音楽
KOTOKO『すぅぃ~とさいくろん-☆いぇいっ☆-』インタビュー

「新しい世代の人にとってはまだまだ一般的ではない電波ソング。今やるなら私でしょ!って」 KOTOKOさんが念願の電波ソングアルバムをリリース! おじさんとマシュマロに、タコですよ!? 超ロングインタビューいぇいっ☆

そうそうたるクリエイターが勢揃い

──さきほどから名前が上がっている高瀬一矢(I've)さん、中沢伴行さん、Aiobahnさん、井内舞子さんや、C.G mixさん(I've)、D.wattさん(IOSYS)、橋咲透さん(solfa)、原田勝通さん(Angel Note)、立秋さん、さらに桃井はるこさんと、ファンにはたまらないメンバーが勢揃いしていますね。

KOTOKO:作家さん選びからすべて私がやらせてもらっています。お引き受けしていただけるかはわからないけど、とりあえず全員にお声がけさせていただきました。電波ソング黎明期からご一緒してくださっていった方には絶対に参加してほしかったし、それプラス、こういった楽曲に近いところで活躍されている方に参加していただくことで、新しい世代の人たちにも届くようなものを作れたらなって。そして私もそのタッグによって新しい発見ができるんじゃないかなと思ってました。それでお初の作家さんにもお声がけさせていただいてます。皆さんにご快諾いただけて嬉しかったです。

──お初の作家さんでいうと……。

KOTOKO:完全にはじめて一緒に制作したのは立秋さん、IOSYSさん、桃井さん。IOSYSさんは昔から電波の畑で、しかも同じ札幌を拠点に活躍されている方々なのに、ずっと接点がないままここまできていたんです。満を持して初タッグを組ませてもらいました。

──電波ソングのパイオニアのおひとりでもある、桃井はるこさんのお名前には驚きました。

KOTOKO:一緒に2000年代から電波ソングというジャンルをやってきた“同志”であり、大尊敬している存在です。クリエイターとして、桃井さんのスキルやソウルを表現してほしくて。そして、彼女を置いて電波を語れないという思いがありました。「絶対に一緒に作りたい!」と思っていたので、初めてお声がけをさせていただきました。 

──さらに「この曲を置いて電波を語れない」という強い意思を感じるのが、「巫女みこナース・愛のテーマ」のカバーです。

KOTOKO:レジェンド曲と呼ばせてもらっています。昔からよく知ってる曲で「カバーできたら面白いな、歌ってみたいな」って気持ちはずっとあったんです。それと同時に、後半の早口で畳み掛けるところが、私は絶対にできないと思っていて(笑)。フェスなどで候補曲として上がったことはあったんですけど、「あの早口はきっと無理だから」って他の曲にしていたんですよ。で、アルバムの打ち合わせで西村プロデューサー(NBCユニバーサルの音楽プロデューサー・西村 潤)にそれを話して。「本当は巫女みこナースができたら良いんだけど、私、早口は絶対ムリだから」と。そしたら「良いじゃん、やろうよ」って(笑)。「逆にライブで早口が最後まで歌えるか、やってみるのも面白いじゃん」と提案してくれたんです。それでやることにしました。「巫女みこナース・愛のテーマ」の作家さんたちにカバーの許諾をいただくために連絡したところ、快くオッケーしてくれて。原曲を歌われたChu☆さんも喜びのコメントをツイートしてくれていて、すごく嬉しかったです。

──電波ソングアルバムをきっかけに、縁が広がったり、深まったりしているのが素敵ですね。

KOTOKO:そうですね。これまでご一緒できたらなと思っていた方と繋がれたので、素晴らしい企画だなと思いました。本当にありがたい。

──ちなみに、早口のところはどうだったんです?

KOTOKO:それはですねぇ〜……白状すると、歌えなかったんですよ! 最後のところだけテンポを落としてレコーディングしたんです。それで「-こっとんちゃれんじばーじょん-」というサブタイトルがついています。ある程度はできるんですけど、あそこまで滑舌良く歌うことができなくて。科学の力を使って速くしてもらいました(笑)。改めて、原曲のChu☆さんの凄さを感じました。本当に尊敬します。

「さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~[2022mix]」から幕開け

──オープニングを飾るのは「さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜」のセルフカバーですが、セルフカバーはKOTOKOさんのご提案だったんですか?

KOTOKO:私が決めたわけではないんです。原曲のMVがあちこちにアップされているんですが、私たちがアップしたわけじゃなくて、ユーザーの方たちがDVDから抜き取ってアップしたものなんです。でもそれがすごい再生回数で、本当に愛されているんだなと思いました。「どうせだったら新しいものを作って、同じくらい見ていただけるように作り直しましょうか」というアイデアをいただいたのがきっかけです。だから映像ありきで作り直したような感じでした。デビュー時から撮ってくれている監督さんが、以前から「俺の手で撮り直したい」と言ってくださっていたこともあって。周りの方たちの熱い気持ちを受けて「じゃあやりますか!」と。録り直すにあたって、楽曲もリミックスしました。

──歌い直されてるんですよね? 声が変わらないことに驚いて。

KOTOKO:完全に歌い直しています。ただ声が変わらなさすぎて歌い直したことに気づいてもらえないという(笑)。でもそうやって言ってもらえることがすごく嬉しいですね。

──それはMVにも言えることですけども。当時のMVを再現した上で、さらにユニークな仕上がりに。

KOTOKO:そうなんです。原曲のMVのチープな作りの面白さというのも大切な要素だと思っているので「そこは完全にオマージュしたほうが面白いよね」という話になりました。でもせっかくだから最新技術も取り入れたいよねって。それで、MVの後半には野球中継にも使われているボリュメトリックという技術を使いました。そんな最新技術を使っているにも関わらず、私が無数に増殖されるという、あんなにもおバカな演出になるなんて(笑)。

──(笑)素敵でしたよ!

KOTOKO:ふふっ。ありがとうございます。そういうところにも、周りの大人たちのイタズラ心のようなものが詰まってるんです。

──衣装も当時のものなのでしょうか。

KOTOKO:あれは作り直したんです。16年前のものなので流石に残ってなくて(笑)。衣装さんが当時の荒い映像から解析して、そっくりに作り直してくれたんです。元の映像が粗いので分からない部分もあったようなのですが、想像しながら、精巧に作ってくれました。無地のところには私が自分でワッペンを貼ったり、絵を書いたり……。

──KOTOKOさんの衣装はいつも手が込んでますよね。

KOTOKO:ああ、それは……私自身がもともとデザイナーになりたかったんです。だから一時期服飾の勉強していた時期があって。衣装のことを考えるのが好きなんですよ。ライブの衣装も自分でデザイン画を書いてそれを再現してもらっています。実はもともとの原曲バージョンのMVを撮るときも、社長から「自分で衣装買ってきて」と言われて、自分で調達してきたんです(笑)。当時ネットで「このセンスはひどい」って話題になっていたことがあったんですけど、自分で選んだものなのにと(笑)。他にもいろいろ書かれていたのですが、それだけ見てくれてるって愛だな、ありがたいなと思います。そういう気持ちを3曲目の「バイキングの逆襲」に込めています。これはネットのことではなく、私自身の小さな頃の体験談なんですが……。

──「バイキングの逆襲」は衝撃的な内容ですが、実話なんですね。

KOTOKO:はい。小さいころにいじめられていて。いじめていた人たちの気持ちはわからないけど「キミのおかげで少しは強くなったよ、ありがと」っていう曲です。

──そう思えるってすごいですね。私もいじめられっ子だったんですが、なかなか心から相手を赦すってできなくて。

KOTOKO:そういう人が多いと思うんですよ。この曲に書かれてることって本当に実話で。例えば<黄色と赤のジャージでローテーション>は、いつも黄色と赤のジャージを着てたから「いつも同じ服着てる」って馬鹿にされていた時のこと。<うぶ毛が濃いの生まれつき>っていうのも、そのままで。ひげが生えてるように見えてたから「ヒゲおじさん」って呼ばれていたことがありました。バイキン軍団って呼ばれて、私が触ったものは汚いと。はみ出しものにされてました。

──ひどい。

KOTOKO:その当時は悲しかったです。でもこの歌詞にしたことで水に流してやろうって気持ちです。

──<キモいって言ったの許してやんよ おかげでちょっと強くなったし>という言葉もありますもんね。ある意味、KOTOKOさんの中での浄化ソングというか。

KOTOKO:まさに浄化ソングです。当時の彼らにも聴いてもらいたいですけどね。

──タイトルも音もすごく可愛いけど、KOTOKOさんのメッセージが詰まってる。

KOTOKO:そうです。このピコピコした可愛い音に私のいちばんの毒を乗せるのが電波っぽくていいなって。言ってることはかなりエゲつないですけどね(苦笑)。普通だったら<キモい>ってワードは歌詞にはしないじゃないですか。むしろNGワード。

──しかも冒頭ですからね。他に<キモい>って言葉からはじまる曲ってあるのかなと……。

KOTOKO:多分ないですね(笑)。電波ソングだからこそできることです。これはいちばんのメッセージソングですが、他の曲の歌詞にもこだわりました。4曲目の「スマホの恋人~だって推しが強すぎるからずっと神って言ってる~」は、あえて令和っぽく、もしかしたら10年後は死語になってしまっているかもしれない「推し」「スマホ」という言葉を入れていて。令和の時代であればみんなが共感できるであろう内容にしました。「推し」に対して、時間もお金もかけるって、本来は大変なことだし、人によっては馬鹿なことと思われるかもしれない。でもそれが私たち弱い人間たちの心のオアシスのようになっていて。時間やお金の問題じゃなく、愛ややすらぎを買ってるんだよって歌った曲です。「こういう時代があったんだよ」という、歴史の教科書的な曲があっても良いんじゃないかなって。

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