『ONE PIECE』の「ゴムゴムの実」、『文豪ストレイドッグス』の「月下獣」から「推し」「界隈」といったオタ活必須用語まで──知れば世界が広がるオタクの英単語帳！

日本国内のアニメや漫画を海外でも同じタイミングで楽しむことが容易になった昨今。国内だけでなく海外においても多くのファンが日々、アニメや漫画を楽しんでおり、SNSなどでは世界中の言語によるコメントが飛び交っています。

そもそも、日本の作品に限らず、欧米社会では漫画やアニメーションはディープでニッチな趣味だと思われていました。そんな中、日本のアニメが海外のファンの目に留まるようになってきたのは1980年から1990年代からだと言われています。

宮崎駿監督によるアニメーション群であるジブリ作品が注目を集めたほか、『美少女戦士セーラームーン』、『キャプテン翼』、『NARUTO』、『ONE PIECE』など今でも海外で根強い人気を誇る作品が次々と生まれました。

では、海外で支持を得ている作品では、キャラクターの名前やセリフはどのように伝わっているのでしょうか。また、海外で日本アニメを見ているファンはどのように思いの丈を表現しているのでしょうか。

本記事では、そんな海外のオタクの間で使われている英単語をピックアップして紹介したいと思います。作品独自の名前や単語はもちろんのこと、推し活のさまざまなシチュエーションに対してどのような言葉や表現を使っているのかも紹介していきます！

英語ではどう訳されているの？

アニメ同様漫画も作品の翻訳スピードが進み、日本と同じタイミングで読めることも珍しくなくなってきました。そこで、ここからは人気作品に出てくる固有名詞やワザ名の英訳を紹介します！

『ONE PIECE（ワンピース）』

【コミック】ONE PIECE-ワンピース-(105)

　
「週刊少年ジャンプ」で長年連載している冒険漫画『ONE PIECE』。連載開始は1997年で、TVアニメも1000話を超える長寿作品です。2022年には劇場版『ONE PIECE FILM RED』もロングヒットしました。

『ONE PIECE』を語る上で避けて通れないのが悪魔の実ではないでしょうか。食べると特殊能力を手にいれることができる反面泳げなくなるという不思議な実で、作中何種類もの悪魔の実（およびそれを食べた能力者）が登場します。

ここで紹介するのは「ゴムゴムの実」、主人公ルフィが食べてゴム人間になった悪魔の実です。

『ONE PIECE』　ゴムゴムの実

ゴムゴムの実　＝　gum-gum fruit

ゴムは英語でrubberですが、ここは音の雰囲気やゴムの木の英語"gumtree"からgumを採用しているようです。

The gum-gum fruit turned Luffy's body into rubber.　＝　ゴムゴムの実の効果でルフィはゴム人間になった。

『進撃の巨人』

2021年に惜しまれつつ連載終了したダークファンタジー作品『進撃の巨人』。ヨーロッパを思わせる風景や、ファンタジーとリアルが絶妙なバランスで描かれる文化観、戦闘面の設定は国内外問わず多くのファンから支持されました。

人気の設定の中でおそらく代表的なものは隊員たちが身につけている「立体機動装置」でしょう。ベルトタイプの移動装置でカッターナイフのような刀も搭載されている、対巨人戦闘に欠かせない装備です。

『進撃の巨人』　立体機動装置

立体起動装置　＝　3D maneuver gear

3Dは"three dimentional"の略で、直訳すると三次元ですが立体的という意味もあります。直球の直訳なのに、語呂もよくてかっこいいですね。

Armin swept through the town using the 3D maneuver gear. 　＝　アルミンは立体機動装置を使って街中を駆け抜けた。

『東京リベンジャーズ』

不良とタイムスリップという珍しい組み合わせで、主人公・花垣武道をはじめとした暴走族チームの生き様を描く『東京リベンジャーズ』。実は“不良”や“ヤンキー”という単語に直訳できる英語はありません。ここでは、東京卍會の英語表現を紹介します。

『東京リベンジャーズ』　東京卍會

東京卍會　＝　Tokyo Manji Gang

卍會の「会」はグループ、チーム、という意味のgangを使って表現しています。
暴走族のことを"gang riders"というので、悪事を働く集団という意味合いが強いですね。

ちなみに、gangの中の隊は"division"で表現します。

Takemichi became the first division captain in the Tokyo Manji Gang.　＝　武道は、 東京卍會一番隊のリーダーになった。

『鬼滅の刃』

現在も2期が放送されるなど絶大な人気を誇り、日本で社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』。日本らしい風流な技名も多く、ストーリーと共に注目されました。

そのなかでも主人公の竈門炭治郎が最初に使う技が「水面斬り」です。

『鬼滅の刃』　水面斬り

水面斬り　＝　Water Surface Slash

水面は英語では熟語で、surface of water / water surfaceとなります。そこに、切るという単語の中でも切り裂くという意味合いの強い slash を組み合わせた訳です。

"Water Surface Slash" is the first form of the water breathing 　＝　水面斬りは、水の呼吸の最初の型だ。

　『文豪ストレイドッグス』

異能の力を持つ登場人物が横浜の治安や世界のためにバトルを繰り広げる『文豪ストレイドッグス』は、その名の通り技にモデルとなった作家の作品を反映しています。すでに英語に訳されている名作が多いものの、能力名としてはどう表現されているのでしょうか？　主人公、中島 敦の異能力「月下獣」をみてみましょう。

『文豪ストレイドッグス』　月下獣

月下獣　＝　Beast Beneath the Moonlight

中島 敦の「月下獣」は小説『山月記』が由来で、虎に変身する点は本作の主人公と共通です。

月明かりの下佇む孤高な獣をイメージするこちらの異能力、英語では詩を訳すように文章体で表します。「月の下の獣」、趣があって良いですね。

Atsushi did not know about his supernatural power "Beast Beneath the Moonlight" until he met Dazai.　＝　敦は、太宰に会うまで自分の異能力「月下獣」のことを知らなかった。