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『響け!ユーフォニアム』解説記事|音楽用語で久美子たちの気持ちがわかる?

シンコペーションって何!? 音楽経験者は爆上がりし、悶絶する……これからもgrandiosoに『響け!ユーフォニアム』! 各話タイトルに潜む音楽用語から物語を見る!

ついに主人公・黄前久美子たちの最後のコンクールが描かれるTVアニメ『響け!ユーフォニアム3』。彼女たちの青春の最終楽章が、2024年4月より放送中です。

北宇治高校吹奏楽部を舞台に、高校生たちの成長や人間模様をリアルに描く本作。吹奏楽部のあるあるネタや、作中に流れるおなじみの吹奏楽曲などに、吹奏楽経験者は惹きつけられています。

また、吹奏楽が未経験であっても、久美子たちがぶつかる壁に共感する方も多いのではないでしょうか。音楽経験の有無は関係なしに、様々な楽しみ方ができるのが本作の魅力のひとつです。

しかし、本作の各話タイトルだけは別! ガッツリと音楽専門用語が使われているので、聞き馴染みのない言葉が並んでいることもしばしば……。

ですが、音楽経験者はこの各話タイトルこそ一喜一憂するポイントなのです。各話タイトルに何度心を踊らされ、けちょんけちょんにされたことか……。音楽用語の意味がわかるからこそ、次回の展開が少し読めてしまうのです。

ということで今回は、各話タイトルに登場する音楽用語を一挙解説! これを見れば、『ユーフォ』のストーリーがもっと深くなる!

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響け!ユーフォニアム3
高校3年生になり、部員90人超となった北宇治高校吹奏楽部の部長に就任した、黄前久美子。久美子たち3年生にとっては最後となる吹奏楽コンクールを控え、練習にも熱が入る。悲願の「全国大会金賞」は達成できるのか? 部長として踏み出した久美子、高校生活最後の熱い青春を描く!作品名響け!ユーフォニアム3放送形態TVアニメシリーズ響け!ユーフォニアムスケジュール2024年4月7日(日)〜2024年6月30日(日)NHKEテレにて話数全13話キャスト黄前久美子:黒沢ともよ加藤葉月:朝井彩加川島緑輝:豊田萌絵高坂麗奈:安済知佳黒江真由:戸松遥塚本秀一:石谷春貴釜屋つばめ:大橋彩香久石奏:雨宮天鈴木美玲:七瀬彩夏鈴木さつき:久野美咲月永求:土屋神葉剣崎梨々花:杉浦しおり釜屋すずめ:夏川椎菜上石弥生:松田彩音針谷佳穂:寺澤百花義井沙里:陶山恵実里滝昇:櫻井孝宏スタッフ原作:武田綾乃監督:石原立也副監督:小川太一シリーズ構成:花田十輝キャラクターデザイン:池田晶子 池田和美総作画監督:池田和美楽器設定:髙橋博行楽器作画監督:太田稔美術監督:篠原睦雄3D美術:鵜ノ口穣二色彩設計:竹田明代撮影監督:髙尾一也3DCG監督:冨板紀宏音響監督:鶴岡陽太音楽:松田彬人音...

そもそもこの音楽用語ってどんなときに使うの?

音楽用語とは、演奏に関する指示や、曲の特徴、学問的研究の成果などを表したもの。音楽についての様々なことを説明するために使われます。

例えば、「f(フォルテ→強く)」や「p(ピアノ→弱く)」など、音の強弱を指定するものもそうですし、アニメファンなら一度は聞いたことのある「ダ・カーポ(曲のはじめに戻って演奏する)」も音楽用語のひとつ。本稿タイトルに使用した「grandioso」も、「壮大に」を意味する発想記号です。

言わば音楽用語は「こうやって演奏してほしい!」という作曲家の思いそのもの。このような用語や記号が、演奏の基盤となる楽譜に散りばめられているのです。

今回は、音楽用語がひとつにまとまった音楽用語辞典を参考にします。私も吹奏楽部に所属していたとき、よく使っていましたので、もしかすると同じ経験をした方もいらっしゃるかもしれません。

第1期第3話「はじめてアンサンブル」

最初にご紹介するのは第1期第3話「はじめてアンサンブル」から「アンサンブル」。音楽用語辞典に記載されている用語説明はこちらです。


ensemble【仏】
1:共に、同時に
2:演奏のバランスや統一性
3:重奏・奏


抽象的だなあ……。音楽用語辞典に書かれている単語説明は非常にわかりづらいことが難点だったりします。言葉の意味だけが記載されていると、想像がしにくいですよね。

結局「アンサンブル」はどのような使われ方をするかと言うと、3番の意味で使われることが多いように感じます。

重奏とは、2つ以上の楽器による演奏体系のことを指します。例えば弦楽四重奏は、バイオリン属が4本、ユーフォニアム三重奏はユーフォニアムが3本集まる体系ということ。

複数人が音を合わせること。これが「アンサンブル」です。要するに合奏ですね。

第1期第3話では、久美子たち1年生が入部してからはじめての合奏シーンが描かれます。この頃はまだまだ部としてのまとまりがなかった北宇治吹部。練習途中で帰ってしまう部員や、練習をしないで遊んでいる先輩など(ここも吹部あるあるだったり……)、真面目に取り組んでいるとは言い難い状況で臨むはじめてのアンサンブル……。

ここから、全国大会を目指す北宇治吹部の物語が始まっていくのです。

第2期第3話「なやめるノクターン」

次にご紹介するのは、第2期第3話「なやめるノクターン」から「ノクターン」。例によって音楽用語辞典を参考にします。記されているのはこちら。


nocturnement【仏】
1:夜想曲ふうに


単語はちょっとだけ異なりますが、記載の通り「ノクターン」はしばしば夜想曲と訳されます。有名なのは、フレデリック・ショパンの「夜想曲第2番」。曲名ではピンとこない方も、1フレーズを聞けば「ああ、これか!」となる名曲です。

ショパンの夜想曲に代表されるように、静かで美しい旋律が特徴の曲種。イタリア語の類似単語でnotturnoは、おもに夜、野外で演奏される曲のことを指します。「ノクターン」の大まかな特徴をものすごく簡単に説明すると「夜に野外で演奏されるような、静かで神秘的な曲」といったところでしょうか。

第2期第3話の久美子たちは、吹奏楽コンクール関西大会に向けた夏合宿の真っ最中! スタミナ不足でクオリティが落ちないようにするための10回通し練習が敢行されるなど、練習にもさらに熱が入ります。

そんな合宿の夜、部内のあれこれについて久美子と、久美子のひとつ上の先輩である吉川優子が深夜に語り合うシーンが描かれます。部内の先輩たちに関すること、優子と同じパートで1年生の高坂麗奈の実力のこと、そして優子が昨年、年功序列によってコンクールメンバーに選ばれなかったこと……ぽつりぽつりと語る様子は、夜想曲を連想させます。

「アンサンブル」のように直接的な言及はないものの、場面が連想される各話タイトルとなっていました。

ちなみに、吹奏楽部の合宿はたいてい山奥で行われます。関東の学校では山中湖とか、河口湖とかが主流だったり。大きな音を出しても良い場所となると、似通ってしまうのでしょうか。

<次ページ:あすか復帰へ……「オブリガード」に込められた美しい意味とは>
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