映画
『ホリック xxxHOLiC』映画プロデューサー&原作編集者インタビュー

『ホリック xxxHOLiC』映画プロデューサー・宇田 充&原作編集者・桂田剛司インタビュー「実写化しても原作の良さは変わらない」

“原作ファン”だからこそこだわったキャスティング

ーー蜷川監督がつくり上げる衣装やセットはまさに『xxxHOLiC』の世界観にドンピシャだったのですが、もう一つキャスティングに並々ならぬこだわりを感じました。

宇田:キャスト案はいろいろあったのですが、蜷川さんが原作ファンでもあるのでハードルがかなり高くて……。こちら側から提案しても「イメージと違う!」と言われることも結構ありました(笑)。

桂田:ははは!(笑)

**宇田:*ただ、柴咲(コウ、侑子役)さんと神木(隆之介、四月一日役)くんが決まってから、より制作チームのイメージが湧いて、そこに合わせて脚本を直していくようなこともありましたね。

桂田:侑子さんのキャスティングは一番難しいだろうなと思っていました。WOWOWのドラマでは杏さんが演じられましたが、奇跡的な頭身数で説得力がありました。ただお芝居ができる方で、マンガの侑子さんの頭身数の役者さんはそうそういらっしゃるわけではないですし、作品の中での役割がとても大きいので、どなたが演じられるかは非常に気になっていました。

そしたら最初に柴咲さんのお名前が挙がってきたんですよ。CLAMP先生も私も、柴咲さんが持っていらっしゃる目や顔の力、表現力に魅力を感じていましたし、侑子さんとしての説得力も感じたので、適任だなと思いました。

 

ーーメインのお二人はもちろん、脇を固める面々も非常に豪華で。

宇田:百目鬼(静)役の松村(北斗)くん、アカグモ役の磯村(勇斗)くんは比較的早くからその案がありました。まず松村くんに関しては、蜷川さんが2018年頭くらいからSixTONESにかなり興味を持っていて。「百目鬼は松村くんがいいんだよね」と。

磯村くんは“特殊面談”させていただく中で決まりました。

 

ーー特殊面談……?

宇田:蜷川さんは写真家なので、「写真を撮れば分かる」と言うんですよ(笑)。なので、オススメや、蜷川さんが興味のある何人かの方をお呼びして「写真を撮らせてください」と撮らせていただく機会を作りました。磯村くんを撮り始めた時、はたから見ても「この人はイケるんだな」という感じだったんですよね。蜷川さんがお好きな色っぽいお写真にどんどんなっていったので(笑)。

 
また、女郎蜘蛛役の吉岡里帆さんも蜷川さんですね。2017年頃から、蜷川さんから別件で写真を撮影したときに「吉岡里帆ちゃんはすごくカッコいい人だ」と話されていて。それにしてはあまりカッコいい役をしていなかったから、カッコいい役で一緒にやりたいと今回のキャスティングになりました。

 

ーー写真から役のイメージを膨らませるというのは、写真家ならではですね。

宇田:撮影中はほとんど言葉を発しないものの、写真を撮っているとその人の在り様が分かるのだろうと思います。

ーーTwitterの公式アカウントでもキャスティング発表のたびに、凄まじいRTといいね数だったのが印象に残っています。

宇田:『xxxHOLiC』という作品を使用して=CLAMP先生のお力を借りて大きな作品をつくろうとしていたので、「CLAMP先生のファン属性」「蜷川実花のファン属性」「神木隆之介のファン属性」をより知っていくことからはじめました。原作ファンの皆さんに寄り添いながら、監督・キャストファンの皆さんとの共通項を探っていく作業は丁寧にやりたいと思ったんです。

桂田:『xxxHOLiC』の世界観と蜷川さんのつくり上げるビジュアルとの相性の良さ、違和感のないキャスティングというのが大きかったと思います。どう考えたって『xxxHOLiC』と蜷川さんの相性は良いですから(笑)。

CLAMP先生の描く極彩色のカラー絵をリアルにつくり出せるのは、蜷川さん以上の人はいないだろうと。ありがたい話ですよ。私の立場からすると蜷川さんが『ホリック xxxHOLiC』を撮っていただいたことに感謝しかないです。

「メディアミックス化はプラスになってもマイナスにはならない」

ーー近年、漫画原作の実写映画化が数多い一方、SNSを中心に賛否両論飛び交っています。最後に映画サイド・原作サイドそれぞれの視点で、「漫画を実写化する意味」をお聞かせください。

宇田:基本的に映画というものは、お客様から時間とお金をいただいて観てもらうもの、いわゆる「興行」なので、一つの作品をつくること、みていただくことのハードルがすごく高いんですよ。

その中で原作のある作品は、一定のファンの方に来てもらうことが見込まれる。もちろん諸刃の剣でもあるのですが……。とはいえ、映画を観てもらう大きなキッカケにも繋がりますし、何より日本オリジナルで物語を生む素晴らしい才能が集まっている。それが漫画を実写化する意味かなと思います。

桂田:映像化は多くの人に原作を知ってもらうための手段の一つであると思っています。実写化しようがアニメ化しようが原作の面白さが変わることはありません。また映像のつくり手のみなさんは何も「変なものをつくろう」と思っていらっしゃるわけではありません。「面白いものをつくろう」という一心で制作されているので、まずはそれを汲むべきだと考えています。

映像化の結果がどうであれ、原作に烙印が押されることは100%ないと思っています。プラスになることはあってもマイナスにはなることはない。だから映像化をしていただけるのは、編集者としてはありがたいことです。私の仕事は、映像化のタイミングに合わせて原作をどう売ろうか考えるのみです(笑)。

[インタビュー・文/阿部裕華]

 

この記事をかいた人

阿部裕華
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター

 

実写映画『ホリック xxxHOLiC』作品情報

絶賛公開中

 

ストーリー

願いを叶えるには、代償が必要。さあ、あなたの願いは?

人の心の闇に寄り憑く“アヤカシ”が視える孤独な高校生・四月一日(ワタヌキ)。その能力を消し去り普通の生活を送りたいと願う四月一日は、ある日、一羽の蝶に導かれ、不思議な【ミセ】にたどり着く。

妖しく美しい【ミセ】の女主人・侑子(ユウコ)は、彼の願いを叶えるために、“いちばん大切なもの”を差し出すよう囁く。同級生の百目鬼(ドウメキ)やひまわりと日々を過ごし“大切なもの”を探す四月一日に、“アヤカシ”を操る女郎蜘蛛らの魔の手が伸びる。

世界を闇に堕とそうとする彼らとの戦いに、侑子や仲間たちと共に挑んだ四月一日の運命はーー?!

スタッフ

監督:蜷川実花
原作:CLAMP『xxxHOLiC』(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:渋谷慶一郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「Habit」(ユニバーサル ミュージック)
製作:映画「ホリック」製作委員会
配給:松竹 アスミック・エース

キャスト

神木隆之介
柴咲コウ
松村北斗
玉城ティナ
趣里
DAOKO
モトーラ世理奈
磯村勇斗
吉岡里帆

公式サイト
公式ツイッター

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