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『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』から六年生や五年生にファンが夢中になった理由を語る

『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の魅力とは? ファンが勢いよく『忍たま』の深い沼に引き込まれていき、「六年生」や「五年生」に夢中になった経緯を語る!

尼子騒兵衛先生の漫画 『落第忍者乱太郎』を原作としたTVアニメ『忍たま乱太郎』が1993年より放送。戦国時代を舞台に忍術学園で勉強中の乱太郎、きり丸、しんべヱをはじめとした忍たまたちの賑やかな日常を描き、『忍たま』の愛称で子供から大人まで幅広い世代に親しまれています。

そんななか、ファンの間で高い人気を誇る『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』が満を持して映像化し、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』のタイトルで2024年12月20日より劇場公開を果たしました。

本作をきっかけに『忍たま』に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、土井先生と深く関わってきた人たちとの絆に心打たれて涙を流し、そして本作で活躍する六年生たちからも目が離せなくなりました。

それから勢いよく『忍たま』の沼にハマっていき、改めてアニメを視聴したり情報を集めたりの日々。推しが増えていき、キャラクターたちの背景と向き合った上で二度、三度と映画を観ることでより心に刺さり、いつしか五年生にも夢中になっていったのです。

本稿では『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の魅力と併せて、筆者が『忍たま』に引き込まれた経緯を語っていこうと思います。

※本稿には『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』のネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

目次

“兵法に詳しい”人物像を落とし込んだ“忍者の物語”を受け継ぐ見事なシナリオ

まずは今作の鑑賞前に履修しておいた方がいいと聞いて、2011年公開の『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』を視聴。重要なエピソードが組み込まれている上に、“全員出動”のタイトル通りまさに忍術学園総出の登場キャラクターの多さです。

個人的に勉強してから観直すと、ここは委員会でまとまっているんだなと楽しめたり、キャラクターの特性や関係性に加えて映像の隅々まで芸が細かくて、何度も一時停止してじっくり観てしまうほどの面白さ。原作やアニメのように愉快なドタバタの雰囲気も引き継いでいます。

一方で、今作の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は、『忍たま』らしい笑いを織り交ぜつつも“忍者”のシビアな世界にも踏み込んでいました。

『落第忍者乱太郎』はギャグ漫画として読者を楽しませてくれると同時に、忍者作品としての根幹があります。著者の尼子先生のお話によると、『万川集海』という江戸時代初期に書かれた忍術の本や、時代考証家の名和弓雄先生の著作を参考にしているのだそうです。

アニメで忍術などの解説が入るのもお馴染み。例えば「五遁の術」は逃げる方法(遁法)を火、水、木、金、土の5つに分類したもの。今回の映画でも六年生が天鬼から逃げるために宝禄火矢を爆発させたのは「火遁の術」の一種なのだとか。登場する忍術は実際に名前が残っているものというのも面白いところです。

また兵法に詳しいことでも知られる土井先生ですが、『落第忍者乱太郎公式キャラクターブック 忍たまの友 天之巻』に、中国の代表的な兵法書『武経七書』(『孫子』『呉子』『尉繚子』『六韜』『三略』『司馬法』『李衛公問対』の総称)を授業で教科書として使っているとの記述もあります。

その“兵法に詳しい”という人物像を落とし込みつつ“忍者の物語”として楽しませてくれる原作小説の魅力を受け継ぎ、土井先生と深く関わってきた人たちとの絆を愛情たっぷりに描く映画のシナリオも本当にお見事。さらにアクションシーンが見応え抜群で、忍者って格好良い!と純粋に大興奮しました。
 

『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』本予告

 

各々の思いや思惑が重なる多層的な面白さ

タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門との決闘に向かった土井先生。その後消息を絶ってしまい、密かに山田先生と六年生らによる土井先生の捜索が始まりました。情報を得てドクタケ忍者隊の詰所へと向かう六年生の前に、突如としてドクタケ忍者隊の軍師・天鬼が姿を現したのですが、その軍師の顔は土井先生と瓜二つだったのです。

後に山田先生、六年生、五年生らが土井先生の居所を突き止めようと動く一方で、きり丸からことの経緯を聞いた一年は組の生徒たちも独自に土井先生の捜索を開始していました。物語は分かりやすくもありながら単純なものではなく、タソガレドキ城の存在がさらに作品の厚みを増しています。

 

雑渡昆奈門からも目が離せない

タソガレドキ忍軍は実力者揃いで、特に忍び組頭の雑渡昆奈門の能力は超一流。普段ドクタケ城のことはそれほど驚異に感じていないタソガレドキ城ですが、天鬼という最強の軍師の登場により昆奈門にとって神経質にならざるを得ない状況に。

昆奈門もまた知れば知るほど魅力的で、部下にすごく慕われていること、六年生の善法寺伊作や一年生の鶴町伏木蔵をはじめとした保健委員との親しい関係も微笑ましいもの。

しかし昆奈門はあくまでタソガレドキ城の人間。忍術学園に対して中立の立場をとっているとはいえ、状況によっては容赦のない行動をとる存在であることを警戒しなければならないのです。

 

 

土井先生ときり丸、山田家との家族のような絆

かつて山田先生一家が土井先生を救って迎え入れてくれたことから縁が始まり、土井先生はやがて自身と同じような境遇にいる戦争孤児のきり丸に手を差し伸べて、今では家族のような関係に。

きり丸のたくましさは、戦乱の時代に孤独を強いられた彼の生きぬく術なのかなとも思えます。父のような兄のような存在となった土井先生は、そんなきり丸にとって大切な“帰る場所”。土井先生にとってもきり丸の存在が救いになっていて、きり丸の不安や心配、“土井先生に会いたい”気持ちに私も幾度となく涙しました。

 

 

死と隣り合わせとも言えるシビアな忍者社会ですが、人と人との絆がとても温かい。土井先生と家族のような絆で繋がる山田家も非常に重要な存在です。

山田先生は天鬼を狙うかもしれない昆奈門を足止めするよう息子の利吉を行かせるわけですが、危険なら無理はしないようにと我が子を心配する親心を見せています。利吉はというと、兄のように慕う土井先生のために行動していました。

土井先生に会いたい者、天鬼の命を狙う者、それを阻止したい者。多層的に感情を描きながら物語はクライマックスへ。各々の思いや思惑が入り混じり、緊張感が高まっていきます。それにしても山田先生、格好良かったですね。

 

 

山田利吉と土井先生の思い出

映画のクライマックスで浴びた利吉の尊い言葉は鑑賞後も引きずり、その後いくつかアニメを視聴。利吉に関連するエピソードはたくさんありますが、アニメ第30シリーズと第32シリーズの尼子先生のプロット回のうち「思い出した手当ての段」「イライラするの段」など、土井先生との思い出シーンにも昇天しました。

 

 

利吉推しの方は1996年公開の『映画 忍たま乱太郎』もぜひ。一年は組の生徒や女装した山田先生(伝子さん)、土井先生(半子さん)、そしてドクタケ忍者に盗まれた巻物を取り戻す忍務にあたる利吉も活躍。ドクタケ忍者に扮した利吉にドキドキしてしまいます。

 

<次ページ:「六年生」&「五年生」について語る>
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