
ビックリ箱でもあり“性癖のるつぼ”でもある。どこか縁を感じる一本の筋が通ったドラマーードラマCD「腐男子召喚~異世界で神獣にハメられました~」第2巻 合津原琴音役・石谷春貴さんインタビュー
聴きどころは凪と琴音の“入れ替わり”シーン
――先ほど収録の話が少し出ましたが、現場はどのような雰囲気で進んでいたのでしょうか。
石谷:佐藤さんがとてもフランクな方なので、僕も自由にやらせていただいています。佐藤さん演じる凪がしっかりと収録をまとめてくれているというイメージで進んでいますね。これは音響スタッフさんも含めてですが、お互いの呼吸がある程度分かっているので、たとえ台本が分厚くても「ああ、大丈夫だろう」と思うぐらいの信頼感があります。
先生も収録現場に来てくださって、「ありがとうございます」とおっしゃっていただいたのですが、「こちらこそありがとうございます」という気持ちでいっぱいです。
――第2巻のエピソードの中で、特に「ここが聴きどころ」という場面はありますか?
石谷:「入れ替わり」のシーンでは、(佐藤さんと)2人ですごく苦労しました。一発OKでできたけれど、収録の時に「どうすればいいですか?」と悩んだところです。
お互いのお芝居を第1巻から聴いてきていて、その積み重ねがあったから一発でできたことで、普通だったら、時間内に終わらないんじゃないかと思うレベルで難しくて……。
――どういうところに難しさを感じたのでしょうか?
石谷:凪と琴音の声帯は変わらないけれど、芝居が変わる部分が一番難しかったです。
いつもの落ち着いている凪から、突然、琴音のような「なんで?!」みたいな高いトーンの言葉は出てこないので……。佐藤さんもテンションの上下をどこまでやって良いのか探っているところもあり、2人で試行錯誤しながら進めた収録でした。
――ドラマCDとアニメでは、やはり画の有無にも声の表現の仕方に違いが出るのかと思うのですが、その点はどのように捉えていらっしゃいますか?
石谷:ドラマCDは芝居の全てが出ると思っています。アニメだと「ボールド」といって、掛け合いの中で自分の台詞をしゃべるタイミングになると、画面上に明示されるサインがあるのですが、ドラマCDには存在しないため、掛け合いの中で自分で尺を決めてもいいし、口調も自由に調整しても良いんです。だから、僕は台本チェックは細かくせずに、現場で生まれる相手との掛け合いを大事にしています。
そのため、声以外の情報量が多いアニメーションの一方で、ドラマCDは声の情報量を増やすことを特に意識しています。
例えば、起床するシーンがあるとして、アニメなら映像で目をこする動きや寝ぼけた表情があるから「おはよう」ってシンプルに言えば成立します。でも、ドラマCDでは効果音(SE)でチュンチュンという鳥が鳴く音はあるかもしれないですが、画がない分、「ふぁあ(あくび)、おはよう」というように大きな表現になっていきます。そこが一番の違いですかね。
――現場で生まれる生の芝居感はドラマCDならではなんですね。
石谷:僕はそういったお芝居が楽しいなと感じますし、一番声優になりたかった理由でもあります。この作品でも、佐藤さんのお芝居を聞いて瞬発的に言葉を返してしまうこともあるのですが、その言葉に対して佐藤さんがまた返してくれるから次の台詞にいきやすいんですよ。
凪のお芝居もですが、佐藤さんはバレーでいうとレシーブをしてくださる方なので、どのシーンの掛け合いもそういった部分があり、やっぱり凪あってこその琴音だなとすごく感じます。
あとは、凪がちょこちょこツッコミも入れてくれますよね(笑)。あのツッコミがいいなと思います。毎回、会話劇として見ている部分が大きくて、どこかの場面が特別というよりは会話のテンポの気持ち良さが心地いいなとこの作品に関してはすごく感じます。
――アドリブは入れられたりしたのでしょうか?
石谷:「琴音」と呼ばれた時に、台本にはないけど「ん?」と軽く返すような、自然な反応としてのアドリブは入れています。
――改めて琴音を演じていて楽しいなと感じられるところを教えてください。
石谷:感情の上下をしっかり表現できるところは、すごく楽しいですね。僕自身、わりと冷静なキャラクターを演じることが多いのですが、琴音は感情の浮き沈みがはっきりしているので、演じていても楽しいです。
飛龍と浅葱の恋愛模様に「早くくっつけ!」
――第2巻では飛龍と浅葱のエピソードもあり、琴音はそんな2人を見守るような立ち位置にいました。「遅咲きの恋の花が芽吹きつつあります」という台詞もあるのですが、この2人の恋愛模様をご覧になっていかがでしたか?
石谷:僕自身はさっぱりと言ってしまうタイプなので、2人を見ていると「早くくっつけ!」って思っちゃいます(笑)。だけど、琴音くんの立場としては2人を俯瞰で見ていて、僕自身も俯瞰で見ているから琴音くんと同じ目線です。
僕の本筋としては琴音くんと凪のカップリングの部分ですが、僕も琴音くんも腐男子みたいな感じで見ている分には、飛龍と浅葱の関係は本当にもどかしくなっちゃいますね。もちろん、そこでドラマが生まれているのは分かっているのですが、「ちゃんと言葉で伝えて!」って思っちゃうんです。でも、その関係性がゆっくりと確定して進んでいくのが、この作品の魅力なのかなとも思います。
(凪と琴音の関係性的に)「早くくっつけ!」はめっちゃブーメランなんですけど……。
――(笑)。凪と琴音は結婚していますが、この2人のカップリングに対する印象もお聞かせください。
石谷:結婚後の方が苦労が多いですよね。やっぱり凪が言葉足らずなので、「もっと言ってよ!」って思うことが多いです(笑)。結婚をする前から「結婚してから関係が深まっていくんだろうな」という感じがすごく強くて。
凪のミステリアスな部分を、驚きながらも琴音が「なんで?!」「まあいっか」「なんで?!」「まあいっか」の繰り返しで受け入れていくんだろうなという雰囲気がありましたし、それが2人の関係性なのかなと。
――タイトルからも分かるとおり、腐男子・異世界・神獣というさまざまな要素がある本作の魅力的に感じる部分や面白いと思う部分を教えてください。
石谷:誰かの“性癖”には確実に刺さる、というところが一番かな? だけどそれだけではなく、しっかりと一本の筋が通ったドラマとしても面白いんです。
それでいうと原作漫画のロゴデザインも好きで、横の一線が巻数を横に並べると一直線に繋がっているんですよ。これは全部、「この作品は地のところで繋がっているよ」ということを表現しているみたいで、“縁(えにし)”みたいで僕は好きですね。横に並べた時に「良いなぁ」ってずっと思っていました。
異世界転生ものはたくさんありますけど、そこに腐男子という要素と組み合わせたのも面白いと思うポイントです。しかも、現代のデジタル機器がない世界でも、これだけ話が成立するんだなと。本当に開けたらビックリ箱というか、開けば性癖のるつぼなので、そこがこの作品の魅力です。
――お話いただきありがとうございました! 最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。
石谷:どこかしらに刺さるポイントがあると思うので自分の性癖を確かめるためにも、ぜひ読んでほしい、聴いてほしいです。
原作片手にドラマCDを聴くのも楽しいと思いますし、BLの入門編としてもおすすめです。もちろん、玄人の方々も存分に楽しめる内容になっていますので、ぜひ皆様よろしくお願いいたします!
そして、これまで応援してくださった方も、これからの物語を楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いいたします!
[取材・文/笹本千尋]
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