宮崎駿氏による不朽の名作『風の谷のナウシカ』原作漫画をネタバレ解説！　あらすじ、映画との違い、結末をご紹介！

終わろうとする世界、ナウシカの選択は……？

王蟲に飲み込まれていくナウシカ。ナウシカの気配が消えた事を感じ取ったチククは、同じくナウシカに影響を受けた土鬼の僧官チヤルカと共に彼女を救出へ向かいます。

そこで彼らは森の人・セルムに出会います。森の人とは腐海の奥底に住む人々で、300年前の大海嘯で滅んだエフタルの末裔。腐海や森と共生している人々です。3人は苗床となった王蟲の中にナウシカを見つけます。

王蟲によって命はかろうじて守られていましたが、王蟲の心の深淵を覗いたナウシカは生気を失い身動きが取れなくなってしまいます。

そこに、超常の力を持ち、兄に殺された以後も精神だけが彷徨い続けていた土鬼の皇帝ミラルパの精神がやってきてナウシカに取り入ろうとするのでした。

主人公・ナウシカさんの声を演じているのは島本須美さん。「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス役や、「となりのトトロ」のお母さん役、「もののけ姫」のトキ役も演じています‼️映画化が決まる前にファンの方に「ぜひナウシカを演って欲しい」と言われて原作を読んでいたそうです🤩#島本須美 pic.twitter.com/luezbtGxMO

— アンク＠金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 4, 2019

精神世界の長い旅

ナウシカは深い精神の世界で彷徨っていました。そこにミラルパやセルムも訪れます。皇帝の悲しみや腐海の秘密をセルムから教わり、世界の浄化の先に美しい世界が待っている事を知るナウシカ。

彼女は自分たちが滅んだ後に訪れる世界の美しさに感動し、幸福を感じるのでした。ナウシカは、そんな美しい世界で生きたいと願うのではなく、今を一生懸命に生きることによってそんな美しい世界を後世に残したいと考えます。

セルムに、共に生きようと誘われますが、精神世界での旅を終えたナウシカにもう迷うことはありません。この汚れきった世界で生きていくのです。

一方で、トルメキアと土鬼は残された土地や人を奪い合いさらなる戦いを引き起こそうとします。

おはようございます──という言葉は、歌舞伎が語源という説があるそうです。2019年12月に、新橋演舞場で上演された新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」の引幕です。 pic.twitter.com/Wq5gAOX2QH

— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 19, 2021

巨神兵の復活

ナウシカはチククらの力を使い、戦いを辞めるように人民に訴えかけます。少しづつナウシカの思いが伝わり始めますが、土鬼の皇兄ナムリスは火の七日間を引き起こした巨神兵を復活させてしまうのです。

しかし、復活した巨神兵はアスベルから秘石を受け取っていたナウシカを母親と慕い彼女と共に行動することに。ナウシカも彼を危険な存在として認識しながらも、「オーマ」と名付け我が子のように接していきます。

彼とともにシュワへ行き、禁じられた文明を断絶しようとするナウシカ。彼女は母親のふりをしながら、文明が生み出した最悪の生命体であるオーマの死を願うのでした。

庵野さんの巨神兵の原画の下に展示されている、宮崎さんからの当時のメモは必見です^_^ pic.twitter.com/P85Pn5QsRA

— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) December 8, 2021

旧人類が眠る、シュワの墓所へ

ナウシカたちがシュワに向かう一方で、クシャナたちも後を追います。しかし、土鬼の兵士たちとの戦いは避けられず、ナウシカの師でもあるユパが身を挺してクシャナを守ります。

彼は命を落としてでもクシャナを守り、ナウシカと共にこの世界を律し続けていくことを願ったのでした。

ナウシカとオーマは、トルメキアの王子たちを連れシュワへ向かいます。その途中に美しい庭を発見。オーマの力によって命を落としてしまったテトを木の下へと埋葬し、その庭で休むことに。

そこでヤギ飼いと出会い、美しい庭で自然や音楽を楽しむナウシカ達ですが、そこはなんと旧人類がシュワを目指してきた人間を足止めする場所だったのです。

「風の谷のナウシカ」のあの世界へ乗せていってくれそうな、銀色に輝くトリウマ…。
オンラインショップにも、やってきます。https://t.co/hPonQ6jFlf pic.twitter.com/bDC1BIwLw5

— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) October 29, 2022

ここでしか生きられない

ヤギ飼いは旧人類が作ったヒドラであり、墓所の番人。新人類が決して墓所へと近づかないように庭に閉じ込めていたのです。過去には初代土鬼皇帝も訪れており、人間を救いたいとこの庭を出ていった事も語られました。（その後世界はめちゃくちゃに……）

また、森の人であるセルムもナウシカを救うために登場。しかし、ヒドラから新人類の秘密を明かされます。

ナウシカ達新人類は、腐海によって浄化された後の世界では生きることができないのです。綺麗すぎる空気を取り込んだ途端に、血を吐いて死んでしまう。森の人たちが、浄化された土地ではなく腐海の深淵にしか住むことが出来ないのはそのためでした。

ナウシカは、旧人類が世界を浄化するために、王蟲や腐海を作り出し、人間や生物を作り変えて来たことを悟ります。

今週オンラインショップでお取り扱いがはじまった、豪華装丁本「風の谷のナウシカ」。

内容も重さも重厚な、永久保存版です。https://t.co/otMIsVNkNp pic.twitter.com/ZW2QozPjzF

— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) August 6, 2022

ついに墓所へとたどり着く

その頃、トルメキアのヴ王は先んじて墓所へとやってきました。彼は、墓所の存在が争いを生むと考えており、墓所の在り方について旧人類と交渉を試みますが、ナウシカの願いを叶えるためにやってきたオーマは墓所を封印しようと攻撃します。

しかし、墓も迎撃システムが備わっており抵抗し、巨神兵と墓の大規模な砲撃戦が起こってしまいます。そして、オーマは力尽きてしまうのでした。

墓所も傷つき沈黙。そしてナウシカはこれまでの犠牲にしてきた多くのものたちに思いを馳せながら墓の奥へと向かいます。

そして、ついに旧人類が残した墓の本体へと触れ、彼らからのメッセージを受け取ります。いずれ浄化が終わり美しい世界がやってくる、と。

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繰り返し生きる鳥

旧人類にナウシカは憤っていました。彼らは、新人類を作り出し世界の浄化に必要な奴隷として利用しているにも関わらず、真実を伝えなかったためです。それによって多くの血が流れました。

墓は人類が私達なしでは生きられないと論じますが、ナウシカとヴ王はそれを拒否。例え、血を吹き出して死んでしまっても繰り返し繰り返し生きていく自由な鳥になると宣言します。

ナウシカは巨神兵の最後の力を使って、旧人類の卵ごと墓を消滅させるのでした。ナウシカはその後、生き残った人々の元へ戻ります。しかし、新人類たちに辛い運命が待っていることをは決して明かさない事に決めました。

例えどんな事が起ころうと、人間は明日を生きねばならないのです。

ナウシカはクシャナたちと共にこのたそがれの世界を生き抜くことを宣言し、物語が終わります。

世界の普遍的な闇と光を描いた大傑作！

全7巻に渡って描かれたナウシカたちの世界は、現実にも通ずるものであり、いつの時代においても人々の心を打つ作品です。

『風の谷のナウシカ』には、ナウシカの他にも、もうひとりの主人公と言われ人気の高いキャラであるクシャナや、風の谷のユパ、土鬼の皇帝たちなど魅力的なキャラが多数存在し、彼らのエピソードもまた心を揺さぶるものばかり。

一生語り継がれるであろう名作を手にとって、あなただけのメッセージを受け取ってみてください！