
春アニメ『デッドマウント・デスプレイ』原作(作画)・藤本新太先生インタビュー|キャラの濃さは「もったいない」と思うほどに贅沢!【連載第2回】
原作:成田良悟×藤本新太による、衝撃の異世界転生ノワールファンタジー『デッドマウント・デスプレイ』(略称、DMDP)のTVアニメがついにスタート! 「新宿」を舞台に、個性的なキャラクターたちが暴れまくる!
アニメイトタイムズでは、放送中にスタッフやキャストへのメールインタビューを実施。第2回は原作の藤本新太先生に、作品についてコメントをいただきました。
藤本先生がもったいない!と思うほど、贅沢に感じる瞬間とは?
ーーアニメ化の話を聞いたときは、どんな気持ちでしたか?
藤本:漫画企画の段階でアニメ化は特に意識せず、「隔週漫画として面白い物」を意識していました。なのでアニメのお話をいただいたときは嬉しいよりも「アニメとして面白いもの」になるための根幹である「どこまでの話をやるのか」が気にかかってしまいました。
準備が進むにつれて原作を大切にしてくれているのが伝わってからは「楽しみだな」という気持ちが出てきた気がします。
ーー成田先生の原作を漫画に落とし込むときに、どんなことを大切にしていますか?
藤本:1話ずつのシナリオとして受け取ったものを内容によっては分割したりして漫画に落とし込んでいます。キャラのセリフもシナリオの中に書かれているので、「セリフを読ませる」ではなく「キャラのセリフ」として読者になじませる感じを意識し、間を取ったりして演出を付けています。
ーー藤本新太先生は『バッカーノ!』のコミカライズも担当されていますが、成田作品の魅力はどこにあると思っていますか? その魅力を表現することの大変さなどがありましたら教えてください。
藤本:やはりたくさんの濃いキャラがそれぞれの思惑で動いてるのが魅力だと思います。『DMDP』はポルカを主人公に置いていますが、どの組織にスポットライトを当てても主人公たり得るキャラの濃さと設定があるので、たまにもったいないと思うほどに贅沢な感じがします。
一番大変だったのはアニメサイドから「“名前だけ出てビジュアルがまだのキャラ”の詳細がほしい」と言われたときで、ちょうど漫画も新しい話への切り替え時で、原稿やりながら一気に20体くらいのキャラデザをしなければいけなかったんです……。
ーーでは『DMDP』ならではの魅力は、どこにありますか?
藤本:『DMDP』は、ポルカ含めて自分の居場所を探している、どうにもならない現状にもがいていたりするキャラが割といるんです。ただ、設定や内面だけ説明すると重い話のようですが、成田先生のトリッキーなキャラやストーリー展開で、カラッとした爽快感も味わえるのは、魅力だと思っています。
ーーアニメのシナリオに関し、どのような感想を持たれましたか? シナリオ会議に参加された際の感想や印象などもあればお願いします。
藤本:漫画で言う「コマ割り」が「時間」に変換されるんだなとアニメに関わって初めて意識しました。シナリオを漫画に落とし込むとき、セリフの量を調整するのに苦労したりするんですが、読まなくても意味が通るものは描き文字にしたり工夫は色々できるんです。でもアニメは時間の中に聞き取りやすい量で納めなきゃいけないというのが漫画よりシビアで、印象に残ってます。
ーー小野学監督の印象を教えてください。
藤本:原作をすごく丁寧に読み込まれていて、作品の良さを引き出そうとしてくれているのが第1話の絵コンテをもらった時点で十分に伝わってきました。アフレコにも結構参加していたのですが、監督のキャラへの演技解釈もほぼ一致していたので、安心して任せられると思っています。