音楽
“MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-”詳細レポ

「キミがいてくれるから、私は今日もこうして歌っています。私の歌い続ける理由になってくれて、本当にありがとう」“MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-”ライブレポート

仲間と作った曲たちを

さまざまなアトラクションで、さまざまな景色を見せてくれたライブが、いよいよクライマックスへと向かう。観客のテンションを上げ、再びバンドメンバーと共に歌ったのはボカロナンバー「夜咄ディセイブ」。じん ft. LiSA & メイリアとしてカバーしたこともあるこの曲を弾けるようにパフォーマンスしてみせた。そして、真っ赤な照明の中で、草野華余子が作詞・作曲した「おろかものがたり」を激しく歌唱すると、アイリッシュ・フルートの音色が流れ、ケルト音楽を彷彿させる「Pray」(スマートフォン向けRPG『メメントモリ』のキャラクター・オリヴィエのイメージソング)で荘厳な景色を描きだす。そして、「やっぱり私は、みんなと作るこの場所が大好き!」と伝え、じんが作詞・作曲した「ハルガレ」で新しい季節へ向かうことを予感させたのだった。

「ガルニデのツアーが終わったのが1月末なので、半年振りくらいのライブでしたが……楽しかったね。みんなと一緒に作る時間がめっちゃ好きだなって思いました! 距離とか、時間とか、忘れちゃうね! ちゃんと目と目を合わせて、同じ時間を共有できることがとっても幸せだなって思います。どうもありがとう! 次でラストの曲なんだけど……私のライブはね、みんなが元気になって帰ってほしいなっていうことで……! ここで宿題の成果を見せるときがやってきました!」

宿題というのは、事前にSNSで公開していた「Long Distance」の振りのこと。少しだけレクチャーするものの「みんなバッチリ!」と驚きの声を上げた。そして「Long Distance」の作詞・作曲を手掛けた原田、ダンサーもステージへ。この日のライブを象徴するように、カラフルな照明がステージを明るく照らす。原田のキーボード、バンドの音色に乗せて歌われた、<最近会えないから お互い強くなれるね 一層想いは募ってく キリがないほどに そうやって 長い月日を丁寧に重ねてこう>という言葉は、この場にいた全員の胸に温かく響いたはずだ。みんなで観覧車に乗って“これから”に想いを馳せるかのような、ハートフルな空間であった。

アンコールはバラードから

鳴り止まない拍手に答えたアンコールは、バラード「コンコース」から。木漏れ日のような照明が切ないラブソングをより際立たせる。<出会えてよかった>──この日のライブの“終わり”がすぐそこに近づいていることも予感させた。MARiAが思いを吐露する。

「改めて、アンコールありがとう。1年前のうたものがたりのステージで、苦しいことにも、悲しいことにも、必ず終わりが来るとステージの上で話したんですが……そのあと、ガルニデのツアーがあって、会いに行けなかった、会いたかったみんなに会うことができて、ツアーが完走できて。“ああ、やっぱり自分たちが選んだ道は、自分たちがやってきた音楽は間違いなんかじゃなかった”って……すごく、そう、思いました。でもね、まだまだ苦しい状況が続いていて、思うようにいかないこともたくさんあって。私が歌を歌っているのは、届けたいキミがいるから。でもそんな後ろ姿も、見えなくなっちゃうときがあって……」

振り返りながら感情が溢れ出す。そして赤裸々に、自分の気持ちを言葉にしていく。

「私の歌はもう、求められてないんじゃないかなぁとか……そんな風に、本気で、この私が、弱気になってしまうこともありました。でもこうして、今日、このステージから見えるみんなの顔を見て、やっぱり、私は歌うことが大好きで、みんなと作るこの時間がすっごく好きで、まだまだキミに届けたい歌がたくさんあるって、そう思いました。そばにいてくれてありがとう。キミがいてくれるから、私は今日もこうして歌っています。私の歌い続ける理由になってくれて、本当にありがとう」

“こちらこそありがとう”──そんな言葉が聞こえてきそうな、温かな拍手が沸き起こった。その拍手を浴びながら、笑顔を見せたMARiA。

「最後は、私が今、みんなに、いちばん伝えたい思いが詰まったこの曲を歌います。聴いてください」

アルバムのラストに収録されている「Labyrinth」を情感たっぷりに歌い届ける。アニメイトタイムズのインタビューで「主人公の気持ちが沈んでいるところから始まりますが、最後は“キミと生きていく”という強い信念になる。希望で終わらせているのがすごく私らしい」と語っていた曲。

ラスサビの<この手は離さない 二人でいよう>のあとに「君と私で、ずっと一緒に、歩んでいこう」と約束。そして最後の<時を刻む音をこれからも重ねよう>と、希望の光でいっぱいにしてみせた。

「歌うことが本当に大好き!」とこの日何度も口にしていたMARiA。歌、そしてファンに対する真摯な姿勢が表れたライブは、彼女にとっても、私たちファンにとっても、特別な一日として刻まれたはずだ。

来年は歌いはじめて20周年。キャリアに裏付けされた、確かなパフォーマンスでカラフルなステージ見せたにも関わらず、あくまでスタート地点だと語るところが、常に挑戦を続けてきた彼女らしい。

「MARiAとしてのステージはまだまだはじまったばかり。いろいろなことに挑戦し続けてるMARiAなので、みんなついてくるのも大変かと思いますが……私、来年で、20年間歌い続けていることになるんです! すごいよね! 歌をはじめた時は20年も歌い続けるだなんて思ってもいなかった。皆さんがこうやって支えてくれるから、大好きな歌を歌い続けることができています。これからも歌い続け、挑戦し続けるMARiAでありたいと思っています。MARiAと一緒に歩んでくれたら嬉しいです」

GARNiDELiAとしては、9月11日(日)に結成12周年記念ライブ「GARNiDELiA 12th Anniversary stellacage -Heart to Heart-」を開催することが決定している。「20周年、何かできたら良いね」と話していたので、次なるMUSIC LAND、そしてアニバーサリー・イヤーに期待したい。

[文・逆井マリ]

「MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-」公演情報

日時:2022年7月3日(日)OPEN 16:15/START 17:00
会場:EX THEATER ROPPONGI(東京都港区西麻布1-2-9)
チケット料金:【全席指定】7,700円(税込)
主催:ディスクガレージ
企画制作:スーパーディレクション
制作協力:イープラス/ポニーキャニオン

【出演】MARiA
【GUEST COLLABORATION ARTIST】evening cinema

セットリストプレイリスト
音楽配信/サブスクリプションサービス

MARiA「moments」商品情報

発売日:2022年6月22日(水)
形態・価格:
【初回限定盤】CD+Blu-ray 4,950円(税込)
【通常盤】CD Only 3,300円(税込)

音楽配信/サブスクリプションサービスでの購入はこちらから

 

CD収録内容(初回限定盤・通常盤共通)

01. Think Over
作詞・作曲・編曲 : 原田夏樹
02. Star Rock 
作詞:鈴木エレカ 作曲:Carlos K., nana hatori 編曲:Carlos K.
03. Long Distance
作詞・作曲・編曲 : 原田夏樹
04. カフェラテのうた feat. luz 
作詞:堀江晶太、luz 作曲・編曲:堀江晶太
05. 君といたい 
作詞:nine, Carlos K. 作曲・編曲:Carlos K., ygarshy
06. Heartbreaker
作詞 : 早川博隆 作曲 : 早川博隆、古峰拓真 編曲 : 古峰拓真
07. Galactic Wind
作詞:メイリア 作曲・編曲:toku
08. Asterisk
作詞 : 中原徹也 作曲・編曲 : 早川博隆
09. Pray 
作詞・作曲・編曲 : BOI
10. Labyrinth
作詞:金子麻友美 作曲:久下真音、金子麻友美 編曲:久下真音

初回限定盤Blu-ray収録内容

Think Over -Music Video-
カフェラテのうた feat. luz -Music Video-
Behind The Scenes of “Think Over”
Behind The Scenes of “カフェラテのうた feat. luz”

アニメイト特典(初回限定盤、通常盤共通)

オリジナルブロマイド(Type-D)

ライブ詳細情報

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