
秋アニメ『MFゴースト2nd Season』連載インタビュー第13回:諸星瀬名役・八代拓さん|「(瀬名は)ふてぶてしいというよりも、本当に素直にまっすぐで」
『頭文字D』の“後継作”である『MFゴースト』(原作:しげの秀一)。2023年に放送されたTVアニメの1st Seasonでは、片桐夏向の「芦ノ湖GT」の予選タイムアタックが行われ、いよいよこれからという最高潮の盛り上がりのなか最終回を迎えました。
そして、続編となる2nd Seasonが2024年10月6日よりスタートし、いよいよ佳境へと突入しています!
藤原拓海の教え子である片桐夏向、フランス帰りの天才・沢渡光輝、そしてMFGの若き「皇帝」ミハイル・ベッケンバウアー。3人をはじめとするドライバーたちが、激戦を繰り広げた芦ノ湖を終え、ついに舞台は真鶴へ。
今回、アニメイトタイムズでは満を持しての登場となった諸星瀬名を演じる、八代拓さんにインタビューを実施! 21話の放送を終えたいま、改めて諸星瀬名への印象や今後の注目ポイント、本作の魅力をお伺いしました。
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物語の緊迫感が反映されていた現場
──原作や台本を読まれた際の感想を教えてください。
諸星瀬名役・八代拓さん(以下、八代):原作を読んでいる時から、モータースポーツの持つ熱量や人と人の繋がり、チームプレイの面白さ、静画とは思えないほどの迫力といったものを感じていたので、純粋に一読者として面白いなと思って読ませていただいていました。
実際に演じるとなった時に考えたのは、ひとつの特徴として基本的にレーサーは孤独であるという部分。もちろん無線というか通信はできるものの、基本的には一人で居ることがほとんどなので。
その孤独の空間や、実際に顔は見えていなくても対戦相手を感じながらスポーツをするのはどんな感じなのかなというのを、すごく想像しながら読んでいました。
──2nd Seasonからの参加となりましたが、収録現場の雰囲気はいかがでしたか?
八代:印象的だったのが、実際にレースが始まってからのシーンの収録です。ひとつひとつの心情であったりとか状況であったりとか、台詞のお尻にかけてアクセルをぐーっと踏んでいく力がこもっていくといった力感とかを含めて、音響監督の三間さんが中心となり、役者一同立ち向かっていくような緊張感というのが現場にあって。
「スポーツってそうだよな、こうだよな」というふうに、わくわくした感情が沸き起こったということをすごく覚えていますね。
──いい意味での緊張感があった現場だったんですね。
八代:そうですね。でも、ピリピリしているということでもなく、役者もそこに向かっていきたい、入っていきたいという意欲的な雰囲気で。(緊迫感のある)そういうシーンだから、そういった空気になっているといった、すごく健康的な状態だなと思っていました。
そういう意味では、ある意味異質かもしれませんが、すごく楽しい。僕自身は、そこまで多く参加させていただいたわけではないんですけれど、それをずっと築き上げてこられたんだなと現場の空気感に漂っていました。
諸星瀬名はひたすらに純粋な人間
──アニメ20話のラストから諸星瀬名が登場しましたが、彼に対する第一印象はいかがでしたか?
八代:単身でカナタのところに乗り込んで行くという、結構ふてぶてしいキャラクターなのかなって(笑)。最初はそう思ったりもしたんですけれど、そのシーンの会話を読んでいたら、ふてぶてしいというよりも、本当に素直にまっすぐで。
自分が思い立ったり湧き出た欲求にまっすぐ取り組んだり、行動に移すキャラクターなのかなという印象を持ちましたし、そこは今も変わらず持っている部分ですね。
──まさしくカナタのライバル、として登場した人物のように感じました。
八代:そうですね。境遇とかも、ある種通ずるものがあったりする中で、性格とか生き物としての質感はちょっと違うと言いますか。似たようなルーツがありながらも、まったく異なる対比も見える。
すごく面白い構造だなと思いますし、最初のレースもそうですが、バチバチなわかりやすいライバルというよりも、お互いにどこかリスペクトしあっているところも、僕は良いライバル関係だなと思いますね。
──実際収録するにあたって、特に意識されたことはありますか?
八代:かける言葉や受け取る言葉を、僕自身もできるだけ素直に受け取り、どれだけ瀬名として素直に返せるかということをすごく意識して、挑戦として臨んでいました。
──20話のカナタに会いに行くシーンも純粋で。本当に挨拶に来たんだなと(笑)。
八代:最初は、道場破りじゃないですけれど「何しに来たんだこいつ」と、なると思うんです(笑)。実際にはただ会いたくて、一目見たくてというところで。
アニメも漫画もそうですけれど、絵を見ていただくと伝わるように、目もすごく綺麗で、まっすぐな目をしていて、そこを汲み取りながら演じました。
自分がやっているレースというものには、すごく愛情と情熱はあるので、そこもただただ純粋で。(カナタとの挨拶シーンも)憧れではなく、同業者としての興味、情熱で素直にというところは意識しましたね。