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アニメ『PLUTO』藤真秀&日笠陽子インタビュー

アニメ『PLUTO』ゲジヒト役・藤真秀さん&アトム役・日笠陽子さんインタビュー|アニメの底力と時代を切り開いてきた声優の芝居を楽しめるのが『PLUTO』!

数多の作品を生み出した漫画界の巨匠・手塚治虫先生の代表作『鉄腕アトム』。様々なSF作品の始祖となった本作の中でも屈指の人気を誇るエピソードのひとつが『地上最大のロボット』です。

その『地上最大のロボット』をリメイクするという大役を務め上げたのが『20世紀少年』などを手掛けた浦沢直樹さんでした。

『PLUTO』というタイトルで連載がはじまった本作は瞬く間に大ヒット。アニメ化も期待されましたが、連載が終了し14年の月日が経ちました。

そしてついに2023年10月26日。ファン待望の『PLUTO』のアニメがNetflixにて世界に向けて配信されます。

連載がスタートした2003年から20年の月日が経ちましたが、作品から伝わるメッセージはなお色濃くなるばかりです。

本稿では、主人公のゲジヒト役・藤真秀さんとアトム役・日笠陽子さんに行ったインタビューの模様をお届け。難しいテーマの作品にお二人はどのように取り組んだのでしょうか。

 

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PLUTO
憎しみの連鎖は、断ち切れるのか。人間とロボットが<共生>する時代。強大なロボットが次々に破壊される事件が起きる。調査を担当したユーロポールの刑事ロボット・ゲジヒトは犯人の標的が大量破壊兵器となりうる、自分を含めた<7人の世界最高水準のロボット>だと確信する。時を同じくしてロボット法に関わる要人が次々と犠牲となる殺人事件が発生。<ロボットは人間を傷つけることはできない>にも関わらず、殺人現場には人間の痕跡が全く残っていなかった。2つの事件の謎を追うゲジヒトは、標的の1人であり、世界最高の人工知能を持つロボット・アトムのもとを訪れる。「君を見ていると、人間かロボットか識別システムが誤作動を起こしそうになる。」まるで本物の人間のように感情を表現するアトムと出会い、ゲジヒトにも変化が起きていく。そして事件を追う2人は世界を破滅へと導く史上最悪の<憎しみの存在>にたどり着くのだった―――。作品名PLUTO放送形態配信シリーズ鉄腕アトムスケジュール2023年10月26日(木)〜Netflixにて配信話数全8話キャストゲジヒト:藤真秀アトム:日笠陽子ウラン:鈴木みのりモンブラン:安元洋貴ノース2号:山寺宏一ブランド:木内秀信ヘラクレス:小山力也エプ...

 

人間を演じているロボットではなく、人間そのもの

——今回の役はオーディションで決定したのでしょうか?

アトム役・日笠陽子さん(以下、日笠):私はオーディションに参加させていただきました。

ゲジヒト役・藤真秀さん(以下、藤):僕はオーディションではありませんでした。有り難いことに声をかけていただいてという感じでしたね。

日笠:そうだったんですね、凄い……! それだけゲジヒトにぴったりだったということですよね。

 

 

——日笠さんはオーディションだったんですね。

日笠:2回ほどやりました。スタジオオーディションではなかったんですけど、収録の前の年の年末くらいにオーディションテープを録ってくださいとお話があって。それはアトムの役だったんですが、その2週間ほど後に追加で聞きたいという原稿が来たんです。それが不思議なオーディション原稿で、全部「お茶の水博士」っていうセリフだったんです。

——え!?

日笠:実際に本編中でも「お茶の水博士」って呼びかけるセリフ自体も多いんです。漫画のシーンも一緒に貼ってあったので、このシーンでどういう演技をするのか見られているんだなと察知して(笑)+一人で呟くのか、呼びかけているのか、距離や状況などを考えながら演じました。

『PLUTO』は元々兄が大好きで、実家にあったので年末に取りに帰って、一度読んで場面を把握してからオーディションに望めたので、原作が手元にあってよかったなと思いました。

 

 

——オーディションを経て、改めて作品に対する印象はどのように感じましたか?

藤:実は僕、『PLUTO』を役が決まる前までは知らなかったんですよ。作品名を伺ってからすぐに原作を読みました。

作品に関して一言で言うと「人間のエゴって怖い」ですかね。とあるきっかけが全ての原因になっていて、作品の根底にあるのは人間のエゴなんですよね。それが連鎖していく様子が怖いなと。

——そうですね。先日、原作者の浦沢直樹さんにもお話伺ったんですが、連載した当時よりもテーマが響く作品になってしまったと仰っていました。

日笠:その通りですね。当時よりも約20年経った今の方がより響くって凄く悲しいですよね。もちろん愛を描いた作品でもあるんですけど、人間とロボットの愛から始まったものが愛で終わる人と、心が折れて憎しみに変わってしまう人という対比があります。

感情って生き物みたいで、感情を持った人間もロボットも生きているんですよね。そういうパワーが凝縮されていて、見ると凄く胸が苦しくなる作品だなと思いました。

ロボットってデータや統計で理解できるかもしれないけど、心の奥底まで理解できるのだろうか、人間ではできないけどロボットならそれは可能なのか、などいろいろなことを考えさせられてしまいます。

 

 

——ロボットと人間の境界線がわからなくなりますよね。

日笠:博士たちは自分の技術を使って人間を作りたいと思い始めていると思うんですけど、理想の人間像をロボットが目指すようになり、やがて道から外れて行ってしまう。地位や名誉を求めるようになって争いが起きているんだなと思いましたね。

——お二人が演じたキャラクターの印象はどうでしたか?

藤:ゲジヒトの設定には高性能刑事ロボットと書いてあって、最初はパリッとした高圧的なイメージを持っていました。収録現場に行って演じてみるとそれが徐々に変わっていって。

彼のポッカリと空いた心の穴を埋めるために人間に寄っていきました。ビジュアルは感情を出さないようなイメージなんですけどね。

——実際の収録ではどのようなディレクションがあったのでしょうか?

藤:日笠さんも同じかと思いますが、「人間っぽく行きましょう」という方向性でしたね。僕は逆にさっき言ったようなイメージで入ったので、高圧的すぎるんじゃないかということで何度かリハーサルをして、思ったよりも人間寄りなスタートでした。目指すところは結局同じなんですけど、最初の印象よりはマイルドに始まりましたね。

日笠:私が演じているアトムは比較的人間に近いキャラクターなので、人間寄りで行こうと思っていたんです。でも、ちょっと暗いと。人間に寄ったつもりだったんですが感情に制限がかかっていたんだと思います。

 

 
感情の幅をもう少し出したい、子供を演じているんじゃなくて、子供としてそこに存在しているかのようにしたいという意図があったらしくて、一回OKが出たんですけど、ゲジヒトと出会う最初のシーンは別日に収録し直しました。もっと天真爛漫に笑ったり、カタツムリを持ったりして欲しいと。

演じていく中で、少しづつアトムが作られていって、もっと人間らしく、感情に素直でいいんだなと確認してからその後の演技ができたので、録り直して良かったなと思います。

——大変でしたが、結果的に録り直したことが正解だったと。

日笠:役者としては大変ですよね。

藤:何が悪かったのか考えてしまいますね。

 

 

——ちなみに、そういったことはよくあるのですか?

日笠:少ないですね。

藤:僕らが若い頃はたまにあったかな〜。

日笠:そうなんですね! でも、前向きな録り直しですよね。ダビングして通して見た時に、もっと良くなるだろうなって思ってのことでしょうし。逆に私のことを信頼してくれているからもう一度っておっしゃってくれると思うので、ありがたいことですし、結果良いものになったので良かったです。

 

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