
巨大化ガンダム、シャアの変身など、完結した後だからこそ語れる『ジークアクス』の制作裏話|『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』再上映記念!舞台挨拶レポート
ゲルググへのこだわりと、シャア専用機が登場した経緯
モビルスーツへのこだわりの話題では、鶴巻監督が「ゲルググ」への熱い思い入れを披露しました。
「劇場公開時のインタビューでも“好きなモビルスーツ”としてゲルググの名前を挙げていたのですが、最終回でようやく思う存分登場させることができました」と鶴巻監督は語ります。
細部へのこだわりも強く、「公式設定ではビーム・ナギナタは黄色なんですが、(『ファーストガンダム』第41話の)映像では青白く見える。だから今回は“青白”にこだわって、土壇場でリテイクをお願いしました」と、制作現場でのエピソードも明かしてくれました。
さらに、最終話のシュウジの回想シーンに登場した“赤いモビルスーツ”についても触れ、「短い尺で複雑な背景を伝えるために、モビルスーツのデザインでガンダムの多様な世界観を表現しようと考えたんです」と語ります。
「ヅダなんかも登場していますが、あれは半分おふざけです(笑)」と、制作陣の遊び心ものぞかせました。
鶴巻監督が、黒沢さんに求めたもの
アフレコ現場の雰囲気について、マチュ役の黒沢ともよさんが当時の様子を振り返りました。
「スタジオに入った瞬間から、ガンダムに詳しい先輩方が“どうなってんだよ!”って盛り上がっていて(笑)。誰かが”これ、何なんですか?”って聞くと、すぐに3人くらいの先輩が一斉に説明を始めるんです。まるで放送後のネットの盛り上がりが、そのままアフレコブースで再現されているようでした」と、世代を超えた熱量の高さを語ります。
収録時のディレクションについては「明確な指示というよりも、”ちょっともう一回”、“やっぱりもう一回”みたいな感じが多くて。私の方から”こういう感じでしょうか?”と提案すると、鶴巻監督がずっと頷いてるんです(笑)」と、少し戸惑いをにじませながら振り返ります。そして、「今日は非常にドキドキしています」と、本音を明かしました。
一方の鶴巻監督は、アフレコに関する“反省”と“狙い”を率直に語ります。監督は「キャストトークで、いろんなキャラクターを演じた方が“よくわかんないです、私このキャラクターのこと”みたいな話をされて、結構ショックだったんです」と率直な胸の内を明かしました。
鶴巻監督は、ご自身の「説明しすぎてしまう」癖に触れつつ、今回もその癖が出てしまったと後悔していたものの、後に「よくわからなかった」という話を聞いてさらにショックだったと打ち明けました。しかし、それは意図的な演出でもありました。
とくにマチュというキャラクターは、「各話で言うことが違ったり、矛盾することを言っちゃったりする」ように作られていたと明かします。「若い子って、目的に向かって一直線に進むというのはむしろ大人の考え方だと思っていて。昨日言っていることと違うじゃん、みたいなことをやらかすのが若い世代の印象なんです」と、鶴巻監督自身の若者に対する印象を投影していることを語りました。
そのため、マチュはキャラクターとして「一種の分裂状態」にあると言及。鶴巻監督は「僕の中では1話のマチュと5話のマチュは、同じキャラクターなのかと思うぐらい分裂している」とまで語り、「それを黒沢さんの演技の中で統一が取れていれば、それでマチュというキャラクターは成立する」と、黒沢さんに全幅の信頼を寄せていたことを明かしました。
これを聞いた黒沢さんは思わず「それ、2年前に聞きたかったです!」とツッコミを入れ、会場は温かい笑いに包まれました。













































