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『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』石川界人&瀬戸麻沙美&久保ユリカインタビュー

頑張っている時の表情はどちらも“花楓/かえで”──『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』石川界人さん&瀬戸麻沙美さん&久保ユリカさんインタビュー

 

結局は花楓本人の頑張りや選択がものを言う『おでかけシスター』

──先ほど咲太の花楓への思い入れはこれまでのヒロインとは違うという話がでました。石川さんは今回の咲太を演じる上でどのような事を考えたのでしょうか?

石川:咲太はこれまで手を差し伸べる側で、彼自身も誰かに手を差し伸べる人間でありたいと思っています。けれど今回は差し伸べざるを得ない。翔子さんと翔子ちゃんの問題が解決して他人への想いの持ち方が変わってきているとしても、半ば義務みたいなところがあるんです。

今回は花楓の思春期症候群ではなく、花楓の心の中にある根深い問題が軸になります。このレベルの悩みに手を差し伸べるのはおそらく咲太自身も経験が無いことで、僕自身も演じていて迷いが大きかったと思います。それは咲太が何かをしたからといっていい方向に向かう訳ではないからです。

結局は花楓本人の頑張り、花楓の選択がものを言うのが今回の『おでかけシスター』なので、主役である花楓をサポートする役として咲太を見ていました。

 

 

──瀬戸さんと久保さんは今回の咲太の印象はいかがでしたか?

久保:花楓の目線からすると、やっぱり咲太がお兄ちゃんで本当に良かったという気持ちが強いです。彼女にとってこれ以上の正解は無いと思います。

サポートについても全部お膳立するのではなくて、花楓が自分で立ち上がれる、前に進めるような背中の押し方なので、「これを高校生ができるのか」というくらい大人の余裕も感じました。きっとこれまでのヒロインたちとの経験を経て、咲太自身も成長し続けているんじゃないかなと思います。

石川:麻衣の咲太に対するサポートだったり接し方だったりを、咲太は少し勉強しているのかもしれません。前に出ないであくまで支える。咲太自身心地いいと感じているからこそ、それを自分がやってあげたい人にもやっているのかもしれません。

久保:普通に考えて高校受験って人生の重大な決断のひとつじゃないですか。花楓自身最初は「お兄ちゃんと同じところに行きたい」と言うのですが、そこで否定せずに挑戦させてくれる咲太の存在や言葉って花楓にとってはかなり大きかったと思います。

石川:あそこは僕自身も考えさせられました。花楓の事を考えるなら、咲太はあそこでダメだと言わなければいけない。けれど咲太は、進路がどうとかではなく花楓が優れていないと思っている事に対して、「そうじゃないんだよ」と言ってあげたかった。でもそれで花楓が失敗してしまったらどうするのかという事を考えてしまって……。

瀬戸:だからこそスクールカウンセラーの友部美和子先生みたいな、大人が居てくれてよかったよね。

石川:確かに。

瀬戸:私は咲太が大人になったと感じる部分も確かにあったのですが、逆に今までの方がスマートだったなと思いました。それはやっぱり兄妹だから。石川君の言った通り咲太自身の迷いも感じられるし、花楓も最初から自分の意思を言わなかったりして。

ふたりとも行動してはいるけれど、それが正解かどうか本人たちもまだ気づけていない。だから思春期症候群が軸ではないというのは凄くしっくりきました。

 

 

──ありがとうございます。ここで少し趣向を変えた質問なのですが、『青ブタ』は咲太や花楓たちと同年代の皆さんには刺さる要素は多いかと思います。そんなみなさんに注目して欲しい本作やシリーズの魅力もお伺いいできればと思います。

石川:年上お姉さんって良いよね……でしょうか!? 学校でマドンナと言われる先輩と付き合うためには、空気を読んだうえで読まないことが必要だと感じています。それを体現しているのが梓川咲太です。ぜひともこの主人公に憧れてみてください!

……ふざけちゃったけど大丈夫かな?

瀬戸:時にはコミカルさも必要だし、大丈夫だよ!

久保:私は咲太に憧れて咲太みたいなムーブするなよって言いたいですね! 麻衣さんみたいに気の知れた相手ならまだいいですが、上里沙希みたいな関係性の相手への対応や言動はちょっと……

瀬戸:それは間違いない!

石川:いきなり否定された!?(笑)

一同:(笑)。

久保:あれは咲太だから良いんだよ! ってことです。女子に対して、それを憧れてリアルでやるのはあんまり良くないかなって。でもやっぱりどうしたって咲太に憧れちゃうとは思うので、大変かとは思いますが……そこは一回冷静になってもらいたいですね!(笑)

石川:“ゆめみる少年”にはなるな……と! 

久保:せっかくなので原作にも触れてもらえると嬉しいです。それぞれのエピソードで主軸となる子の物語がとても繊細に描かれています。

そこでなんでこの子はこういう考え方をするのかな? とか、どうしてこういう風になったのかな? みたいに色々な人がいる事を知ってもらえたら嬉しいです。そうやって視野を広げられるとこれからの人生がもっと素敵になるんじゃないかなって思います。

瀬戸:『青ブタ』の世界では形になっていない悩みや葛藤に“思春期症候群”という名前がついていて、キャラクターたちはそんな形の無いものに立ち向かっていきます。自分に近しい物を感じたとしたら、花楓と同世代の人は特に何か生きやすくなるヒントが見つかるかもしれないなって思います。

 

 

──また、TVシリーズの再放送や各種配信サイトでの配信も行われています。今回の『おでかけシスター』で初めて『青ブタ』を知るという方も出てくるかと思いますが、鑑賞する前に改めて振り返ったり抑えておいて欲しいシーンやエピソードも教えてください。

石川:全部、ですかね。

瀬戸:そこからの関係性だもんね。

石川:今まで関わってきたヒロインたちも含め、これまで築き上げてきた人たちとの関わりが花楓を救うんです。だからできれば全部見ておいて欲しいのですが、特に『シスコンアイドル』と『おるすばん妹』は見ておくと理解しやすいのかなと。

久保:でもやっぱり1話から見て欲しい。

石川:麻衣との関係がどうやって始まったのか、とかもあるもんね。

瀬戸:前回劇場上映された『ゆめみる少女』も見ないと始まらないし。

石川:花楓に勉強を教えているのは誰かと考えると双葉もだったりするし、『ロジカルウィッチ』も見て欲しくなります。

──本当に全部ですね! それでは最後にファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

石川:この作品は自分と向き合うきっかけをくれる、そして向き合い方を教えてくれると思っています。自分のやりたいことが本当は何なのか、他人の期待を自分のやりたいことだと勘違いしていないかだとか、色々な事を考えさせてくれます。

今進路に悩んでいる人だったり、自分の本当にやりたいことが何なのか悩んでいる人には必ず刺さると思います。そして、そんな自分をどこかで支えてくれる人がいるのだと気づき、自然と感謝が溢れるような作品でもあります。ぜひご覧いただいて人生の糧にしていただけたら嬉しいです!

瀬戸:人に優しくされたら優しくしたい、そういう気持ちが連鎖していくなと思っていて。けれどそんな優しさを返したいと思って悩んでしまったり、良い感情も全て重なると全部が良い方向に向かう訳ではなかったり。そういうもどかしさが花楓を通して感じられます。ぜひ劇中で頑張っている花楓を見届けてあげてください。

久保:『青ブタ』は会話や出てくる言葉そのものにすごく意味や力があるので、例えば麻衣と咲太だったり、花楓と咲太だったり、麻衣と花楓だったりの些細なやり取りが後々生きてくる事があります。

そういう積み重ねが最終的な答えになっていくので、細やかな部分にも注目していただけるとより『青ブタ』の世界に浸れると思います、ぜひじっくり楽しんでください!

 

アニメ映画『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』作品情報

公開情報

2023年6月23日(金)公開!

Introduction

心揺れる少女たちとの切なくも瑞々しい思春期ファンタジー

原作は累計発行部数250万部を超える鴨志田 一の人気小説“青春ブタ野郎”シリーズ。
2018年にはTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開。

可愛くて、切ない不可思議な物語が大きな反響を呼びました。
そして今、空と海に囲まれた街“藤沢”を舞台に新たな“思春期ファンタジー” が描かれます。

監督・増井壮一、脚本・横谷昌宏、キャラクターデザイン・田村里美、制作・CloverWorks、前作のスタッフが再集結し、かけがえのない“当たり前”が詰まった物語が幕を開けます。

Prologue

『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』

高校二年生の三学期を迎えた梓川咲太。
三年生の先輩であり恋人の桜島麻衣と、峰ヶ原高校で一緒に過ごせる学生生活も残り僅かとなった。
そんななか、長年おうち大好きだった妹の花楓は、誰にも明かしたことのない胸の内を咲太に打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。
極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押すことを決める。
『かえで』から『花楓』へ託された想い。二人で踏み出す未来への物語。

Staff

原作:鴨志田 一(電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」)
原作イラスト:溝口ケージ
監督:増井壮一
構成・脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:田村里美
プロップデザイン:道下康太
美術設定:塩澤良憲
美術監督:大久保 聡
色彩設計:横田明日香
3Dディレクター:織田健吾 田中葉月
2Dワークス・特殊効果:内海紗耶
撮影監督:楊 暁牧
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:fox capture plan
制作:CloverWorks
製作:青ブタ Project

Cast

梓川咲太:石川界人
桜島麻衣:瀬戸麻沙美
梓川花楓:久保ユリカ
古賀朋絵:東山奈央
双葉理央:種﨑敦美
豊浜のどか:内田真礼
広川卯月:雨宮天

公式サイト
公式ツイッター(@aobuta_anime)

原作情報

原作小説"青春ブタ野郎"シリーズが累計発行部数250万部を突破!
2023年7月7日には待望の最新第13弾『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』が発売決定!

電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」著/鴨志田 一 イラスト/溝口ケージ
第1弾 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
第2弾 青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない
第3弾 青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない
第4弾 青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
第5弾 青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない
第6弾 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
第7弾 青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない
第8弾 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
第9弾 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
第10弾 青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
第11弾 青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない
第12弾 青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない
第13弾 青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない(2023年7月7日発売予定)

『青春ブタ野郎』シリーズ特設サイト

 

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