に、平安時代の『源氏物語』の中に現代の青年がタイムスリップするという小説を読んでいたので、その風景感がリンクして書いた気がします。

 

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