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マンガ・ラノベ
前作『金色のガッシュ‼』のファンは絶対読んで！ 絶望から始まる物語、成長した魔物たちとの再会……『金色のガッシュ!!２』のココがアツい！【作品レビュー】
2001年から2008年にかけて「週刊少年サンデー」で連載された雷句誠先生の漫画『金色のガッシュ!!』。2003年にはアニメ化もされた人気作の続編となる『金色のガッシュ!!２』（以下、『ガッシュ2』）が2022年3月より連載がスタートし、最新話が発売されるたびにTwitterにはファンから多くの反響が寄せられ、関連ワードがトレンド入りするなどして話題に。
かくいう私も、子どもの頃アニメをきっかけに原作も読み、すっかり虜になったファンの1人。続編も最新話の発売を毎月心待ちにしています。毎話読むたびにアツい展開と前作を読んでいるからこその感動に心の震えが止まりません。そして、全ての『金色のガッシュ!!』読者にこの続編を読んでほしい！ という気持ちに。
そこで今回は、なぜ前作ファンに『ガッシュ２』を読んでほしいのかを力説させていただきたいと思います。『金色のガッシュ‼』が好きなら読まないと損と言っても過言ではありません！
※本稿には作品のネタバレが含まれます。
『金色のガッシュ!!２』あらすじ
1000年に一度行われる魔界の王を決める戦いのため、人間界に送られた100人の魔物の子供達が、パートナーとなる人間とともに最後の1人になるまで戦いを繰り広げる前作・『金色のガッシュ‼』。
主人公の魔物の子であるガッシュ・ベルは、望まぬ戦いを強いられていた魔物の子・コルルとの出会いをきっかけに「優しい王様」を目指してパートナーである高嶺清磨とともに激しい戦いを勝ち抜き、見事最後の1人となります。ガッシュは「優しい王様」として魔界に平和をもたらし、物語は幕を閉じます。
それから十数年後、平和が訪れたはずの魔界は、人間でも魔物でもない正体不明の敵によって侵略され、滅亡寸前の状態に。絶体絶命のピンチにガッシュが最後の望みを託したのは、人間界にいる清磨。
敵の正体とは？ 魔物たちの安否は？ 果たしてガッシュは再び平和な魔界を取り戻すことができるのでしょうか……。
『金色のガッシュ!!２』のココがアツい！
『金色のガッシュ‼』と地続きになった続編である本作には、その要素が随所に散りばめられており、前作を知っているからこそ楽しめるポイントがたくさん！ ここからはその魅力を4つの項目に分けてご紹介していきます。
「ガッシュが死んだ！？」絶望からスタートする物語
第1話では、前作に登場していない魔物の子たちが敵にいたぶられているシーンからスタート。万事休すの中、“ゼリィ”と呼ばれる魔物の子が、まだ赤ん坊の弟とともに“キヨマロ”を探すよう言い聞かせられ、人間界へ送られます。
人間界へ渡ってもなお、追ってきた敵に見つかり、ボロボロになって逃げ惑う彼女の口から出たのは、前作に出てきた魔物・テッド、チェリッシュ、レイン、そして王様であるガッシュが死んでしまったという衝撃の一言。
嘘だと思いたいところですが、本話ではガッシュ以外の3人が力なく倒れている姿が描かれていることに加え、敵がガッシュの術である“ラシルド”を使って攻撃してくる一幕も。魔界が絶望的な状況であることを信じざるを得ません。
第1話唯一の希望は最後に登場する大人になった清磨ですが、ガッシュは不在のまま。この危機的な状況をどう打開していくのか.......全く予想できないこの先の展開にドキドキ・ワクワクすること間違いなしです！
成長した魔物の子どもたち
魔界の王を決める戦いが行われていたころは、その多くがまだ子どもの姿だった魔物の子どもたち。しかし、10数年の時を経て彼らも成長を遂げており、この子がこんな姿に！ と以前の姿を知っているからこその感動を味わえます。
例えば、前作では臆病でお調子者だったキャンチョメ。王を決める戦いの中で勇敢に成長したものの、泣き虫な印象が強い読者は少なくないでしょう。当時6歳だった彼も『ガッシュ2』では身長が伸びてスラリとした八頭身の青年に成長。
魔界で家族と暮らしていた彼は、魔界が襲撃された際に幼い弟・コンソメを連れて人間界に逃亡。弟の存在を敵に隠しながらかつてのパートナー・フォルゴレを頼ってイタリア・ミラノにたどり着きます。そしてフォルゴレのコンサート会場に弟を置き、自分がわざと敵に見つかり、会場から離れるように逃げることで弟を守ろうとしたのです。
あの臆病で優しく、どこか頼りない印象だったキャンチョメが、身を挺して弟を守るなんて……と外見だけでなく内面の成長に胸が熱くなります。しかも、“子どもを守る”という姿勢は前作でフォルゴレがキャンチョメに見せたもの。フォルゴレと別れた後も尊敬する彼を目標にしていたことが感じられます。
成長した魔物の子どもたちに会うたびに「こんなに大きくなって……涙」とまるで親戚のような感想を抱いてしまう本作。成長した彼らとの再会は本作の大きな魅力です。
魔物の子とパートナーとの再会
本作では、王を決める戦いが集結してから10数年ぶりに魔物の子とパートナーが再会するシーンも描かれます。現時点で再会を果たしているのは、ガッシュ・清磨ペアとキャンチョメ・フォルゴレペアの二組。
両者ともに敵に追い詰められた状況からパートナーとの再会によって強力な力を得て、敵を返り討ちにします。魔物とパートナーの絆が10数年離れていても変わらないことが感じられるシーンに私は胸が熱くなりました。今後はどのペアの再会がどのような形で描かれるのかがとても楽しみです。
しかし、皮肉なことにそんな再会も敵からの襲撃があったから。ガッシュは清磨と再会した際、子どもの頃のように抱きつき、「ヌォホホホホー!!!会いたかったぞー!!」と喜びを全身で表現したのも束の間、「よくぞいてくれた…変わらぬ姿で…昔と同じ…頼れる姿で…」と歯を食いしばりながら涙を流します。
再会できたこと自体は嬉しいことである一方、故郷を追われ、仲間や家族の安否も不明のままで言葉にならないほどの苦しみも抱えている魔物たち。ましてや“優しい王様”であるガッシュは民や魔界を守れず悔しかったことでしょう。
成長した魔物たちとパートナーだからこそのパワーアップした共闘で敵を圧倒していく展開に期待です！
「金色のガッシュ！！２」コミックス2巻！
— 雷句誠 (@raikumakoto) April 7, 2023
４月１４日（金）紙の書籍、電子書籍ともに発売です！！
よろしくお願いいたします！！🙇♂️😊🙇♂️
※動画をクリックすると、壮大なBGMも流れますよ。😊 pic.twitter.com/m3SzI1Hm2I
温度差に風邪引きそう⁉ 交互に描かれる希望と絶望
敵を退け、全員での再会を果たしたガッシュペアとキャンチョメペアは、ゼリィやコンソメらと共に食卓を囲みます。再会を喜び合う彼らは、お調子者のキャンチョメを中心に愉快な歌やコミカルなダンスで盛り上がり、先ほどまでの緊迫した戦闘とはうってかわって笑い声が溢れるほのぼのとしたギャグシーンに。
しかし、そんな一幕の直後、荒廃しきった魔界に場面が切り替わります。大地はえぐれ、建物は倒壊し、ガレキが散乱した魔界は絶望そのもの。まるで「魔界がこうなっていることを忘れるなよ」と言われているようです。食卓で笑っていた魔物たちはこんなところから逃げてきたのかと思うと胸が詰まります。この希望と絶望のギャップに心を揺さぶられるのも本作の魅力です。
と、ガッシュ2の9話を配信したばかりなのに、ネガな事ばかり呟いてはいけませんね。😅
— 雷句誠 (@raikumakoto) December 14, 2022
皆さんの感想、ありがたく読ませていただいてます。
助かっておりますよ〜〜😊 pic.twitter.com/hRFUD3Trie
『金色のガッシュ!!２』今後の気になるポイント
連載開始から1年が経過した『ガッシュ2』は、現在12話まで発売されていますが、まだまだストーリーは序盤でわからないことだらけ。そこで、ここからは今後明かされることが楽しみなポイントを2つピックアップしてご紹介していきます。
魔物でもない、人間でもない敵の正体
とにかく気になるのは、魔界を襲った敵の正体。魔物でもなく人間でもないということですが、それならば一体何者なのか……正直見当もつきません。
これまでに敵は姿形の違う数体が登場しており、通常時と戦闘時でその姿が変わり、人間“のような”パートナーらしき人物と共に行動しています。そのパートナーもどうやら人間ではないようですが、ガッシュと戦った敵・ワイグのパートナーは「元々人間だった」と発言しています。
この他にも敵の正体に関するヒントはいくつか登場しています。ワイグは自分のことを「カード」と言い、ベリエルと呼ばれる敵のトップと思われるキャラクターも、ワイグたちのことを同じように「カード」と発言。また、ワイグのパートナーは、魔物が術を発動するために必要な魔本に「以前は辛酸をなめさせられたようだ」と言っており、過去に魔界との因縁があることを示唆しています。ガッシュが王になる以前に魔界は恨みを買うようなことをしていたのでしょうか。
魔物の術を奪う方法や魔界を襲撃した動機など敵に関しては明かされていない部分が多く、今後どのような真実が明らかになるのか楽しみです。
まだ登場していない仲間たち
これから話が進んでいくにつれて、前作に登場したキャラクターたちが成長した姿でどんどん登場してくるのかと思うと、私は楽しみで仕方ありません。現段階ではっきりと登場しているのはガッシュ、キャンチョメ、清磨、フォルゴレの4人。最新話の最後には、ガッシュの仲間で防御と回復の術を操るあの子も登場し、ファンが大いに盛り上がりを見せました。
ガッシュと最後の決闘をしたブラゴ、ガッシュの双子の兄・ゼオン、ガッシュと仲の良い仔馬の魔物・ウマゴン、優しい心を持ったコルルなど、10数年後の姿が気になる魔物は挙げれば切りがありません。そして、同じように時を経て変化したパートナーの人間とどのような再会を果たすのかも見どころです。
ストーリーの面白さ、懐かしいキャラとの再会が魅力！
絶望的な状況を魔物とパートナーの信頼関係や協力で道を切り拓くところや、それぞれの個性を活かした共闘など『金色のガッシュ!!』の良さに加えて、新しいストーリーと懐かしいキャラとの再会が楽しめる『金色のガッシュ!!２』。
成長した魔物の子達がどんな姿で登場し活躍するのか、ワクワクしています。強い女が好きな私は、特に最新話に登場した“サイフォジオ”を使うあの子の活躍が早く見たくてソワソワ……。だって、あんな成長を遂げているなんて思いもしなかったから……。
前作を知っているのに本作を読まないのは本当にもったいない！ 1人でも多くの「ガッシュファン」にこの感動に触れてもらえることを願っています。
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……？を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
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