心温まるオリジナル朗読劇、アフレコ時のエピソードや裏話もたくさん飛び出したTVアニメ『さんかく窓の外側は夜』放送後イベントの夜の部をレポート！

すごい性能を持った島﨑さんのダウンコート

次は「アフレコ時のエピソードや裏話」について、声優陣からたくさんの裏話が語られます。

英莉可が初登場となる第1話のCパートでの“呪いのシーン”で、安済さんは「どういう風に呪えばいいんだろう？」と考えながら、最初は英莉可ではなく“呪うこと”に意識して演じたとのこと。

アフレコ時にディレクターから「この呪いの声を男性の声とミックスして出すかもしれない、色々と試行錯誤してみます」と言われ、どういう風になるのか期待していたところ、自分の声が使われているオンエアを見てびっくりしたと話していました。

島﨑さんと羽多野さんもどういう風に演出されるのか気になっていたそうで、実際に聞いたときは鳥肌が立ったのだそう。よく、他の声優陣のお芝居をスタジオのロビーで聞いては、2人でキャッキャッしていたと話す島﨑さんと羽多野さんがとてもキュートでした。

「本番中、僕の収録のときにペンを落とした人がいた」と回答したのは三上さん。一体誰が本番中にペンを落としたのか大橋さんが尋ねると、「私です……」と恐る恐る手を挙げたのは斉藤さん。

本番が終わった後に「すみませんでした……！」と謝りに来た斉藤さんの姿がとても可愛かったと三上さんは話します。

続いての収録エピソードは、先行上映会やインタビューでも度々話が出てきた“リハーサルDVD事件”。霊が出てくるシーンが飛んだり、異音が出てきたりと異様な現象が多発したと話す島﨑さん。

途中から、羽多野さんのところにその現象が集まったこともあり、最終的には冷川さんが全部解決してくれたと良い思い出になったそうです。

斉藤さんも不思議な現象が起きる現場だったと振り返り、本作のアフレコへ向かう日の朝に起きた出来事を披露。原作チェックをしているタブレットの画面が“さんかく”に割れていたという事件があったそうです。

「このメッセージは何なんだろう……？」と真剣に考えたという斉藤さん。きっとペンを落とすかもしれないというサインだったんだよと、先ほどのエピソードと繋がっていたという考察が導き出され、斉藤さんも笑いながら納得していました。

羽多野さんがピックアップしたのは「信長のコート」。深夜番組のタイトルのような響きに声優陣は大爆笑する中、羽多野さんから説明があります。

当時、寒い時期にアフレコをしていたということもあり、島﨑さんが着ていた暖かそうなダウンコートが話題になって盛りがったそうです。

このダウンコートがいかに能力が高いのか島﨑さんが説明してくれた次の週、アフレコ現場にそのダウンコートを着た安済さんが現れて驚いたのだとか。

寒がりの安済さんは「これしかない！」と島﨑さんの説明を受けた後、すぐにお店へ行って試着したとのこと。風をまったく通さないダウンコートの性能に感動しては周りの声優さんたちにも勧めていたそうです。

“信長ショッピング”の影響力がすごい！と興奮気味で話す羽多野さんに、会場も大きな拍手で反応していました。一体どんなにすごいダウンコートなのか、気になりますね……。

身を削った声優陣のネタに大興奮!?

続いては、“「特殊清掃クーリーン」の臨時アルバイト試験”と題したバラエティコーナーです！

脳が鍛えられるようなクイズ問題に昼の部では混沌と化したそうですが、声優陣の皆さんも少し慣れてきたのか、夜の部では皆さんスムーズに回答されていました。

中でも、割とすぐに答えを導き出す三上さんと斉藤さん。昼の部ではなかなか正解できなかった安済さんも必死についていき、羽多野さんはスムーズに答えが導き出されると「気持ちいい～！」とパッと花が咲いたような表情を見せていました。

「除霊」という正解をポーズで示さなくてはならない問題では、某子供向け番組の有名な映画主題歌を島﨑さんが歌い始めるという展開に。会場からも手拍子が沸き起こり、たちまち島﨑さんのライブ会場に様変わりし大盛り上がり！

斉藤さんはマイクなしで某有名漫画の名台詞を放ったり、三上さんは自身が吹き替えを担当している“魔術師”がゲートを開くポーズを披露したりするなど、身を削ったネタを披露した声優陣に観客も大興奮でした。

空欄の文字をつなげて答えを導き出すクイズでは、正解の「抱負」を各々が観客に向かって宣言することに。

最初に手を挙げた斉藤さんからステージのセンターでマイクを置いて抱負を述べるという流れが生まれてしまい、羽多野さん、安済さんもその流れにノリます。三上さんは美しい声でミュージカル調に抱負を述べては会場を盛り上げていました。

そしてラストを飾るのは座長の島﨑さん。童謡「にんげんっていいな」を歌いながら最後は歌詞に合わせてステージ上ででんぐり返しをするという予想もつかない展開に今日イチの拍手が沸き起こりました。

座長が体を張って頑張ったこともあり、島﨑さんが臨時アルバイトに決定！　「人間っていいな～！！！」ととても嬉しそうな顔を見せていました。

昼の部も混沌と化していましたが、夜の部もすごいものを見せられたような気がします。声優陣のアドリブ力は本当にすごいです……。

心が温まる朗読劇と声優陣たちの“想い”

ここからは、朗読劇「花見」。今回のイベントのために、シリーズ構成の関根アユミ氏が書き下ろした完全オリジナルエピソードで、アニメ放送後の5人の様子がお届けされました。

迎の誘いで花見にやってきた三角、冷川、英莉可。途中でパトロール中の半澤と出会い、迎が知る“穴場”へと行きますが、桜の木がまったく見当たらないと疑問を感じる三角と半澤。

けれども、冷川はそこに桜の木があると話します。英莉可はその桜の木が見えたり見えなかったりと戸惑っている様子。実は、迎は最近噂になっている“人によって見えたり見えなかったりする桜が本当にあるのか検証する”依頼を受けて花見を計画したのだそう。

初めて経験する不思議な現象に怯える三角に「私がついています」と冷川。そういう会話を素でする2人にチャチャを入れる迎、英莉可の様子がとても微笑ましいです。

レジャーシートを広げてみんなが持ち寄ったものを並べていくと、なんと迎、英莉可、冷川はフルーツ被り。主食がない状態に肩を落とす半澤ですが、三角が花見に相応しい弁当を用意してきていました。

一気にみんなのテンションが高まり、花見がスタート。他愛のない話でわちゃわちゃとしている中、見える人にしか見えない桜をジッと見つめる冷川。

さっきよりもハッキリと桜が見え始めたと話す冷川は、三角たちが盛り上がる話を聞いていたら他の花見客の声がだんだん大きく聞こえてきてはたくさんの音が1つになり、その音が遠くに感じたのだそう。

その話を聞いた三角は、周りの人が盛り上がっているのを見ているときにふと我に返ってしまうときがあることを話し始めます。

迎も英莉可も他の人が盛り上がっているときにうまく笑えないことがあると共感。「人間はな、大勢の中にいるときのほうが孤独を感じたりするもんなんだよ」という半澤の言葉に“孤独”について考え始めると、一瞬桜の木が見えた！とビックリする三角と英莉可。

そしたら、逆に冷川は桜の木が見えなくなってしまいました。冷川曰く、ここに来たときに感じた“うるさい”が変わり、聞こえている音は同じだけども“うるさい”と感じなくなったと話します。

一体何が起きているのかパニックになっていると、やっと理解できたと冷静に話し始める迎。半澤が言っていたように、人が楽しんでいる場所にいると何となく孤独を感じることもある。そういう気持ちに同調した人間だけが見える“何か”があると話します。

冷川はこういう賑やかな場所に慣れていなかった、英莉可は少し緊張していたこともあり、桜の木が見えていたと考察。また、迎は桜の木には「私を忘れないで」という花言葉があると付け加えます。

「忘れないっすよ、もちろん」と冷川に対して言葉をかける三角。羽多野さんの声音から冷川の少し恥ずかしくも嬉しそうな様子が伝わってくるようでした。

きっと冷川は三角たちの会話を聞いて孤独を感じなくなった、“うるさい”から“賑やか”に変わったからこそ”孤独”に同調した人だけが見える桜の木が見えなくなったのでしょう。

どこかポカポカと、少しずつ心が温まるような朗読劇「花見」でした。

5人による朗読劇を終えて、感想を聞かれた島﨑さんは「人間っていいなって思いました」とコメント。「さっきと繋がっている！？」と他の声優陣も島﨑さんの見事な伏線回収に驚き、会場は大きな拍手が鳴り響きました。

改めて、こうして集まってお芝居ができることに幸せを噛み締めていた声優陣。今度は逆木一臣を演じる諏訪部順一さんも交えて朗読劇がしたいと話します。

最後の挨拶では全員が生のお芝居やイベントで作品が共有できること、そこから縁や気持ちが繋がっていくことのありがたさを伝えた島﨑さん、羽多野さん、安済さん、斉藤さん、三上さん。

三角と冷川から伝わってきた“運命”のように、この作品に出会えたのも1つの運命だと思わせてくれる素敵なイベントでした。

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