「映像を見るだけで泣きそうになる」異なる不器用さを持つ二人が『フリーレン』の世界に与える彩――アニメ『葬送のフリーレン』フェルン役・市ノ瀬加那さん＆シュタルク役・小林千晃さんインタビュー

「週刊少年サンデー」で連載中の『葬送のフリーレン』がTVアニメ化！　2023年9月29日の「金曜ロードショー」での初回2時間スペシャルが話題となった本作は現在、毎週金曜よる11時の日本テレビ系のアニメ枠「フラアニ」にて放送中です。

物語の舞台は、勇者のパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界。パーティーの一員だったエルフのフリーレンは、老いていく仲間たちの最後を見届け、人を知るための新たな旅路に向かいます。

アニメイトタイムズでは今回、フェルン役の市ノ瀬加那さん、シュタルク役の小林千晃さんにインタビューを実施。作品や自身のキャラクターの印象、放送されたばかりの第5話についてお話いただきました。

“映像を見るだけで泣きそうになる”

──原作や脚本をご覧になった感想を教えてください。

フェルン役・市ノ瀬加那さん（以下、市ノ瀬）：別れから始まる物語なのに、自分の気持ちが馴染んでいくのが早くて。それだけ絵やストーリーが魅力的だと感じました。

そんな素敵な原作に、アニメでは動きや劇伴が加わりました。初回の時点では魔王を倒した勇者一行を初めて見たはずなのに、彼らの冒険譚がにじみ出ていて引き込まれましたし、感情移入がしやすい作品なんだと思って。

そしてフリーレンの旅を通して、彼女が今まで感じられなかったことをフェルンやシュタルクを通して伝わってくるように描かれていて。あのとき、ヒンメルはこんなことを感じていたんだ、みたいにヒンメルたちの軌跡をたどっているみたいですよね。

同じ村や道を再び通る物語というのは珍しいアプローチであり、唯一無二の作品だと思いました。

──PVで映像を見ましたが、完成度がすごかったです。

市ノ瀬：すごかったですよね。『葬送のフリーレン』という作品は絵とBGMで魅せるシーンがたくさんあります。1カット1カットに様々なものが詰まっていて、映像を見るだけで泣きそうになるくらいすごくキレイな描き方がされているんです。本当に、皆さんに見てほしい作品です。

──小林さんはいかがでしょうか？

シュタルク役・小林千晃さん（以下、小林）：冒険が終わった後を描きつつ、主人公が人間らしさを学んでいく。でも、お花を出す魔法やかき氷を出す魔法があったりと、ふと笑える瞬間もある。僕としてもこれまでにない作品だと思いました。

そして、随所で人の温もりみたいなものを感じられて。アニメでは絵のタッチや音楽からも温かみを感じることができて、本当に“優しい作品”なんだと伝わってきました。

でも、原作の時点で作画が素晴らしいからこそ、アニメ化にあたってのハードルは高かっただろうなと思いました。しかも初回から「金曜ロードショー」という。

市ノ瀬：そうですよね。

小林：自信がないとできないことですよね。ただ、それだけの素晴らしいアニメーションになっていると、現時点で感じています。

──初回から「金曜ロードショー」とはすごいですよね。

小林：すごい試みですよね。改めて、普段アニメを見ない方にもアニメが届きやすい時代になっているんだな、と思いました。

市ノ瀬：私自身、「金曜ロードショー」は知らない作品でもとりあえず録画することがあって。『葬送のフリーレン』を知っている方はたくさんいますが、「金曜ロードショー」のおかげで新規の方もたくさん増えると思っています。そして、それとともにスタッフの方の作品への愛と挑戦が伝わってきました。