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『天官賜福 貮』謝憐と花城が織りなす珠玉の名シーンを辿る

『天官賜福 貮』珠玉の名シーンを辿る|謝憐と花城が再び巡り会う──信頼と絆を深めていくふたりの思いとは?

世界中が熱狂する中華ファンタジーアニメ 『天官賜福』。第1期の続編となる『天官賜福 貮』も日本に上陸し、日本語字幕版が2023年10月より、日本語吹替版が2024年1月より放送・配信されました。

架空の古代中国を舞台とし、主人公・謝憐(シエ・リェン)を巡る八百年の物語を描く本作。壮大なストーリーのなかで描写される細やかな心情、美しいアニメーションと音楽も魅力の人気作品です。

本稿ではアニメ第2期となる『天官賜福 貮』を振り返り、謝憐と花城(ホワチョン)が織りなす珠玉の名シーンを辿ります。謝憐と花城の関係がたっぷりと描かれた美しき世界に、今一度浸ってみませんか?

※本稿にはアニメ『天官賜福』第1期&第2期のネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

目次

謝憐と花城の思いと珠玉の名シーンを辿る

アニメ第1期では、謝憐が任務を遂行するなかで彼の過去の一部が明らかになり、また謝憐に向ける花城の視線やその思いにも注目が集まりました。数日間を共に過ごしながら信頼を寄せ合う謝憐と花城の関係から目が離せませんでしたが、第2期ではふたりの絆がさらに深まっていきます。

表情や仕草、言葉ひとつひとつを一瞬も逃したくないほどに夢中で視聴した人も多いはず。そんな謝憐と花城の心情にも触れながら、珠玉の名シーンを辿ってみましょう。

 

 

鬼王・花城が本当の姿で現る

 
花城が菩薺観を去る前に残していった指輪を首にかけ、その指輪を見つめて思いを馳せていた謝憐。天界の神武殿に招集され、ある神官が救援を求めていることを聞いた謝憐は、風師・師青玄(シー・チンシュエン)と共に鬼界で調査することに。

花城の縄張りである鬼市に潜入した謝憐は賭場に足を踏み入れ、帳の奥にある紅衣の人影に気づきます。花城は第1話のラストで華々しく登場し、さすがの鬼王といった圧倒的な風格を漂わせていました。

 

 

謝憐が師青玄と鬼界に潜入する少し前、神武殿では明光将軍・裴茗(ペイ・ミン)が小裴将軍・裴宿(ペイ・シュウ)の罪を花城に着せようとする一幕がありましたが、謝憐は強く反論しています。この件は裴宿自身が罪を認めて流刑に処され、決着しました。

 
◆『天官賜福』明光将軍・裴茗&小裴将軍・裴宿の情報まとめ

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城主直々に手ほどきする甘美な時間

賭場で謝憐たちと合流する約束をしていた、東方を守護する武神・郎千秋(ラン・チエンチウ)。正義感が強い彼は、博徒の悪辣な心根に憤慨して騒ぎを起こします。城主である花城に攻撃するも、逆に法力を封じられてしまいました。花城は手先を軽く動かすだけで郎千秋に対抗して、彼を動けなくしてしまったのです。

謝憐は郎千秋を助けるべく、花城と一対一の勝負をすることに。すると花城は、謝憐の壺の振り方が正しくないので手ほどきをすると提案します。

 

 
赤い仕切り幕をはさんでのふたりの対面は、非常に甘美なものでした。花城は両手で謝憐の両手を包み込んだまま一緒に壺を振り、優しく優しく言葉をかけていきます。謝憐が視線を上げると、花城はまったく壺を見ずに謝憐だけを真っ直ぐ見つめていました。

たっぷりと時間を使って描かれた謝憐と花城のやりとりは、視聴者を魅了する珠玉の名シーンに。挿入歌の歌詞も美しく、思いの深さに包まれるようでもあり、そこにはふたりだけの時間が流れていました。

 

◆第2話挿入歌「紅簾前」

 

賭場にいる鬼たちも我らが城主の様子に驚愕し、「兄さんだって?」「城主は負けても完璧だな」など最高のリアクションで賭場内は大盛り上がり。

仕切り幕の中から歩み出てきた花城は以前の少年の姿ではなく、「本当の姿で会いに来る」という言葉通り彼は真の姿で謝憐の前に現れました。誰も本尊だとは思わないけれど、謝憐だけは知っているというのもいいですね。

そして賭けの品として食べかけの饅頭を渡した謝憐は、その饅頭をかじろうとする花城と目が合い、その場から逃げるように走り去るのでした。

 

花城の御殿・極楽坊へ招待

 

下弦月使(※)により花城の御殿・極楽坊へと案内された謝憐は、花城との会話を楽しんでいました。指輪のことをたずねる謝憐に、たいして貴重なものでもないなんて花城は言いつつも、謝憐に向けた視線に宿る光が彼の心を物語っているかのようです。

※花城の配下である下弦月使(かげんげっし)の手首には、呪枷があります。彼の正体はいったい何者なのか、呪枷があるということは元は上天庭の神官なのか、今後も注目です。

 

 

「そんなに好き?」「大好きだ」

花城に誘われ武器庫の中に入った謝憐は、数々の見事な武器に心を奪われて顔を輝かせていました。夢中になっている謝憐に「そんなに好き?」と聞いて「大好きだ」と言わせてしまう花城の誘導に、思わず微笑んでしまいますね。しかも、花城はその立派な武器庫をまるごと贈ろうとしており、自ら手入れすることも申し出ていました。

 

 

厄命は謝憐のことが好き

花城の湾刀厄命(オーミン)について、それが不吉な刀であることを天界の第一武神・君吾(ジュンウー)が忠告していたのですが、厄命は謝憐にとっては可愛い存在。

謝憐のことを好きだという厄命は挨拶されて嬉しそうにしていて、「私も大好きだよ」と言われて震えだし、謝憐に撫でてもらいたがっていました。花城は駄目だと言い聞かせていましたが、謝憐に撫でてもらえて厄命はとても喜んでいるようです。

 

 

地師・明儀を救出し、花城と対峙

任務のために潜入している謝憐は、とても良くしてくれる花城に本当のことを話すことができず罪悪感を抱いていました。そんななか極楽坊に忍び込んでいた師青玄と合流し、紆余曲折を経て地下牢に辿り着きます。そこには深傷を負った地師・明儀(ミン・イー)の姿がありました。

師青玄いわく明儀は「一番の友」。天界の五師に名を連ねるこちらの風師と地師は、アニメ第1期では女性の姿で登場していましたね。

 

 

明儀を救出した謝憐と師青玄は、花城がいる武器庫へ帰り着きました。そして明儀が10年ものあいだ花城の配下として演じていたことが判明し、空気を読んだ師青玄がついに攻撃を仕掛けます。

助太刀に現れた郎千秋も花城に挑み、そこへ割って入った謝憐は二手で両者の剣と刀を弾きました。謝憐の優れた剣術にも注目したい場面です。

謝憐たちは、間一髪のところで危機を回避して極楽坊を後に。同時に、時間稼ぎのつもりで起こした火が大きくなって武器庫は燃え上がり、残された花城は炎の中で立ちつくして沈んだ表情をしていました。

 

 
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花城が謝憐を攫いに仙京へ

 
謝憐の剣術に覚えがある郎千秋は、謝憐が芳心国師であると気づきます。かつて永安国の国師と太子として親交を深めた謝憐と郎千秋でしたが、鎏金宴で起きた事件をきっかけにふたりの関係は一変してしまいました。

 

 

禁足を命じられて仙楽宮(※)に籠る謝憐は、炎に包まれた武器庫に佇む花城のことを思い浮かべ、持ち帰った賽子を振ります。

アニメ第2期で、謝憐は天界で南陽将軍・風信(フォン・シン)、玄真将軍・慕情(ムー・チン)と対面しています。風信と慕情はその昔、仙楽国の太子であった謝憐の側で仕えていました。八百年経った今もそれぞれ謝憐を気にかけているようで、仙楽宮にいるかつての主君のもとへ訪れています。

そして風信と慕情が仙楽宮で争いを始めるなか、門が破られてその先に広がる暗闇の中から無数の銀の蝶・死霊蝶が舞ってきました。こちらも目を奪われる名シーン。風信と慕情が必死に死霊蝶の攻撃に耐えるなか、暗闇から花城が姿を現して謝憐を攫っていきました。花城が言うには、謝憐が望めば賽子でどの目が出ても花城に会えるのだそうです。

※ここで言う「仙楽宮」は、君吾が仙京の一等地に謝憐のために建てた宮観で、かつての謝憐の殿とそっくりにつくられています。君吾は、何かと謝憐を気にかけているようです。

 

 

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「久しぶりだな諸君 息災かな」

謝憐が攫われ、通霊陣で叫ぶ風信に慕情も参戦して騒ぎになるなか、ふいにある者の声が響き渡りその場は静寂に包まれました。神官が恐れを抱く花城が、謝憐を通して通霊陣に入ってきたのです。

「久しぶりだな諸君 息災かな」と神官たちに向けた花城の第一声の破壊力は凄まじく、反響の大きかったシーンのひとつです。続けて流暢に言葉を並べて宣戦布告をして、彼は通霊陣を去りました。いかにも鬼王らしい態度をとった花城でしたが、そのあと謝憐の前で見せる表情とのギャップも見どころです。

 

 

今にも泣き出しそうな顔に

謝憐は、誠実に接してくれる花城に任務のことを隠して騙したこと、極楽坊も武器庫も燃やしてしまったことを謝罪。けれど、花城は傷つけられたのは自分ではなく、自分の攻撃で謝憐に傷を負わせてしまったのだと、今にも泣き出しそうな顔で訴えかけています。

そんな花城に謝憐は、怪我をした右腕はもう大丈夫だと言い、自分から迎撃してこんなことになったわけだから花城のせいではないと言います。それを聞いた花城は顔を背け、よく見ると彼が持つ厄命は震え出しており、その目はウルウルと泣いているようでした。

 

<次ページ:青鬼戚容の根城~ラストシーンへ>
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