
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』感想&考察をネタバレ全開で語る。マチュの設定と年齢には、とあるキャラクターとの共通点も?
シャリアとシャアの出会いを契機に、大きく展開を変えていく一年戦争
大きな変化が起こるきっかけの一つとなったのが、木星帰りのニュータイプであるシャリア・ブルの存在でした。
シャリアは元の『ファースト』の時から登場していて、ギレンの命令でキシリアのニュータイプ部隊に送り込まれたという立場や、ニュータイプとしてシャアと言葉を交わす流れもほぼ同じです。ただ、『ファースト』でのシャリアは、シャアと話した後にすぐ新型のモビルアーマーであるブラウ・ブロのテストのために単独での出撃を志願し、アムロの乗るガンダムと交戦して撃破され、わずか1話で退場しています。
実はこの時のシャアは、「ギレンとキシリアの間で悩み、死に場所を追い求めている」というシャリアの真意を見抜いて、あえて1機の護衛もつけずに出撃を許可するという、ある種見殺しにもしたような対応をしているんですね。
言葉通りに取ることもできますが、この時のシャアは既にララァ・スンや、アムロといったニュータイプと出会っていたので、シャリアはそこまで特別な存在ではなかったこと、サイコミュを搭載したブラウ・ブロとガンダムを戦わせて、アムロがどんな対応をしてくるかを、ララァとエルメスを実戦に参加させる前に試しておきたかったという意図もあったんじゃないかと自分は推測しています。
対して『ジークアクス』では、シャアはアムロともララァとも出会っていないので、シャアにとってシャリアは、初めて出会った自分以外のニュータイプということになり、同志として共感を抱いたという違いがあったのではないかなと。結果、シャリアが死亡せず、シャアの右腕として動くことになるという変化が起きています。
富野由悠季監督が執筆した小説版だと、シャアの理想にシャリアが共感して同志になるという、『ジークアクス』でのシャアとシャリアに結構近い関係性がすでに描かれていて、二人の関係性はこのあたりが元ネタになったのではないかとも考えられます。
そして一年戦争を変えたもう一つの大きな要因が、シャアが乗る赤いガンダムの存在。
実は赤いガンダムというのは、『ギレンの野望』シリーズなどのゲームで“キャスバル専用ガンダム“として古くから存在しているので、結構馴染みのある概念ではあったのですが、ほぼアムロの乗ったガンダムの色違いに近いキャスバル専用ガンダムと違い、本作の赤いガンダムはサイコミュ兵器(ビット)を搭載していて、明らかにキャスバル専用ガンダムよりもヤバい機体になっています。
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自分が知る限りだと、本来の宇宙世紀ではMSに完全無線型のビット(ファンネル)を搭載できるようになったのは、8年後の『Z』の時代のキュベレイの頃のはずなので、サイコミュ関連の技術がかなり前倒しで発展しているんですよね。
このあたりは、キリシアが作中で言及していたグラナダの基地に保管されていた“シャロンの薔薇”と呼ばれる存在が影響しているんじゃないかなと。そもそもキシリアがフラナガン機関を設立してニュータイプの研究を進めたのが、“シャロンの薔薇”と呼ばれる何かを発見したことがきっかけになっている可能性も考えられます。そうなると、我々が目にした「シャアがガンダムとホワイトベースを奪った」のとはまた別のタイミングで、歴史の分岐が発生していた……というケースも十分ありえそうです。
この後、追い詰められた連邦はグラナダへのソロモン落としに踏みきり、ザビ家打倒を目論むシャアはそれに乗っかろうとするわけなんですけど、事態はシャアの思惑すらも外れて、“ゼクノヴァ”という謎の現象によりソロモン落としは防がれ、シャアも行方不明になります。このあたりの流れは『ファースト』ではなく、『逆襲のシャア』での“アクシズショック”を連想させるような展開にもなっていて、赤いガンダムに搭載されていたアルファ・サイコミュは、サイコフレームに近い代物なんじゃないかという気がします。
あとは、ビグ・ザムがドズルの言葉通り本当に量産されてルナツーを押しつぶしていたり、さりげなく『ファースト』でビグロやザクレロのパイロットだったトクワンとデミトリーがシャアの部下になっていたり、言及したいところを挙げていくとキリがないんですが、個人的に面白かったのが、展開がまったく違うにも関わらず『ファースト』の名シーンを再現するかのような構図の演出がこれでもかとぶち込まれていたこと。
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シャアが最初にガンダムを動かすところは、アムロが最初にガンダムを起動させる“ガンダム、大地に立つ”シーンそのものでしたし、その後のガンキャノンのコクピットをサーベルで破壊したカット、連邦側のガンダムであるRX-78-1と戦った時にシャアがキックを入れたカットなど、徹底して『ファースト』の1シーンを再現した構図が入ってくるんですよね。
このあたりは、庵野監督が手掛けた『シン』シリーズを連想させるような要素にもなっていて、「めちゃくちゃ庵野監督っぽいなぁ」と思ったりしていたんですが、前半部分は庵野監督がほぼ脚本を担当していたと見終わった後に知り、大いに納得した記憶があります。












































