秋アニメ『はめつのおうこく』リレーインタビュー第2回：ドロカ役：和氣あず未さん｜世界がどんなに醜くても、ドロカちゃんだけは“救いの場”であってほしい

アドニスに同情してしまう自分

――アドニスについてはどんな印象をお持ちですか？

和氣：無差別に人を殺めてしまうくらい心が黒く染まってしまって、クロエを失ったら他に何も失うものはない、クロエがいないなら何もかもがどうでもいいという気持ちが痛いくらい伝わってきました。その意味では、とにかくピュアなんだろうなと思います。クロエに助けてもらってから、ずっとクロエのもとで育ち、クロエのために生きてきた。そうして、お互いに愛情を向け合っていたからこそ、この惨劇が起こってしまったのかなって。

私は争うのが大の苦手で、どちらかというとドロカちゃんに近いところがあるんです。争っても意味ないじゃんって。でも、この作品を読んでいるとアドニスに同情してしまう自分もいて……。復讐をしたところで全然すっきりしないことを理解していながら、それでも止められないところが見ていて苦しかったです。

――アドニスもドロカもお互いに凄惨な過去を持ちながら、見ている方向は別のように感じました。

和氣：アドニスだけではなく、他の魔女とも見ているものが違うのかなと思います。魔女狩りに遭い、目を背けたくなるような経験をしたのにドロカちゃんだけは復讐に囚われていないんです。アドニスとも、他の魔女とも違う、過去の捉え方をしているのかなと。

もちろん、ドロカちゃんが過去を軽んじているとかそういうことではなくて。第1話でアンナを励ましたときに使ったパペットは、ミアお姉ちゃんがドロカちゃんの背中を押したときと同じもの。きっと、つらいからと思い出を封印するのではなく、思い出を温かいもの、優しいものとして大事にしながら、前を向いて優しくあろうとしているんでしょうね。そういう強さは後半でも見せてくれるので、きっと応援したくなると思います。

――その魔女たちですが、アドニスに協力的なのかと思いきや、魔女の国で新たな真実が明かされました。

和氣：クロエが魔女なので、どちらかといえば他の魔女もアドニスの味方かと思ったら、かなりひどい計画を立てていたんですよね。正直、どっちもどっちだとわかって、何を信じていいのかわからなくなりました（笑）。最初こそ人間と魔女は対立しますけど、どうにかお互い手を取り合って平和な方向へ進んでいったらいいなと思っていたら、人間も憎い、魔女も信用できないという状況で……。その中で一つの救いなのがドロカの存在なのかなと思います。

――ドロカは、復活したクロエが利用されるということをアドニスに伝えていましたね。

和氣：それも嘘のつけないドロカちゃんらしい行動ですよね。要は人間の子どもを洗脳して戦わせるということなので、それを実行したら新たな復讐が生まれ、さらに大きな戦争になる可能性も出てきます。気持ちはわかるけど、やっぱりドロカちゃんの考えのほうが正しいのかなと思いましたし、復讐のゴールっていったい何なんだろうと悲しくなりました。

――ここまで演じられて、特に印象に残っているキャラクターを教えてください。

和氣：収容所のパルポル看守長です！　どの登場人物もみんなクセの強いキャラクターばかりですが、その中でもずば抜けていやらしいなと感じるキャラクターでした。相手の嫌悪感を誘うお芝居が本当に素晴らしかったです。

お話の内容が重たいので、どこか軽いノリなのも魅力的でした。残念ながらあっという間にいなくなってしまいましたが、それはそれですっきりするという、私自身の復讐心にも気づかせてくれた面白いキャラクターですね（笑）。

――そして第4話のラストで、ついにドロカが復活しました。ぜひ今後の見どころを教えてください。

和氣：第1、2話とドロカちゃんのまっすぐさ、優しさ、温かさに胸を打たれたと思ったら、第2話の最後で撃ち抜かれてしまって、きっとショックを受けた方も多いと思います。ですが、第4話の最後でついに復活を遂げたので、安心してください！

……と、言いつつもこれからも怒濤の展開が続くので、ぜひアドニスとドロカちゃん、そして魔女と人間の行く末を見守っていただきたいです。今後もドロカちゃんの心の強さが描かれていきますし、それがアドニスにもいろいろな形で影響を及ぼしていきます。ドロカちゃんはアドニスの手を引いて道をただせるのか、正反対の二人がどんな関係性を積み上げていくのか、楽しみにしてください。

TVアニメ「はめつのおうこく」作品情報

放送・配信情報

10月6日(金)よりMBS・TBS・BS-TBS ”アニメイズム”枠ほかにて放送中！

■放送情報
・MBS：毎週金曜日 25:53～
・TBS：毎週金曜日 25:53～
・BS-TBS：毎週金曜日 26:30～
・AT-X：毎週土曜日 23:30～
【リピート放送】毎週火曜日 29:30～／毎週土曜日 8:30～

■配信情報
・毎週金曜日 26:30～単独最速配信
dアニメストア

・毎週火曜日 12:00以降順次配信
ABEMA・U-NEXT・アニメ放題・DMM TV・Hulu・FOD
ニコニコ動画・Lemino・ひかりTV・Prime Video
auスマートパスプレミアム・milplus見放題パックプライム・milplus
J:COMオンデマンドメガパック・J:COMオンデマンド
TELASA(見放題プラン)・TELASA(レンタル)
バンダイチャンネル・MBS動画イズム
TVer・Happy!動画・クランクイン！ビデオ・Google Play

・毎週火曜日 22:00～放送
ニコニコ生放送

イントロダクション

人類に知恵と安寧をもたらした存在――“魔女”。

しかし、リディア帝国の“超産業革命(ギア・エクスパンション)”は魔法を凌駕する科学文明を生み出し、魔女は進歩を阻害する“敵”と見做されてしまう。

かくして“魔女狩り”が始まった。
魔女クロエに育てられた人間アドニスは
最愛の師を奪われ、同族である人類への復讐を誓う。

絶望を糧にした修羅は、殺戮の果てにいかなる“救い”を見いだすのか――。

キャスト

アドニス：石川界人
ドロカ：和氣あず未
クロエ：白石涼子
ヤマト：日野聡
ユキ：遠野ひかる
シロウサギ：谷山紀章

スタッフ

原作：yoruhashi(マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「MAGCOMI」連載)
監督：元永慶太郎
シリーズ構成：鴻野貴光
キャラクターデザイン：加藤裕美
プロップデザイン：村山章子
銃器デザイン：松田未来
美術監督：栫ヒロツグ(鹿児島ラメカヒリム)
美術設定：山口大悟郎(鹿児島ラメカヒリム)、三浦智(鹿児島ラメカヒリム)
色彩設計：松山愛子(颱風グラフィックス)
2Dワークス：矢崎宏幸
CG監督：遠藤誠(トライスラッシュ)
撮影監督：今泉秀樹(颱風グラフィックス)
編集：木村祥明
音響監督：えびなやすのり
音楽：櫻井美希、兼松衆、中村巴奈重
音楽制作：日音
アニメーション制作：横浜アニメーションラボ