TVアニメ『氷属性男子とクールな同僚女子』音無さん役・佐倉綾音さん×火鳥くん役・仲村宗悟さん 対談インタビュー｜健康的なパワーをもらえる2人組！ トレンディードラマのような面白さが詰まっている

火鳥くんはヤバい人!?

——佐倉さんは監督から何かディレクションをもらったり、やり取りしたりしましたか？

佐倉：最初、「怖い」と言われました（笑）。

仲村：言われてた！ きつすぎますって（笑）。

佐倉：火鳥くんがすごく人懐っこいので、ちょっと突き放したくなったんだと思います（笑）。

一同：（笑）。

佐倉：突き放してもついてこられるの!? みたいな感覚になっちゃって。私自身ちょっと極端な性格をしているので、ちょっとやりすぎてしまい……。「もうちょっと優しく、柔らかくしても大丈夫です」と言われました。

あと、こういうスタンダードなOLさんの役をあまり演じたことがなかったので加減もわからず、極端な方向にいってしまったんだと思います。

仲村：僕が側から見てる佐倉さんは、音無さんよりも狐森さんというイメージがあります。

佐倉：音無さんの他に狐森さんもオーディションを受けていたんです。正直、狐森さんのほうがピンときていたというか、音無さんはあまり自信がありませんでした。

これまで狐森さんのような癖のあるタイプのほうがオーディションに受かる確率が高かったので、もっと癖のない声質の人が音無さんを演じられるのかなぁと思っていました。

　
仲村：あれなのかな……音無さんの気丈に振る舞っているけど内側では繊細な部分もあるところがわかって火鳥くんが好きになったシーンがありましたけど、そのギャップにリンクして佐倉さんがキャスティングされたとか。

佐倉：なるほど……！

——確かに、その可能性は大いにありますね！

佐倉：実は、オーディションでまんきゅうさんが監督を務めることを知ったとき、この作品はどういう風になるんだろう!? とちょっと意外に感じたんです。

仲村：確かに！

佐倉：私はショートアニメでずっとご一緒していて、まんきゅうさんが監督を務めた感動できる子ども向け劇場アニメを観たとき、その振り幅に戦慄しました。そうしたら、今度はこのお仕事系ファンタジーラブコメの監督を務められていて、どうやって作るの!? と。

だからこそ、オーディションでは何を求めているのか、どういう演技の質でいけばいいのかがつかめなくて、オーディション資料にあった“まんきゅう”という文字にとにかく惑わされました（笑）。

一同：（笑）。

佐倉：その弱気な部分と、私の素の強気な部分がちょうど入り混じったのが良かったのかもしれません。

——仲村さんもオーディションでは他の役も受けられたのでしょうか？

仲村：火鳥くんと冴島くんを受けさせていただきました。でも、声質的にもキャラクターとしても、しっくりきたのは火鳥くんでしたね。

佐倉：普段はどういう役を演じられているんですか？

仲村：結構、ボソボソと喋るキャラクターが多いですよ。

佐倉：へぇ～！

仲村：火鳥くんのような役は久しぶりかもしれません。もっと低めで地声で喋る役が最近は増えているので、久しぶりにカーンっと明るいキャラクターを演じさせていただいています。

——お二人にとっても新鮮な役柄だということで、もっとキャラクターについて深掘りしていきたいと思います。最初、それぞれどのような人物だと思われましたか？

仲村：最初の印象としては、火鳥くんは本当に変わらないです。それこそ、音無さんは気持ちよく笑顔で接してくれる、しっかりと真摯に向き合ってくれているからこそ、言うところはきちんと言ってくれる印象がありました。

火鳥くんが仕事で失敗しちゃったときも音無さんが寄り添って一緒に成長していく描写がありましたが、ただきついだけじゃない愛情深い方なんだなぁと。

佐倉：社会人として本当に理想的ですよね。

仲村：本当にそう思います。

佐倉：人を怒るときって結構パワーを使うと思うんですけど、そこをしっかりと切り替えて、嫌われることを怖がらずに言えるところはすごく大人ですよね。でも、プライベートでは普通の女の子の要素があって、女子としての部分と社会人としてしっかりしている部分のギャップが音無さんは結構大きいと思います。

逆に、火鳥くんは社会人としての切り替えは……

仲村：ない！

一同：（笑）。

　
仲村：火鳥くんはプライベートも社会人としても、どんなときでも同じ線の上を進んでいます。ある意味、彼はすごく強いんじゃないかなと。ただ、闇落ちしたら1番大変なことになりそう。

佐倉：音無さんがいなくなったら闇落ちしそうな感じはするけど……火鳥くんなら地の果てまで追いかけそうですよね（笑）。

仲村：確かに！ 今日のシーンもすごかったもんなぁ。みんなでリモート飲み会をするシーンだったんですけど、音無さんが「じゃあそろそろ抜けよっかな」となったら「じゃあ俺も！」と一緒にすぐ抜けちゃう感じが、もう音無さんへの想いがすごいなと思いました。

佐倉：ストーカーにならないすれすれのラインをいってますよね。

仲村：あはははは（笑）。音無さんが嫌がっていたら大変なことになりますけど、嫌がっていないから成立するんだろうなと思います。

——二人の出会いもすごいですよね。喫茶店で出会った音無さんのいる会社に、火鳥くんは飛び込むわけですから。

佐倉：ヤバいですよね！

仲村：行動力が本当にすごいですよ！ 健全に見せかけているだけで、もしかしたら健全じゃないのかもしれない。

佐倉：そういえば、アフレコ現場で実写化したらどうなるんだろう？ という話をしていたんですけど、今考えると実写になったら、結構火鳥はヤバい人になりそう（笑）。

一同：（笑）。

佐倉：2次元だからまだ“かわいい”で済んでますけど、生々しくなったらどうなるんだろうとちょっと思いました。

仲村：演出の力によるかなぁ。

佐倉：演出がだいぶ頑張らないといけないか、相当なイケメンが演じるか……。

仲村：相当なイケメンが演じないと火鳥くんの行動は許されないと思います（笑）。

ホラー好きにはたまらないキャスティングも

——これまでの放送回で、お二人が好きなシーン、お気に入りのシーンはありますか？

佐倉：火鳥くんが追いかけてくるシーンが全体的に好きです。雛感がありますし、あそこまで振り切っている人を見たことがない……。

仲村：現実にはいないでしょうね。

佐倉：現実にいたら、それはそれで面倒くさそう（笑）。

仲村：あはははは（笑）。

佐倉：側から見ているぐらいがちょうど良いかな。でも、大人の少女漫画を見ているような感じがしてとても良いなぁと思います。

仲村：僕は音無さんが弱みを見せてくれたシーンですね。男女ともにああいうギャップに惹かれる人ってすごく多いと思うので、佐倉さんのお芝居も含めて良いなぁと思えるシーンでした。また、その前のシーンからの流れも良いんですよね。

　
佐倉：会議で音無さんがハッキリと言うシーンですね。　あそこは女子から見ても好感度が高いというか、こういう人カッコいいな！ と思えるシーンだと思います。

仲村：うんうん。僕自身、いつも明るく笑顔でキラキラしている人でも、1人になったり大切な人といたりするときには内側をさらけ出すものだと思っていて。

キラキラな部分だけじゃないところもあるんだと、意外とみんな想像してくれないというか。表に出ているパブリックイメージで「この人はこうなんだ」と思いがちですけど、やっぱり人間ですから、自信がないところや1人で苦しんでいる部分は誰にでもあると思うんです。

そういう意味でも、音無さんのああいうところが見られたのは、火鳥くんとともにグッとくるところがありました。

——表だけで人を判断してはいけないのだなと思わせられる良いシーンですよね。

仲村：あと、冴島くんですが、自分にとって男の子って感じがすごくあります。狐森さんが集めているからといって、自分が置いたとは言わずに玩具をデスクの上にこっそり置くシーンとか、僕の中でギャップを感じたんです。ああいうこともしてくれるんだなぁと。

狐森さんもいつもワー！ ヤー！ って感じですけど、冴島くんといるときは結構頰を赤らめているシーンが多くて良いなぁと思います。

佐倉：良いですよね。私にとっては、氷室くんがやっぱり強すぎます。

仲村：要素が入りまくりのキャラクターですからね。

佐倉：クールに見えてモノローグでは気持ちがダダ漏れという（笑）。関西弁という方言もあって、嫌いになる要素がない。

　
仲村：千晃くんのお芝居を聞いていないから、どう演じているのか気になりますよね。

佐倉：別録りなので、どういう風になっているのか気になります。

仲村：この前会ったときに、関西弁の指導は受けていないと話していたので、僕もすごく気になっています。

佐倉：冬月さんも正直なところ、由依さんの声が好きすぎて、聞いたことがないのに聞いた気になっていて（笑）。

仲村：あはははは。でもわからんでもない！

佐倉：冬月さんが由依さんになったと聞いたときに、もう解釈一致すぎる！ とすごく嬉しくなりました。冬月さんにピッタリすぎて。

原作を読んでいてもすごく好感度が高い冬月さんと氷室くんが、盤石のキャストでアニメ化されることがファンみたいに嬉しくなっちゃって。個人的に、冬月さんと氷室くんのペアがすごくお気に入りです。

——本当にたくさんの魅力的なキャラクターが登場する本作ですが、あのすごく個性的なブッダ部長もインパクト強いですよね。

　
仲村：たくさんの末裔が出てきますが、ブッダ部長だけは末裔ではなく、本当に似ている普通の人らしいです。個人的には、ブッダ部長と社長の声を担当している人たちがホラー好きにはたまらないキャスティングなんです。

佐倉：そうなんですか!?

仲村：実は、『呪怨』初代シリーズに出演されていた方々が演じられています。

佐倉：えーっ!? 知らなかった！

仲村：この前、一緒に収録させていただいたんですけど、本当に光栄でした。ブッダ部長が結構アドリブを入れまくっていて、社長はすごく気の良い方で面白かったです。