『映画プリキュアオールスターズＦ』「”F”ナイト」スタッフトークレポート｜作品ロゴに隠された秘密とその意図とは......!?

プリキュアシリーズ20周年を記念する劇場アニメ『映画プリキュアオールスターズＦ』。全国の映画館で絶賛上映中の本作が、2023年9⽉15⽇の公開から10月9日(月)までの25⽇間で、興⾏収⼊11億9422万6220円、観客動員数97万8994⼈を記録。

これは15周年記念作品『映画ＨＵＧっと︕プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』を上回る記録であり、32作品ある映画の中でシリーズNo.1となっています。

そんな本作ですが、先日10月6日（金）には制作に関わったスタッフ陣が登壇するイベント「”F”ナイト【応援上映＆スタッフトーク】」が実施。田中裕太さん(監督)、田中仁さん(脚本)、板岡錦さん(キャラクターデザイン/総作画監督)、村瀬亜季さん(企画)、田中昂さん(企画)らが登壇して制作の裏話を披露しました。

本稿ではその模様をレポートします。なお、ネタばれ込みとなっていますので、鑑賞前の方はご注意ください。

作品ロゴに隠されたプリキュアは終わらないという意思表示

上映後ということでMCが会場に感想を求めると、「最高！」という歓声が轟きました。

そんな盛り上がりで既に温まっている会場に、登壇者のみなさんが登場。なんと監督の田中さん＆板岡さんはファンのみなさんと一緒に本作を鑑賞していたようで、客席から姿を現す場面も。

オープニングトークでは登壇者のみなさんが着用していたジャンパーが話題になりました。これは板岡さんがどうしてもスタッフジャンパーを着て仕事をしたかったことから、自腹を切って作ったものだそう。背中に本作で大きな活躍を見せた“キュアプーカ”が描かれたクールなデザインが目を引くアイテムになっていました。

本作は公開時からシリーズ最高のオープニング興行収入を記録しており、まずはその根源となる企画の意図について、田中監督と村瀬さんに伺うことに。

村瀬さんは『ひろがるスカイ！プリキュア』を中心にプリキュアシリーズのファンのみなさんに楽しんでもらえるものを目指したと話してくれました。その上でタイトルの“F”について語る一幕も。公開までに様々な宣伝で見られましたが、このFにプリキュアシリーズの大切な要素が多数込められていたそうです。

また、その中に“ファイナル”という気になるワードも見られていましたが、これには「本作がオールスター作品の“最後”だとしても悔いが残らないくらい全力で」という心意気が込められていたのだとか。

続いて田中昂さんから、このファイナルの話題に関連する作品ロゴに隠された秘密が暴露。本作には“終わらない”というメッセージが強いと感じていたそうで、そこから“Not Final”という意味を込め作品ロゴのFの前に、リボンで表現された“N”の字を隠していたというのです。これを聞いてから改めて確認するとわかりやすいかもしれません。

これは監督とプロデューサー陣しか知らなかったそう。なんと最初にロゴが公開された時はなかったもので、一度リニューアルした時に追加されたとのこと。客席にも気づいた方はおられなかったようで、ここで大きな拍手が巻き起こりました。

本作は『Go！プリンセスプリキュア』『映画魔法つかいプリキュア！奇跡の変身！キュアモフルン！』『スター☆トゥインクルプリキュア』『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』と続いてきた田中監督と田中仁さんのタッグによる作品となっており、おふたりに再び同じ作品に携わることになった感想を求める場面も。

今回は田中監督が本作でやりたいと要望したアイディアを、田中仁さんがなんとか70分の中に収める形で実現したそう。なんと、当初は20年分の作品のうち後半10年のプリキュアたちを中心にして、78人のプリキュア全員が揃うのは不可能だと考えていたのだとか。

この不可能を覆したのが村瀬さん。田中監督によると『映画デリシャスパーティ♡プリキュア』の制作がひと段落したタイミングで、村瀬さんが「このままではダメだ」と発言したことから全員を登場させる方向で制作が進むことになったそうです。

ここで会場のみなさんに村瀬さんが「でもよかったですよね？」と尋ねると、会場は大盛り上がりになりました。

続いて板岡さんが本作の作画監督に自ら志願したことが話題に。田中監督とは付き合いが長いことと、この人なら間違いないという想いから、一緒に仕事をしたいと要望したのだそうです。また、その件について色々なインタビューで語っているそうですが、内容が田中監督に恋をしているかのようになっていることも明かしました。

そして先ほどの78人のプリキュア全員を登場させた件については、「言うのは簡単だけれど作業するのは大変だった」と冗談めかして振り返り、村瀬さんをタジタジにさせ客席の笑いを誘う一幕も見られました。