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春アニメ『女神のカフェテラス』鳳凰寺紅葉役・瀬戸麻沙美インタビュー【連載第2回】

春アニメ『女神のカフェテラス』鳳凰寺紅葉役・瀬戸麻沙美さんインタビュー【連載第2回】|「声が付いたことでキャラクターがより立体的になりました」

声が付いたことでキャラクターがより立体的になりました

――先ほど水中さんのお芝居に対する印象をお話されていましたが、他キャラクターを演じるみなさんについてはいかがでしょうか?

瀬戸:秋水ちゃんは自分が想像していたよりも3倍くらいのハイテンションで、驚きました。(小野)白菊さんはイメージ通りでしたね。優しくてかわいらしいところも、酔っぱらうと過激なところもバッチリでした。

(月島)流星さんと(幕澤)桜花さんは漫画を読んでいるときから、色々な声の可能性があるなと思っていたんです。演じる山根綺ちゃんや青木瑠璃子さんのお芝居も現場で聞いたことがあまりなかったので、どんな感じになるのかと気になっていました。実際に現場で声を聞いた瞬間、確信に変わりましたね。「あっ、この子からはこんな声が出るんだ」と思って、掛け合いもイメージがしやすかったです。声が付いたことで、キャラクターがより立体的になりました。

――共演者の方とアフレコ現場ではどのようなお話をされましたか?

瀬戸:今回は分散収録でキャスト全員が集まることは叶わず、待機時間も長くないアフレコ現場だったので、そこまでお喋りする時間はなかったのですが、そのなかでも作品の話をすることが多かったですね。あと、水中さんがおすすめのイヤホン情報を教えてくれました。今ってまだ分散収録が続いているので、他のブースにいる方の声を聞くためのイヤホンやヘッドホンが必要なんです。水中さんが付けているイヤホンがすごくいいもので、色々とお聞きしました。

――なるほど。

瀬戸:私はその場でメモを取っていたのですが、一緒にいた山根ちゃんは速攻で買っていて、行動力がすごいなと思いました(笑)。そんな山根ちゃんはオシャレでかわいい子というイメージです。和氣(あず未)さんもオシャレでしたね! 朝からかわいかったです(笑)。和氣さんはアニメ・ゲーム系情報番組のMCをされているので、トークが上手というイメージがあるとお伝えしたら「実は苦手だけど頑張っていて……」とおっしゃられていて。上手だと思っている方もそうやって裏で努力されていると知り、私も頑張らないと、と思いました。

――何気ない会話をするなかで、色々な気づきや学びがあるんですね。

瀬戸:そうですね。パブリックイメージだけだと分からないことって、たくさんあると思いました。青木さんはお会いしたときに「身長が私と同じくらいだ」とまずは感じました。現場ではお見かけしたことがあったのに、こうやって共演してみて改めて気が付くこともあって新鮮でしたね。本作は鈴代さん以外これまでご一緒したことがあまりなく、「どんな方々なんだろうな」と思いながら現場入りしていました。実際にお話してみて、すごく楽しかったです。またみんなと色々な現場で共演できたら嬉しいですね。

10年前の自分よりは悩む時間が減った気がします

――先ほど分散収録のお話がありましたが、瀬戸さんが10年近く役者として活動してきたなかで、業界の変化を感じる瞬間はありますか?

瀬戸:アニメーションって音響も映像などの技術も影響してくるので、そういう進化にともなって、業界全体も自ずと変化していると思っていて。ガラケーがスマホになったように、この業界も技術の進歩によって変わったことは多いと思います。私よりさらに10年上の先輩は、もっと変化を感じていらっしゃるんじゃないかな。

――確かに、そうかもしれません。

瀬戸:そんな先輩方も含めて等しく変化が訪れたのは、やっぱりコロナ禍での分散収録ですよね。変化というより、事変に近いかもしれません。アニメーションは抜き録りという方法で出演者が一堂に会さなくても収録ができます。だから止まらずに走れた部分はありますが、掛け合いができなくなったことでの影響は絶対にあると思っていて。人との関わりがなくなって、掛け合いの仕方がどんどん分からなくなっていく感覚にも陥りました。

――掛け合いによって生まれるものがある。

瀬戸:それはもう、当たり前と言っていいほどにあると思います。『女神のカフェテラス』ではある程度の方々と一緒に掛け合うことができましたが、コロナ禍では一人での収録で、相手の出方を想像するしかないという現場もあって。先に収録された方の声を聞くことはできても、隣でお芝居されているのを体感できる訳じゃないので、大事な会話の“間”を私たちで作れないんです。そこは、スタッフの方々を信頼してお任せするしかない。大きな変化でした。

――そんな変化もあった業界で、瀬戸さんは10代の頃から役者として活躍されています。経験を重ねるなかで、役への向き合い方や演じ方などに変化はありましたか?

瀬戸:役への向き合い方はそれほど変わっていないと思いますが、徐々に引き出しては増えてきたと思っています。その経験によって、悩む時間は短くなったかもしれません。私、もともとすごく悩み症なんですよ。それが別に嫌ではないですし、悩むのが仕事でもあると思っていますが、沼にハマり過ぎると時間をかけすぎて、ご迷惑をおかけしてしまうんです。

以前はそうして表現の仕方にぶつかることがありましたが、10年前の自分よりは「こうかもしれない」「こうやってみよう」みたいな引き出しが増えて、悩む時間も減った気がします。

――積み重ねてきた知識と経験がある。

瀬戸:少なからず、あって欲しいなと願っております。ただ、きっと5年後、10年後には「あのときはまだ要領を得ていなかった」と思うんじゃないかな。その繰り返しなのかもしれません。

――キャラクターを演じるうえで、パターンがあるわけでもないですもんね。

瀬戸:そうなんですよね。ツンデレやクールなどの方向性はあるかもしれませんが、決して同じキャラクターではありません。同じように見えても、違うんです。それを見つけて表現するのが私たちの仕事かなと。だからこそ、自分が任せてもらった役を「あの子と同じタイプ。あのキャラクターと同じような芝居や表現」とまとめられたら、ちょっと寂しい気持ちがありますね。

(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
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