「これからもバトンは続いていく、終わらないって気持ちを込めて歌いました」──『映画プリキュアオールスターズＦ』で挿入歌「All for one Forever」を歌唱する吉武千颯さんインタビュー

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『映画プリキュアオールスターズＦ』テーマソングシングルは歴代歌手が集結。シングル2曲目に収録されている挿入歌「All for one Forever」は吉武千颯 ＆ 礒部花凜/北川理恵/駒形友梨/Machico/宮本佳那子名義によるもの。プリキュアシンガーたちの“信じ合う力”が込められた、痺れるような熱いロックナンバーです。

歴代シンガーたちを先頭で引っ張り、普段の“ちはやお姉さん”とはまた違う表情で、分かちあった希望を見事に輝かせてみせた吉武千颯さん。吉武さんと、後期ED「Dear Shine Sky」インタビューに引き続き、同席されていた音楽プロデューサー井上 洸氏(MarvelousInc.) に制作のお話をうかがいました。

井上音楽プロデューサー「僕は吉武さんに将来のプリキュア音楽を担って欲しい」

──映画挿入歌「All for one Forever」は驚くほどに熱い曲ですね。吉武さんの歌声にも痺れました。

吉武千颯さん（以下、吉武）：ありがとうございます！本当に激アツです！（笑）ザ・戦闘シーンみたいな楽曲で、プリキュアたちがなにかのために戦っている姿がこの1曲を通して浮かびました。

──礒部花凜さん、北川理恵さん、駒形友梨さん、Machicoさん、宮本佳那子さんと歴代シンガーを引っ張るのが吉武さんで。

吉武：本当にビックリで！「映画挿入歌を歌うことになったよ」って聞いたときも「へ？　良いんですか!？」ってなっていたのに、まさか先輩方と一緒で、しかもメインで歌わせていただけるとは思っていなかったので、驚きすぎてしまって。

最初は不安もあったんです。不安というのは緊張という意味で。本当にすごい方々と歌わせていただくので私で大丈夫かなって。でもそれと同時に心強さもありました。『プリキュア』シンガー同士、みんな仲がいいんです。

中には『プリキュア』だけじゃなく、違う作品でご一緒させていただいている方もいますし、お人柄も知っているので。だから皆さんがいるということで安心感を覚えながらのレコーディングでした。

──シンガー全員が前に出るというわけではなく、メインボーカルがひとりいて、そこに仲間がいて……というスタイルはプリキュア楽曲において異例ですよね。このスタイルとなった理由について、同席されている井上さんにもお話をうかがってもいいですか？

井上 洸氏(MarvelousInc.) ：今後を担っていく吉武さんと、歴代のプリキュア音楽を培ってきた皆さんに歌ってもらいたいなと思って「All for one Forever」を作りました。

『映画プリキュアオールスターズＦ』の田中裕太監督とお話して、監督には「僕は吉武さんに将来のプリキュア音楽を担って欲しいんです」と直接伝えさせてもらって。ファンの皆さんが歌いわけまで気づくのはCDが発売されてからになるとは思いますが、思いを受け取る歌いわけにしています。

──最初はユニゾンから、というのも素敵です。

井上氏：そうですね。そこから吉武さん、北川さん、Machicoさんが入って……と歴史を追ってのバトンという形にしていますので、その流れにも注目してもらえたら、僕としては嬉しいです。

吉武：レコーディングの時点で歌いわけは決まっていて「さすが井上さん！」と感じるような歌いわけでした。曲を作っていくときにも、「皆さんから受け継いだバトンをこれからにつないでいってほしい」というお話を聞いていました。

皆さんと作ってきたもの、思い出、プリキュアたちへの思いをありのまま歌に乗せています。「この人と一緒だったらここはこうやって歌いたい！」などと思いながら歌いました。本当にエモい歌いわけだなぁって……。

──例えば、北川さん、Machicoさん、吉武さんで歌われている＜満ちる絆　抱きしめて　信じあう力　阻む手に　決して渡さない渡さない　さあ＞は、この3人らしくて。＜あなたがいる＞（吉武さん）＜キミがいる＞（北川さん、Machicoさん）と、3人で呼び合っていくところも、思いの交換を感じるかのようで、グッとくるポイントだなと思いました。

吉武：そこもすっごく良いですよね！＜あなたがいる＞はおふたりを想像しながら歌っていました。多分レコーディングのときは実際に目線も動かしていたと思います。

──北川さんと吉武さんによる＜想いあう、あなたと＞と、Machicoさん、吉武さんによる＜想いあう、キミと＞ってところも個人的にすごくスキです。

吉武：そこもエモポイントです（笑）。あなたを理恵さん、キミをMachicoさんってところも、なんだか“らしいな”って。2番の＜がんばってるお互いを　リスペクトするたびに　自分ごと好きになれるの　Ah, 全部出会いのおかげ＞という部分のMachicoさんとの歌いわけもお気に入りです。

20周年記念映画の楽曲だからこそ、みんながこの20年間つないできたバトンというのが、この先もずっとずっと続いていくようにという願いを感じるような言葉だなって。

──礒部さん、駒形さん、宮本さん、それぞれと一緒に歌うパートも。

吉武：一人ひとりを想像しながら、一緒に歌っている感覚でした。私が最初に録らせてもらっていたので、その時はまだ皆さんの声が入っていなかったんです。完パケで皆さんの声が入ったものを聴いたら、本当に嬉しくてうれしくて……。

──プリキュアたちへのエールの歌、であることは大前提ではあるんですけど、みなさんが吉武さんに向かって歌っている感じがしました。愛がすごいなって。

吉武：（照れながら）いやぁ……。本当に嬉しかったです。

──さきほど吉武さんもお話されていましたが、「この先もずっとずっと続いていくように」という尊い願いが力強い歌声に込められていますね。

吉武：＜出会う想い繋ぎ続けてくForever　終わらない＞という言葉にも、その思いを存分に詰め込んでいます。これからもいろいろな景色を見ていきたいなって。プリキュアたちのつながっていくバトンは、『プリキュア』シンガー同士にもあって。

バトンというのを大切にしながら歌わせていただいたので……このお歌を通してそれを感じていただけたらなと思っています。