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『劇場版ツルネ ―はじまりの一射―』上村祐翔×浅沼晋太郎インタビュー

ついに解き放たれる『劇場版ツルネ ―はじまりの一射―』鳴宮 湊役・上村祐翔さん×滝川雅貴役・浅沼晋太郎さんインタビュー|「ものすごく繊細に、丁寧に作られた作品を隅々まで味わってほしい」

アニメ放送時の思い出

――TVアニメ放送時の反響はどのように感じられていましたか?

上村:僕自身、オンエアを毎回楽しく拝見させてもらっていました。弓道というあまりアニメーションでは扱われていないテーマの作品で、道場の静かな雰囲気など、見応えのあるアニメーションは、視聴者の皆様から反響をいただきました。僕も剣道をやっていたので、道場のピンと張り詰めた空気感とか、本当にリアルに描かれているなと思っていました。

浅沼: TVシリーズの放送時、甥っ子が『ツルネ』を観て「弓道をやってみたい」と言い出して。思わず「そんな生半可なものじゃないぞ」って言ったんですけど、僕も実際にやったことがないからどの口が言ってんだっていう(笑)。あと「私も弓道部でした」っていうお手紙をいただくこともあって。そういった声を受け取られたことも嬉しかったですし、こうして、今まで弓道に触れてこなかった人にも響いた作品だったんだなと実感しました。

――TVシリーズで印象的だったシーンはありますか?

上村:最終話ですね。湊の語りが続いていく中で、海斗から湊まで、順を追って矢を打っていくんですけど……風舞の絆が深まった状態での話の展開で。それぞれの名前を呼ぶときは、その空気感をものすごく大事に、丁寧にアフレコした記憶があります。その当時のアフレコは桐先高校のみんなもいたので、ブース内がぎゅうぎゅうになっていて。その中でマイク前に立ってひとり語っていくのは、試合のような緊張感がありました。

浅沼:夜のサービスエリアで湊と缶コーヒーを飲みながら思いを吐露するシーンですね(第11話「空筈(からはず)の痛み」)。周囲から頼りがいがあると思われていて、誰かの憧れでもあるマサさん。その彼が、自分のの弱い部分を教え子に対してさらけ出すって、ものすごく大きなことで。

部員たちに「僕たちに任せていってきなよ」って言われるところも好きですね。今まで背中を押す側だったマサさんが、彼らにも背中を支えられているんだってことが表現されていてグッときます。マサさんにとっても、いつの間にかみんなが成長していることを知らされる。試合を見ていく中で、技術面や精神面での成長はもちろん見てきたんでしょうけど、そうじゃない、芯の部分が強くなっているということを目の当たりにした瞬間なんじゃないかと。

――TVシリーズ、劇場版を経て、声優としてのお互いの魅力というのはどんなところに感じられていますか?

上村&浅沼:(笑)

上村:恥ずかしいですね(笑)。じゃあ僕から先に言お……。

浅沼:あああ~!

上村:初めてお会いしたのはTVシリーズの『ツルネ』だったんです。僕としてはマサさんの印象が強いんですが、浅沼さんはいろいろな役を演じられていて、いろいろな声色を持っていらっしゃる方で。僕からすると、頼れる、ドシっとしている方というイメージで。そこの深みというか。これまで積み重ねてきた経験が作らずとも声に乗る方なんだろうなと思っています。

浅沼:(下を向いて)……これ、メールインタビューじゃダメですかね? 直接聞くのものすごく恥ずかしい(笑)

上村:(笑)

浅沼:でもお芝居をしている歴で言えば、上村くんのほうがパイセンなんですよ。

上村:歴で言えばそうですけども。

浅沼:僕は歳ばっか取っちゃったので。

上村:いやいやいや。

浅沼:上村くさんは、マサさんから見た湊のような、奇をてらわないまっすぐさを持っているんですよね。僕は声優としてデビューしたのが30歳で。「この仕事がもし続けられるのであれば、30歳の僕にはどんな戦い方が残されるんだろう?」と思って、とにかくトリッキーに、トリッキーに攻めてきたんです。だから、僕にはないものを上村くんは持っているなあって。憧れです。

上村:…………。やっぱりメールでもいいですかね?(笑)

――(笑)。湊とマサさんの関係性ともつながるような。

上村:近いところは感じますね。

浅沼:そもそもマサさんは初登場時に半裸ですよ。深夜に半裸で弓を引いて、しかもフクロウ使い。トリッキーにも程がありますよ。情報が多すぎる(笑)。

上村:(笑)。トリッキーを極めた浅沼さんらしいですね。

――最初、マサさんは幽霊説もありましたしね(笑)。

浅沼:ありましたね。僕も森久保(祥太郎)さんや、(谷山)紀章さんとかに「何者かわからないやつが出てきたなと思ってて」「怪しいなと思ってた」って言われて。いやいや、お前らが言うなと!

上村:(笑)

浅沼:確か、紀章さんはラジオの時かな? 「浅沼くんのこと胡散臭いと思ってたんだよ!」って。たぶん肩書きが多かったからだと思います。日本だと、名刺いっぱい持ってる人って怪しいって思われがちじゃないですか。海外だと肩書が多いのは純粋に「すごい」と思われるらしいんです。中国では僕、「大大(ダーダー)」とか「巨巨(ジャージャー)」ってあだ名で呼ばれてるらしいんですけど、「マスター」みたいな意味があるそうで。だから僕、ヨーダと並べた(笑)。

上村:へええ、すごい。

浅沼:森久保さんにも「AD-LIVE」トークイベントの前日に、「いやあ、変なやつ出てきたと思ってたけど、浅沼くんって大学の後輩なのね!」って(笑)。デビューした歳も一緒だし、大学の後輩だし、舞台から声の仕事に入ったというのも一緒だし、って。それでよく「変なの出てきた」なんて思ったなと(笑)。そこからギュッと仲良くなりました。何者か分からない感じからスタートするというところは、マサさんと少し通ずる部分かもしれませんね。

(C)綾野ことこ・京都アニメーション/ツルネII製作委員会
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