音楽
工藤晴香 1stフルアルバム『流星列車』ロングインタビュー

終着駅を決めるのは、自分次第。たとえそこが終着駅だったとしても、別の駅に向かって旅をすることもできる──工藤晴香さんの1stフルアルバム『流星列車』のテーマは「列車、乗客、人生、旅」

自由への憧れがある

──「“勝ち負け”は絶対に書きたくないんです」とお話していたくどはるさん。9号車「No scenario」の<「好き」だとか「嫌い」とか「強い」「弱い」とかウルサイね 右か左かも選ばずに真ん中を行こう>という言葉にも、そんなくどはるさんらしさが表れているように感じました。

工藤:価値観の押し付け、というと語弊があるかもしれませんが、そういったもので悩まれている方ってたくさんいると思うんですよね。例えば学生だったら「勉強は絶対できなきゃいけない」「絶対に良い学校に行かなきゃいけない」といったことであったり、「女の子だからこうじゃなきゃいけない、男の子だからこうじゃいけない」であったり。社会人になっても、誰かが決めたルールに縛られていく。でもそれって勿体ないし、つらいことなので、そうしたことは気にせずに自由に生きたいよねって。私自身もそこまでフリーダムには生きられていないので、願望があるんです。憧れというか。

──ということは、この曲で登場する<未完成で不自由な僕は>っていうのは、くどはるさん自身のことでもある?

工藤:わりと自分に近いですね。でも聴いている方は自分自身に重ねてくれたらと思っています。中にはパーフェクトだよって方もいらっしゃるかもしれないんですけど(笑)、未完成でも、不自由でもいいじゃんっていう。いつでも完成するし、その気になれば自由になれるっていう。だって自分が主人公だから。そういったことを大好きな映画と交えて書きたかったんです。

──くどはるさん自身はフリーダムには生きていけてないということでしたが「自由でいいじゃん!」という振り切った境地に行けたのって、なにかきっかけがあって?

工藤:えーっ! なんだろう……そこまで行けてないかもと思っているんですけど、人からは「自由だよね」って言われることが多いんです。普段からクヨクヨしないようにしていて。ポジティブに見えてるから「自由だよね」って思われるんだなって考えると、ポジティブのパワーってすごいなって思います。

最近、新庄剛志監督のTwitterをよく見ているんです。新庄監督って一見スーパーハイパーポジティブに見えるんですけど、選手時代などの過去の経験を経て、今があるんだと思うんですよね。いつかご本人にお会いする機会があったら聞いてみたいんですが。私もきっとそこに向かって歩んでいる最中なんだろうなって思います。

「Under the Sun」は他の誰かになって書いた曲

── 「Cry for the Moon」と対になる存在である「Under the Sun」は10号車。「Cry for the Moon」とは離れた位置にありますが、これは意図的に?

工藤:「Cry for the Moon」と「Under the Sun」は極力離したいなと思っていて。「くっつけてしまうとこの2曲で完結してしまう!」「他の曲の影が薄くなってしまう!」と思っていて。全部強い曲ではあるんですけど。

最初と最後の曲の位置は決まっていたんです。その中でどう入れていこうかなと思ったときに、「Under the Sun」は晴れやかな曲だったので、最後のほうにしたいなと。そう考えると、「Cry for the Moon」を前半に持ってきて、間にいろいろな曲に入れようと思っていました。

──なるべく離したかったとのことですが、ラストの曲の前に、傷の意味を持った「Scar」(11号車)が入ってます。それにはどのような理由があるのでしょうか。

工藤:「Under the Sun」は羽ばたいている楽曲なんですが……私自身はさっきのお話の通り、どちらかというとポジティブな人間で、そこまで執着しなくて、悲しいこと、嫌なことは引きづらないんです。でも世の中には、痛みや傷を忘れられなくて、抱えながら生きている人もいて。その人たちの気持ちになって、その人たち目線で歌詞を書いてみたいなと思いました。今までのミニアルバムは私主体の目線が多かったのですが、それで12曲書いてしまうと「全部私だ!」となってしまうので。他の誰かになって、歌詞を書くということに挑戦しました。

──それで一人称が、僕の場合もあれば、私の場合もあるのでしょうか?

工藤:そうですね。基本的には登場人物を想定して書いてみます。

──実際、他の誰かの目線で書いてみるというのは、ご自身としてはいかがでしたか?

工藤:大変でした(笑)。書くことは大変だったんですけど、普段から演じるという活動をしているので、レコーディングは楽しかったです。

──ある意味、キャラクターソングを歌うときのような気持ちにも近いのかもしれませんね。

工藤:近いです。自分ではない自分で歌うっていう。

──楽園や太陽、月、ふたりだけの世界……いろいろな物語を経験して、ラストの「Tread this Earth」で地球に戻ってくる。「Tread this Earth」は特にライブで聴いてみたいです。

工藤:やった! お気に入りなんです。月、太陽と行って、地球に戻るという構成にしたいなと思っていました。

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