秋アニメ『Do It Yourself!!ーどぅー・いっと・ゆあせるふー』第3話放送後インタビュー:シリーズ構成&脚本 筆安一幸さん|誰かを頼っていいんだよ、誰かに頼られていいんだよ、ということを感じてもらいたい
女子高生×工具=ものづくり DIY”初心者“女子の日常物語が描かれる、2022年10月より放送中のTVアニメ『Do It Yourself!!ーどぅー・いっと・ゆあせるふー』(DIY)。毎週女子高生たちが、何を手づくりしていくのか。ゆる~い会話の中からも、キャラクターの魅力がにじみ出ているし、ゆったりと過ぎていく時間を感じながら、心も癒やされていく。
アニメイトタイムズでは、アニメ放送後にインタビューを掲載する連載企画を実施中。第3回は、シリーズ構成&脚本の筆安一幸さんが登場。第3話は、ジョブ子の、ちょっぴり泣けて笑えるエピソードが放送されました。第3話のことや、作品を見て、どんなことを感じてほしいかなどを伺いました。
キャラクターたちに癒やされる本作。物語を描く上で大事にしたことは?
――オリジナル作品となりますが、作品に参加されることになったときの気持ちをお聞かせください。
筆安一幸さん(以下、筆安):企画段階で決まっていることは、「女子高生」が「DIY」をする「ゆるふわアニメ」、ということぐらいでしたが、その取り合わせが面白く、また、いちからキャラクターやストーリー、世界観を作っていけるということで、自由度も高いので、やりがいがあると思いました。
ただ、図画工作は小さい頃から好きでしたし、旋盤なども操作したことはありますが、いわゆるDIYの知識としては素人ですので、正確に描くにはしっかり勉強しなくてはならないな、と思いました(とはいえ、DIYに関しては、監修のスワロ先生に頼りっきりでしたが)。
――物語を描く上での大事にしたことはどんなことですか?
筆安:人類は昔から分業をしていました。ある者は漁をし、ある者は釣り針を作り、ある者は船を作る。それぞれが得意分野で作業することで効率がよくなり、発展が加速していったのです。人には得手不得手があります。誰でもパーフェクトではありません。力を合わせことによって、誰かの足りない部分を補い、力を貸す、誰かを頼っていいんだよ、誰かに頼られていいんだよ、ということを感じてもらいたいと思いました。そして、アバンにあるように、自分たちの手で、「欲しい未来」をつかみ取って……、と。
――米田監督の印象をお聞かせください。
筆安:何作かご一緒していることと、同郷であったり、同学年であったり、一緒に観劇に行ったりと普段から交流があるので、意思疎通がしやすく、とてもやりやすいです。またシナリオに対する演出面からの的確な意見はもちろん、世界観の造型、空気感の演出というものにとても長けている、熱血ものから、ギャグもの、シリアスから、ゆるふわものまでこなすという幅広さ。非常に才能ある方だと思います。
――キャラクターが愛着が持てる感じで描かれていますが、せるふ、ぷりん、くれい、たくみ、しー、ジョブ子、それぞれのいいところや特徴などを教えてください。
筆安:天才松尾祐輔さんが企画の初期段階で描かれたイメージイラストが、キャラクター造型に非常に参考になりました。キャラクターはそれぞれが欠点や悩みもありますが、総じて前向きなので、どの子も好きですね。
特にせるふは前向きで、鷹揚というか寛容というか、器がとても大きく、何でも受け入れ、誰とでも距離を詰められる(おそらくパーソナルスペースという概念がないんじゃないですかね)ところがいいですね。僕は人見知りなので見習いたいです。
ぷりんは頭もよく手先も器用で、しっかりものです。ただ、しかし、本質的にはもしかしたらせるふよりまだ幼いので、一人称が「あたし」だったり、子供っぽく頬をふくらませたりします。このふたりに限らず、当作品のキャラクターは、基本的には「名は体を表す」でつけていますの。
くれいはいっけんとっつきにくいですが、実は意外な一面があったりしますし、たくみはおとなしい子ですが、地道な作業を丁寧に、恐るべき集中力でこなせ(割烹着が似合いますね!)、しーは、元気な野生っ子で、力も強く、ジョブ子は超がつくほどの天才、ハイテクにもローテクにも通じています。全員、好きになっていただけると嬉しいです。