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劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』スタッフトークメカ編公式レポ到着

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」スタッフトークメカ編の公式レポートが到着!

2021年8月25日(水)に開催された、劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」スタッフトークメカ編の公式レポートが到着!

プロデューサーの仲寿和氏が進行役で登壇、主人公機であるG-セルフのデザインを担当した安田朗氏、G-アルケインをはじめとした数多くのモビルスーツのデザインを担当した形部一平氏がリモートにて参加し、メカデザインの立場から見た本作の見所をたっぷりと語りました。

▲左上から形部氏、安田氏、下が仲氏

▲左上から形部氏、安田氏、下が仲氏

スタッフトークメカ編公式レポート

安田氏と形部氏は仕事場からリモートでの参加ということで、壇上には仲プロデューサー一人が立ち、劇場のスクリーンに二人の顔が見えるような形で、スタッフトークがスタート。まずは、お二人に『G-レコ Ⅲ』を観た率直な感想を語ってもらった。

安田氏は「僕は『G-レコ Ⅲ』は劇場に2回観に行きました。アイーダさんとベルリの関係、じつは2人は姉弟だったということが判るシーンで、TV シリーズではベルリがそのあと自棄になって戦いに行ったのが、劇場版では股間を押さえながら叫びますよね。あの新作カットは良かったですね。そのシーンがあったおかげで、『G-レコ Ⅲ』は完全に成功すると思ったので、僕にとっては最高の見せ場でした。その一方で、G-セルフが何だかカッコイイシーンが多かったです。特に最後の方、クレッセント・シップに乗るまでのアクションが矢継ぎ早で、滅茶苦茶充実していて、そこもすごく良かったです」と振り返った。

形部氏は「今回はノレドが可愛いなと思いましたね。『G-レコ』のキャラクターはみんなエキセントリックな感じで、それがリギルド・センチュリーの雰囲気を醸し出していると思うんですが、その中でもノレドはひとりだけ、自分たちに近い感覚の古風な女の子という感じがしていて。彼女が画面に出てくると安心感みたいなものを感じました。また、アイーダさんが心情を吐露する場面も増えてきて、独りよがり感が減ってきている感じも嬉しかったです。メカに関しては、やはりガイトラッシュの活躍が派手でしたね。ガイトラッシュは第4部にまで持ち越しになっているので、あのラストシーンの活躍を第4部の冒頭にも入れてもらえると嬉しいですね。あと、山根(公利)さんがデザインされたポリジットが緑色に塗られて、クレッセント・シップの護衛のように登場したのが、メカ的には地味に一番驚きました」と語り、お二人とも、キャラクターとメカの印象深いシーンを披露してくれた。

続いて、話題は G-セルフの作画について。劇場版から G-セルフの目が多重構造であることが表現され、瞳のように見えるようになったことに対しての感想が安田氏に求められた。安田氏は「瞳の構造に関しては設定画の段階では“ちょっとだけ見えるかも”という程度で描いていたんですが、劇場版ではそれを入れるということになりました。そこで設定を改めて描いています。実際に瞳を入れてみると、それだけで見応えが2倍になったように感じて、“さすが、富野監督!”と思いましたね」と語る。

仲プロデューサーも「目が入っているのに見慣れてしまうと、TV シリーズの頃の方に違和感を感じてしまいますね」と見映えが良くなったという印象を語っている。形部氏も「安田さんの瞳が多層構造になっている指示があったじゃないですか。それが撮影で見事に再現されていて、アップになった時もかなりいいですよね」とその映像表現を絶賛。安田氏も「G-セルフは目が大きいことが特徴だと自分でも思っていながらも、監督に瞳を入れて欲しいとは言わなかったんです。それでもきちんと“瞳”に着目して、僕が出来なかったことをきちんとやってくれた富野監督は、やはり凄いなと思いましたね」と富野監督の細かいこだわりに感謝の気持ちを語った。

続いての質問は、「劇場版があるんだったら、もうちょっとデザインを描き足したかったという思いはありましたか?」というもの。安田氏は「もう、たくさんありました。G-セルフの高速パックとマリンパックは入れたいと思っていたんですが、TV シリーズの時にこちらが数多く提案したことで、怒られたことがあったんです。それで、富野監督の演出の疾走感の邪魔をしたのではないかと……。そういう意味では、劇場版は今ある材料でどこまで富野監督の演出が走るのかというのを観たかったというのはあります。だから、あえて何も足さない方が良かったんじゃないかと思いましたね」と TV シリーズでの反省をもとに、あえてデザインを足さなくてもいいと判断したとのこと。

形部氏は「僕は勝手にデザインを出しすぎた立場なので、既にメカの数が過多になっている部分もあると思うんです。だだ、ひとつだけ思うのは、カバカーリーのラストバトルの時に、G-セルフのパーフェクトパックと張り合えるように、カバカーリーのバックパックも変えても良かったかなと思っています。そのシーンは、劇場版ではかなり先になりますけどね」と TV シリーズの後半のデザインについて、「当時こうできていればと良かった」という希望を語ってくれた。

続いて、安田氏は、G-セルフのバックパックのデザインが増えた理由については、このように語っている。「富野監督と話している時、“俺のシナリオは、どんなメカを出しても、そのシーンをちゃんと入れられるようになっているんだ”とすごく自慢されたので、“だったら、いくらでも増やそう”と沢山提案を出したんです。そうしたら、怒られたんですよね(笑)。それは、僕がデザインを上げるのが遅かったというのもあるんですが……。」と、富野監督との当時のやり取りについても語ってくれた。

その後、話題は入場者プレゼントとして配布された、形部氏によるグリモアとカットシーが描かれたクリアファイルの画稿について。このイラストはもともと、形部氏から TV シリーズの際に「アイキャッチ用に使ってみてはどうか?」と提案されたものを使用している。「TV シリーズの時のメカ打ち合わせの後に、宿題が出ることがよくありまして。例えば、“ハロビーに関して、何かアイデアは無いか?”とか、“タイトルロゴを描かないか?”とか、その都度乗っかって描きまして。アイキャッチ用のイラストもその時に出たものですね。タイトルロゴはみんなが見た瞬間“これ、『エヴァンゲリオン』にそっくりじゃない?”と言われて、すぐに却下されたのは覚えています」と形部氏は当時を振り返える。ちなみに、クリアファイルには当時形部氏が描いたロゴもそのまま使用されているので、手にされた方は、ぜひ確認して欲しい。

続いては、まだ発売日が決定していない『G-レコ Ⅲ』の Blu-ray と DVD のパッケージについて。すでに、パッケージイラストに関しては、形部氏に発注がされているということから、仲プロデューサーは、形部氏に「久々にパッケージ用に『G-レコ』のメカを描いてみた」ことについての感想を尋ねた。形部氏は「第3部は、宇宙用のジャハナムを描いています。でも、『G-レコ Ⅲ』で言えば、ガイトラッシュとかがパッケージになるのかなと思っていたんですが、“強めのパイロットくくり”みたいになっているのかなと思って描かせていただきました。また、店舗特典用に小さい色紙みたいなものも描かせていただいたんですが、そちらではモンテーロを描きまして、クリム縛りで描いたという感じです。宇宙用ジャハナムは、今見ると肩の関節は“こうしたかったな”というのは、やっぱり時間が経つと思ったりしますね」との感想を答えた。

その後、安田氏から自身がデザインを担当したモビルスーツのレクテン、そして G-セルフのコックピットについての思い出が語られた。「レクテンは、身長の設定が 17 メートルに設定されているんですが、本当は 15 メートルにしたかったですね。富野監督からは“復座にして欲しい”と言われたので、2人乗りだからと大きくしたんですが、そういう場面は全然出て来ないです(笑)。G-セルフは1人乗りなのに4人も乗ったりしていますが(笑)」と、富野監督のメカデザインの発注時と映像演出時の使われ方の違いについて触れると仲プロデューサーも「コックピットに複数人数を乗せる演出を富野監督はよくやるけれど、なぜか複数乗りの機体ではそれをやらないですね」と富野監督のちょっと気になる演出の好みを披露。

さらに安田氏は、「G-セルフのコックピットは僕的にカッコ良く描いたんですが、富野監督から“こんなコックピットに乗るのは地獄だ”と言われて。最終的にいろんな部分を取り払ったんですが、映像を観たら“たくさん人を入れたかったんだな”って思いましたね(笑)。富野監督からの説明を聞くと“宇宙空間では下手をすると何日も漂流することになるかもしれないから、その中で人間が生きていくためにはある程度の広さが必要なんだ“とも言っていましたね」と富野監督とのやり取りの思い出を語った。

そうした話をしているところで、スタッフトークも終了の時間に。「これだけは言っておきたいということはありますか?」という問いに対して、安田氏は「富野アニメのメカアクションは本当にカッコイイですね。大きな流れの中に小さな流れがある構成が本当に素晴らしいです」とコメント。

そして、最後には3人からメッセージで、スタッフトークは、締めくくられた。「『G-レコ Ⅲ』の上映もおよそ今週いっぱいというとこで、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。この後、第4部、第5部と続いて行きますので、その時はまた劇場の方に来ていただければと思います。今回はありがとうございました」(仲プロデューサー)

「このご時世の中、劇場まで足を運んでいただいたことは、すごくありがたいです。まだ、第4部と第5部が残っていて、しかも第4部はかなり変わっているともお聞きし、ジット団も登場して大きな流れになるようですので、僕も皆さんと一緒に『G-レコ』の劇場版を楽しみたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします」(形部)

「本日は『G-レコ Ⅲ』を観ていただき、ありがとうございました。第4部に関しては、全然知らないんですが、新作パートがすごく多いという噂を聞いています。TV シリーズの分量ならば、第4部で最終回に行きそうな雰囲気ですが、それが実際にはどうなるのか? すごく興味があるので、みなさんと一緒に公開を楽しみにしています。本日はありがとうございました」(安田)

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」作品情報

大ヒット公開中!

イントロダクション

ポスト宇宙世紀とも呼べる「リギルド・センチュリー(Regild Century=R.C.)」を舞台に、ガンダムの原作者である富野由悠季自身が総監督・脚本を手がけた『Gのレコンギスタ』。

その作品が5年以上の月日を経て、新たに劇場版として再編集された。2019年11月、2020年2月に上映された第1部、第2部に続く第3部はさらに新作カットを増し、ハイパーな作品としてよみがえる。今、時代を鮮やかに生き抜く若者たちの物語がここに!!

あらすじ

■STORY of Ⅰ&Ⅱ
R.C.1014年、かつての宇宙戦争によって多くの科学技術や知識が失われた時代。だが、地球上の全エネルギーを供給するキャピタル・タワーを支えに少しずつ再興の兆しを見せてもいた。ある日、キャピタル・ガードの候補生ベルリは、謎のMS「G-セルフ」でタワーを襲撃してきた宇宙海賊の少女アイーダと出会う。アイーダに惹かれたベルリは彼女の行動に巻き込まれ、海賊部隊の母艦「メガファウナ」に乗船することに。そこでG-セルフのパイロットとなったベルリは、軍事組織キャピタル・アーミィの執拗な攻撃を幾度も退ける。そんな中、大国アメリアが宇宙艦隊を編成、キャピタル・タワー制圧のために出撃する。アメリア軍の隠密部隊であった宇宙海賊も追従し、ベルリやアイーダたちは宇宙へ飛び出した。大気圏外で繰り広げられる激しい戦いのさなか、アメリア軍、続いてキャピタル・アーミィとメガファウナがキャピタル・タワーの最上部であるザンクト・ポルトに到達する。

■Story of Ⅲ
突如、ザンクト・ポルトにいるアメリア軍の航宙艦が攻撃を受けた。スペースコロニー国家トワサンガが、地球への帰還を目指す「レコンギスタ」作戦を開始したためだった。ザンクト・ポルトには地球内外の4勢力が集結、それぞれが権利を主張して意見を戦わせる中、アイーダは真実を求め、ベルリや仲間とトワサンガを目指すことを決意する。そして月の裏側にあるトワサンガで、ベルリとアイーダに衝撃の事実が明かされる……。

スタッフ

総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立 肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤 歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木 隆
CG ディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・製作:サンライズ
配給:バンダイナムコアーツ、サンライズ
テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE

キャスト

ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村 侑
ノレド・ナグ:寿 美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣

公式サイト
公式ツイッター

(C)創通・サンライズ
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