『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』日本語吹替版アメリカ・チャベス役・鬼頭明里さんインタビュー｜いつか挑戦したかった吹替作品に出演できる喜び

2022年、マーベル・スタジオの劇場公開のスタートは、大ヒットを記録した『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』のその後を描いた『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』だ。5月4日（水・祝）に劇場公開がスタートし、大きな話題となっている。

その日本語吹替版では、無限の可能性が存在する無数のパラレルワールド（並行世界）“マルチバース”の秘密を握るとされる少女・アメリカ・チャベス役を鬼頭明里さんが担当している。アベンジャーズ最強の魔術師ストレンジと行動を共にし、“マルチバース”の世界を行き来する能力を持つ新キャラクター。物語の重要な鍵を握るとされる役をどのように演じていったのか、またアニメと吹替との違いなどを聞いた。

楽しい思い出にあふれた収録

ーーマーベル・スタジオの作品はよく見ているそうですね。

アメリカ・チャベス役鬼頭明里さん（以下、鬼頭）：見ています！　

ーーどんなところが魅力的だと思いますか？

鬼頭：映像がすごい迫力で、私たちが普段アニメーションに求めている映像美や迫力が実写で繰り広げられている感じなので、アニメ好きの方にもマーベル作品は刺さるんだろうなとすごく思います。特殊能力だったり、設定から、すごくファンタジー要素も詰まっているので。

ーーアニメと共通するところが多いから、面白いんだろうなと思うし、いろいろな作品がつながっているのも魅力的なので、どこから手を付けたらいいのかという問題もありますよね？

鬼頭：いや、もう最初から観てください（笑）。順を追って観ていくと、ここでこうやって繋がっているんだとか、ここでこの人が登場するんだ！というのがあるので、めちゃめちゃテンションが上がるんです。

ーー4月に開催された日本版の声優お披露目イベントで、好きなキャラクターとして、キャプテン・アメリカを挙げていましたが、その理由は？

鬼頭：まず、見た目が一番好きなのと、性格が王道ヒーローという感じがして、真面目で真っ直ぐで正義の味方で良い人！というところが憧れなんです。

ーーたとえば敵側とかダークヒーローが好きな方もいますけど、鬼頭さんはスーパーヒーローが好きなんですね。

鬼頭：ザ・主人公みたいな正義の味方に憧れますし、キャプテン・アメリカは、こうありたいな！って思うヒーローなんです。

ーーそして、そんな大好きなマーベル作品の映画に今回出演されることが決まりました。すごく嬉しかったのではないですか？

鬼頭：デビューして間もない頃にアニメーション作品（「マーベル フューチャー・アベンジャーズ」ミズ・マーベル役）に出演させていただいて、実写映画の方にもいつか出てみたいと思っていたんです。吹替の仕事自体もずっとやってみたいと思っていたので2つの大きな夢が同時に叶った感じがして、すごく嬉しかったです。しかもメインでたくさんしゃべるキャラクターを演じることも初めてだったので……。

ーー吹替作品をやりたい思いは強かったのですね。

鬼頭：はい。今までなかなか機会がなかったので、本当に嬉しかったです。

ーーアニメに声を当てるのと吹替は、やはり違うものですか？

鬼頭：アニメは自分で考えて、自分の思うようにお芝居ができることも多いのですが、吹替の場合は、原音があってのものなので、それに寄せなければいけないというところは全然違うと思います。

アドリブのタイミングも、アニメだと絵に合わせて自分で考えて入れていって、現場で要るか要らないかの話し合いを監督方とするんですけど、吹替は、役者がここで息をしているから、同じように息をしてくださいと言われることがたくさんあったので、難しかったです。

ーー原音を聞きながらお芝居をするという点も、アニメとはだいぶ違う感じがします。

鬼頭：そうですね。セリフの尺に絶対に合わせなければいけないというのもありますし、考えることは違いました。

ーーしかも今作では、重要な役柄でセリフも多かったと思いますし、大変だったでしょうが、難しかったと楽しかったとでは、どちらが強かったですか？

　
鬼頭：それはもうめちゃめちゃ楽しかったです（笑）。何度か「休憩しますか？」と言ってくださったんですけど、「いや、大丈夫です！」とぶっ続けでやってしまうくらい楽しかったです！