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春アニメ『おとなりに銀河』八代 拓&和久井優インタビュー(前編)

一目で温かさが伝わってくる作品──マンガ家とお姫様のピュア&ほんわかSFラブコメアニメ『おとなりに銀河』 久我一郎役の八代 拓さん、五色しおり役の和久井優さんが作品の魅力を語る!

 

一郎を演じる時に意識するのは「どれだけ純粋になれるか」。しおりを演じる時に大切なのは他のキャラの言葉をまっすぐ受け止めること

──演じる際に意識した点をお聞かせください。

八代:収録の最初に一郎くんについて簡単な説明をしていただきましたが、基本的には自由に演じさせていただきました。

基本的に一郎くんは思ったことを言っているだけで、セリフ通りの感情であることが多いんですけど、そこに恥ずかしさや気遣い屋の部分がのることもあって。着飾ったセリフがすらすら上手に聴こえないように意識しました。

彼はウソが下手ですし、照れている時もすぐわかってしまうので、着飾ったセリフを言う時も内心の気持ちが気付かないうちに出てしまうくらいでいいかなと。

彼の気遣いは自分をよく見せたいとかこう思われたいという欲ではなく、純粋に周りの人がみんな幸せな理想的な空間を作りたいということだけで。

それが周りから見たら危なっかしく見えるけど、彼の誠実さはしっかり伝わっているし、それが彼の魅力であり、才能かなと思っています。

──ピュアな人をピュアに演じるというのは難しいことなんですね。

八代:そうですね。僕も一郎君の気持ちを純粋に受け取らなくてはいけないし、自分もどれだけ純粋になれるかだと思います。

 

 

──受けたディレクションで印象的だったものは?

八代:日常的な描写が多いので、「きれいに言葉が言えていなくてもいいよ」と。確かに僕も日常生活の中では常にしっかりした滑舌でしゃべっているわけではないし、甘かろうが発する言葉の中に日常があればいいんだろうなと思いました。

だからキャッチーなギャグシーンや五色さんとしっかり向かい合ってしゃべるシーン以外、例えばまちやふみおと外出するシーンなどは自然に、日常の一コマになればいいなと思いながら演じています。

──では、和久井さんがしおりを演じる時に意識していることは?

和久井:他のキャラクターたちの言葉をまっすぐに受け止めようと思っています。私は会話する時にすぐ相手の顔色をうかがってしまうところがあって。

「もしかしたら今、嫌な気持ちにさせてしまったかも?」と不安になることも多々あるのですが、しおりちゃんは基本的に人を信じて真っ直ぐ受け止める人なので、私も素直に受け止めようと意識しています。

また収録前に原作をしっかり読んで予習してから臨みましたが、しおりちゃんに共感して私自身もワクワクしてしまって。和久井のワクワクもノってしまったので、音響監督さんから「もう少し抑えようか」とディレクションをいただいた場面もありました。

しおりちゃんにもわくわくや憧れの気持ちはありますが、緊張やアシスタントとしてお仕事で来ている意識もしっかりありますし、久我さんへの恋愛感情と家族や人として好きという気持ちも自分の中で整理しながら演じています。

──しおりはお姫さまでありながらも、女の子らしさが垣間見える部分も演じるのは難しそうですね。

和久井:しおりちゃんは姫として育てられたので、言葉遣いや立ち振る舞いは美しく一見大人びても見えますが、一方でマンガや恋への憧れを募らせる姿はとても純粋でキラキラしています。

そのどちらもがしおりちゃんだと感じたので、あまり「姫だからこうしよう」とか、「ここは女の子らしく」とかは考えすぎず自然体で演じられたらと思いました。

 

 

──お互いの演じるキャラクターの印象とお芝居についての感想をお聞かせください。

八代:五色さんは、本当は感情豊かなんですよね。感受性も強くて、いろいろなものに興味もあるし、見た事柄への感想を人に伝えるのも上手で。

島から出てきたての頃は新しい環境で初めての人ばかりでうまくできなかったけど、徐々に感情豊かな側面も見えてきて。そこが五色さんのおもしろさであり、今後変化していくところも見どころだと思います。

五色さんの言葉は理路整然としているけど、相手を思いやる気持ちがあるので、とても素敵な表現を使っていますし、発するセリフや言葉も好きです。収録中、和久井さんのワクワクもとなりで感じていて。

いいなと思うし、それくらい五色さんの心は動いているんだろうなと。和久井さんのお芝居と五色さんの気持ちがすごくリンクしているのを感じられて心地いいですし、僕もワクワクさせていただいています。

──では和久井さんが感じる、一郎の印象と八代さんのお芝居についての感想をお聞かせください。

和久井:久我さんも八代さんも包容力のある優しい方だなと感じます。現場での八代さんは他のキャストさんや周りをよく見て気遣ってくださるので、そういうところが久我さんと重なります。

久我さんもみんなのことをちゃんと見て、それぞれの人に合った接し方を考えている気がして。

掛け合いでは、自分一人で台本を読んでいる時と違って、セリフをすっと引き出してくれるようなお芝居をしてくださるので、いつもありがたいなと思っています。

八代:面と向かって言われるとめちゃめちゃ照れくさいですね(笑)。

──アニメの現場では主役のことをよく「座長」と呼びますが、八代さんは現場の「お兄ちゃん」という感じでしょうか?

和久井:まさにピッタリですね。

八代:そんなつもりはないんですけど(笑)。現場の雰囲気も温かくて、作品がまとっている空気感にそのまま包まれているような。

──お話をうかがっているとお二人共、気遣いされるタイプのようですね。

八代:僕は結構、自分勝手ですけどね(笑)。

和久井:私も変なところでマイペースが出てしまいます……。できるだけ人に優しくありたいなという気持ちはあるんですけど、気を遣いすぎて、むしろ気遣いできてない、みたいになってしまうこともあって。

八代:わかる! わかる! 逆に気を遣わせちゃってるなという時がありますよね。

和久井:それならやらないほうがいいかなと思って、黙って待っていると「何してるの? 黙って座ってさ?」とか言われたりして。

ご飯に行くとサラダを取り分けてくれる方がいますが、私もやろうかなと思うけど、「他の人がやっているから手出しするのはよくないかも」と遠慮することで、気を遣えない子に見えてしまうという。

八代:大丈夫。一周回った上での遠慮なんだなとみんな気付いているから。

和久井:本当ですか? それなら嬉しいですけど。

八代:僕は思うんです。気遣いが気遣いを呼ぶ、そんな流れになってしまうのなら、むしろいらないんじゃないかと。

和久井:そうですね。『おとなりに銀河』の中でも、まちちゃんはわかっているがゆえに壊しに来てくれるようなところがあって、収録していてもありがたいなと思える存在です。

 

 

収録ものんびりムード。休憩時の女子トークや遠藤さんの学生トークにほっこり

──収録時の印象的な出来事や裏話などあれば教えてください。

和久井:現場で八代さんはハチが苦手というお話を聞いて。虫どころか何でも大丈夫そうなのに、意外だなと(笑)。

八代:苦手といってもかなり上のレベルです。前世にハチに相当ひどい目に遭ったんじゃないかなと思うくらい。羽音を聞いただけで頭が真っ白になってしまうほど。

和久井:もしかしてハチが苦手なのは内緒でしたか? 

八代:全然大丈夫です。ハチNGじゃないですから。

和久井:よかった。話しちゃダメだったのかなと心配になってしまいました。

──アフレコブースで、「虫は大丈夫」という話題になるのは珍しいですよね(笑)。

八代:そうですよね。僕だけでなく、和久井さんや他の方との話題で。休憩時間は割とのんびりした雰囲気で雑談していますが、平和な空気感が流れて。

アフレコ中でもまちとふみおがしゃべると癒されます。特にふみおがひと言発するだけで、僕らだけではなく、ブースの外でも監督や音響監督などスタッフ陣も。

和久井:みんな、ニコっとしてますよね。

八代:まさにふみおマジックですね。毎回まちとふみおの掛け合いを楽しみにしています。

和久井:アフレコブースにいる男性は八代さんだけで、私と(まち役の遠藤)璃菜ちゃんとふみお役の長縄(まりあ)さんと女性3人がいるので、女子トークっぽい話題になることがありました。

特に璃菜ちゃんは現役の学生さんなので、学校の話題がちょくちょく出てくるんですけど、私にとっては昔の出来事なので懐かしくて(笑)。

「今の学校ではそんなの流行っているんだ!?」と教えてもらっていて、遂に私も聞く側になったのかと。

──女子トーク中の八代さんはどんな感じですか? 「あのコスメがいいよ」と話題に加わったりするとか?

八代:するわけないじゃないですか!? だいたい微笑ましいなと思いながら聞いてますよ! でも興味がある話題だと入っていきますね。「そうなの!?」って。

でも皆さんが想像するような女子トークというよりもほのぼのしたお話が多いですね。和久井さんの持つ空気感も温かいし、長縄さんはご本人の空気感に加えて、お声を発するだけで癒し空間が広がるし。

和久井:長縄さんから「おはようございます」と言われるだけで嬉しい気持ちになります。

八代:璃菜ちゃんは学生なので制服で現場に来ることもありますし……微笑ましい現場ですね。

 

 

──原作の雨隠先生とお会いされたそうですが、印象はいかがでしたか?

和久井:穏やかで包み込むようなオーラをまとった方で、まさに作品の雰囲気同様で。表情もマンガみたいに優しかったのが印象的でした。ご挨拶とちょこっとお話しさせていただいただけですが、もっとお話を伺いたくなりました。

八代:この方から『おとなりに銀河』が生まれたことに納得しました。お忙しい中、収録に来てくださっただけでも嬉しくて。またキャラについておっしゃられるのではなく、「お任せしました」みたいな感じで温かく見守ってくださるのも素敵で。

収録が終わった後、スタジオを出る時、偶然ご一緒しましたが、作品の話をするのではなく、「これからお昼ご飯を買いにコンビニに行くんです」とおっしゃって。そんなところも『おとなりに銀河』っぽいなと。何気ないひと言ひと言からも作品を感じました。

 

TVアニメ「おとなりに銀河」作品情報

INFORMATION

“ここに広がるのは、温かくて優しい未知の日常。ほんわかハートフルラブコメ開幕!“

TVアニメ「おとなりに銀河」2023.4.8 ON AIR
TOKYO MX, BS11 4/8(土)25:30〜
AT-X 4/9(日)22:00〜 ※リピート放送あり
dアニメストア,U-NEXT 4/8 (土)24:00〜
その他放送局・配信サイトでも順次放送&配信

※放送・配信日時は変更になる場合がございます

STAFF

原作:雨隠ギド(講談社「good!アフタヌーン」連載)
監督:木村隆一 
シリーズ構成:市川十億衛門
キャラクターデザイン:大滝那佳
プロップデザイン:宍戸久美子
美術監督:平良亜梨沙
色彩設計:大塚眞純
撮影監督:鯨井 亮
編集:本田優規
音響監督:田中 亮
アニメーション制作:旭プロダクション

 

CAST

久我一郎:八代 拓
五色しおり:和久井優
久我まち:遠藤璃菜
久我ふみお:長縄まりあ
指宿ちひろ:高橋李依
護国正弘:杉田智和
護国桃香:日笠陽子
五色都:きそひろこ
五色健:長野伸二
五色文:小林さとみ

OPテーマ:「となりあわせ」松本千夏
EDテーマ:「Near Stella」五色しおり(CV.和久井優)

公式サイト
公式ツイッター(@otonariniginga)

COMICS

コミックス「おとなりに銀河」

1巻〜5巻 大好評発売中!
最新5巻11月7日(月)発売!

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毎月7日発売の「good!アフタヌーン」にて大人気連載中!(講談社刊)
https://otonari-anime.com/comics/

 

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