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『キングダム』羌瘣(きょうかい)のキャラクター解説

羌瘣(きょうかい)のキャラクター解説! 蚩尤(しゆう)とは?祭(さい)とは? 信との恋は? 人間離れした女の子がヒロインになっていくまでをまとめました

『キングダム』は、中国の戦国時代末期(紀元前245年頃から)を舞台にした、週刊ヤングジャンプで連載中の原泰久先生の漫画作品です。主人公は、信(しん)と、中華統一をめざす若き秦王 嬴政(えいせい)。彼らを取り巻くたくさんのキャラクターも魅力的です。
 
ここでは、アニメ第4シーズンまでを中心に、羌瘣の経歴をまとめつつ、彼女の心の動きを追いかけています。
 
 

目次

『キングダム』羌瘣とは?

羌瘣は、山深くの閉ざされた地で、特別な暗殺者・蚩尤(しゆう)になるための厳しい訓練を受けて育った羌族(きょうぞく)の剣士。飛信隊の副長として活躍しています。

アニメで羌瘣を演じていらっしゃるのは日笠陽子さん。映画では清野菜名さんが演じていらっしゃいます。

羌瘣の略歴

ではさっそく、羌瘣の歩みを見ていきましょう。

[13歳]
・蚩尤になることを望む少女
蚩尤の後継者を決める「祭」。しかし、姉のように慕っている羌象(きょうしょう)に眠らせられ、参加できず。この祭で、蚩尤になったのは幽連(ゆうれん)。

[14歳]
・「馬陽(ばよう)の戦い」に参戦
羌象の仇討ちを果たすため、幽連のいる趙に向かかう。その通り道に「秦vs.趙」であるこの戦いに参加。これが、信とのはじめての出会いとなる。

[16歳] 
・「山陽(さんよう)の戦い」
まっすぐ趙に向かうべきところ、対魏戦に参加。仇討ちにまっすぐ向かわず、なぜか信の飛信隊(ひしんたい)に加わっている自分をかえりみて、自分は中途半端だと悩む。信に、帰る場所はここであり仇討ちが終わったら帰ってくるように言われる。

・飛信隊を離脱
山陽戦が終わり、仇討ちを果たすべく一時離脱。

[17〜18歳]
・追いかけていた相手 幽連のもとへ
一時危険な状況に陥りながらも、念願の仇討ちを果たす。

・飛信隊に復帰
将軍になること、信の子どもを産むこと、という2つの目標を口にする。なお、羌瘣の信じている子作り方法は、羌象の教えによる。強い男と組み力を合わせ高い山で何かを炸裂させるとよいらしい。ほんとうの子作り方法を河了貂(かりょうてん)に教わる。

[19〜20歳]
・「屯留(とんりゅう)の乱」
王弟 成蟜(せいきょう)を首謀者とする反乱が起きる(実は呂不韋の策謀で、成蟜に謀反の意はない)。千人将となる。信は四千人将に。

・「嫪毐(ろうあい)の反乱」
政の母 太后と、呂不韋によってあてがわれた夫・嫪毐による謀反。三千人将として、信とともに秦王 政(せい)の子どもの救出を目指す。

[21歳]
・「黒羊丘(こくようきゅう)の戦い」(2024年2月現在、アニメ第5シーズン放送中)
羌瘣や信にとってはじめての密林地帯での戦い。先見隊として信たちより先に敵に遭遇?

羌瘣の特殊な生い立ち


ここからは、羌瘣の特殊な生い立ちを見ていきましょう。

羌瘣が育ったのは、人里離れた山奥。周囲には女性だけしかいません。蚩尤になるための訓練だけを強いられ、自由な思考を奪われた環境で育ちます。頼れるのは2つ年上の羌象だけ。羌瘣は羌象のことを「象姉(しょうねえ)」と呼び慕っています。

蚩尤(しゆう)とは?

蚩尤とは、世には知られていない特別な暗殺者のことです。代替わりの際、祭という儀式で一名だけが選出されるという仕組みで、代々続いてきました。

蚩尤を排出する集団には19の氏族がいて、羌瘣は羌族(きょうぞく)、かたきとなる幽連は幽族(ゆうぞく)となります。

彼らは、呼吸法を極めることによる独特の体の動かし方や、寿命が長いという特徴をもっています。そして、呼吸法の鍛錬により巫舞(みぶ)という舞いながら剣をふるうという、常人にはできない技を体得しています。

祭(さい)とは?

祭は、蚩尤になるための儀式(最終試験)年齢不詳の長老たちの前で、19の氏族からそれぞれ見込みある候補者たちが出場して、殺しあうものです。

ここで最後の一人まで生き残った者だけが、蚩尤になれるという掟になっています。

羌瘣の仇討ちとは?

羌瘣は羌象とともに祭に出るはずでした。しかし、祭が開かれる前夜、羌象は羌瘣を香により深い眠りに落とすのです。羌瘣が目覚めた時にはすでに祭は終わっており、羌象は死亡、幽連が蚩尤になっていました。

腕の立つ羌象が死んだことに疑問をもった羌瘣は、羌象をたおすために他の者たちが手を組んだことを知ります。これは掟(おきて)に反することでした。

今まで絶対だと思っていた掟が簡単に破り得ることを知った羌瘣に、大きな怒りと激しい動揺がおそいます。そして、長老たちに復讐の刃を向けた後、羌象のかたきをとるべくはじめて人里におり、仇討ちの旅に出るのです。

信への思い

本人ははっきり自覚していなかったかもしれませんが、羌瘣は信に出会って間もない頃から好意を寄せていたようです。

帰る場所

「馬陽の戦い」の後、未知の気持ちのままに「山陽の戦い」に参加する直前のシーン。
羌瘣は、自分は中途半端だと悩んでいます。すぐに仇討ちに向かうべきだとわかっている、でもここを去ったら信たちと二度と会うことはないと思うと、戦場を離れ難く思っているのです。

周囲からは、戦い前夜の景気づけにと酒盛りをしている声が聞こえてきます。この戦が終わったら、村に帰ったら、とこの戦いの後の展望を語っている声です。仇討ちが終わったら死ぬつもりだった羌瘣ですが、これらの声を聞いたせいか、これまでならありえなかった気持ちの沈みが。

皆には未来があるが自分には何もない……。帰る場所がある皆を、羨ましいと感じるところもあったのかもしれません。

そんな彼女に対して、信は、仇討ちが終わったら飛信隊に帰ってこい、帰る場所はここだ、ということを伝えます。

仇討ちなんてやめてここに居て、ではなく、使命を果たして自分のもとに帰ってきて、というのが良いですね。羌瘣を丸ごと受け入れる言葉です。羌瘣は、信のこの言葉に、とても救われたのではないでしょうか。

やわらかくなっていく表情と無茶

初登場時は無表情だった羌瘣ですが、信たちとかかわる中で、だんだんと表情が柔らかくなっていきます。心が動くようになっていくのです。また、実は天然だったという部分も。

少女から大人へと魅力が増し、素の心がどんどんあらわになっていく羌瘣。これはヒロインですね。

その一方、仲間への情が増すにつれ、呼吸を深めて意識をあの世スレスレまで落とし込むこむといった強力な技の発動や、一人で敵陣に潜り込むなど、無茶をしがちなところも。
ただでさえ強いのだし、軍略を立てられる知能もあるのだから、そのままで十分なんだよ! 無理しないで! と読者をハラハラさせるシーンも増えてきているような気がします。

羌瘣は実在したのか?

司馬遷『史記』には、羌瘣は王翦(おうせん)、楊端和(ようたんわ)とともに趙を攻めた時の活躍が残るのみです(『史記Ⅰ 本紀』小竹文夫・小竹武夫訳、ちくま学芸文庫、1995 より)。当時の歴史書に女性の名が残ることが稀であること、将として名が残っていることから考えると、羌瘣は男性だったのでしょう。また、蚩尤だったという記録はありません。

そもそも、蚩尤ですが、『史記』での記述では「戦の神」ととらえられていたことが窺えます。また、山東省から発見された後漢代の墓にて、その壁に描かれていた蚩尤の絵は、神というよりバケモノ? という不思議な姿をしています。

やはり羌瘣は、原先生が歴史の中から引き出し、腕をふるって生み出したキャラクターなのでしょう。

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