アニメ
『アニメCITY』にーくら役・豊崎愛生インタビュー

「CITY THE ANIMATION」にーくら役・豊崎愛生さんインタビュー 「あらゐけいいち先生の作品が大好きで、決まったときは本当にうれしかったです」

 

わこちゃんは何に対しても楽しいが詰まっている

──#1でのにーくらの登場シーンはモクメセイ荘での南雲とのやりとりでしたが、南雲役の小松未可子さんと掛け合ってみていかがでしたか?

豊崎:そこまでの関係値がすでに出来上がっている二人なんだな、ということを見た人に感じてほしいなとは思っていましたね。どうしようもない先輩に呆れつつも、でも、二人でいることが心地いいんだろうなという雰囲気が伝わるような会話劇にできたらいいなと思っていたので、できる限り力を抜いて収録に臨みました。

未可子ちゃんとの共演は今までもあったので、安心感がすごかったし、リラックスしているようなシーンも生っぽくというか、気の置けない関係なんだろうなと思ってもらえるようなお芝居になったと思います。この後の話数でもプロレスしたりとか、激しくツッコんだりとか、テンション高いやりとりがあるんですけど、未可子ちゃんが演じる南雲はにーくらの勢いをさらに超えてくるようなお芝居で戻してくれるので、一人で練習しているよりも未可子ちゃんの本番の声を聴きながら演じるのがすごく楽しかったし、より二人の関係値が深いものになったなって。その説得力というか、そういう雰囲気が今後も出せていけたらいいなあ、なんて思います。

 

 

──#2でにーくらと南雲がわこと出会って、これ以降、3人で行動する場面が多くなっていきます。

豊崎:わこちゃんはマイペースというか、ゴーイングマイウェイというか、自分というものがあってブレない人なので、にーくらと南雲がワチャワチャしているのを「あははははは!」と言ってずっと見ている。(石川)由依ちゃんが演じてくれるわこちゃんが、いい意味で南雲とにーくらの芝居に引っ張られずに、どっしりと真ん中にいてくれるので頼もしいというか、だからこそ二人が暴れられる感じがすごくありますね。

あと、わこちゃんは何に対しても楽しいが詰まっているので、「CITY」を象徴するような人柄というか、わこちゃんみたいな人ばかりだったら世界は平和になるよなあって。ピュアだし、何に対しても絶対に否定をしないんですよね。もちろん「そんなわこちゃんが!?」みたいなシーンもこの後の話数であるんですけど、基本的にはブレなくて。でも、これだけキャストの人数がいて、みんなのお芝居を浴びて、それを貫くのって難しかったりするんですよ。どうしてもどこかに引っ張られたりとか、自分も便乗したくなったりとかいうのがあるんですけど、由依ちゃんはわこらしさをずっと貫いてくれていました。

私は後半、鶴岡さんに「ちょっと今日、スタンダードなにーくらの声がわからなくて」と言ったら「もう豊崎でいいよ」と言われたくらいなので(笑)、ずっとかわいいわこちゃんでいてくれた由依ちゃんには本当に感謝です。

 

 

──高校時代のにーくらが南雲に憧れていた話も#2で描かれました。

豊崎:にーくらにとっての南雲さんはある意味カリスマで、当時は直接話したこともないだろうし、遠くから見ているアイドル的存在というか、でも、「キャー!」みたいな感じともまた違ったスターというか、ヒーローというか、きっとそういうイメージで見ていたんだろうなって。友達になりたいとかもなくて、本当に憧れだったので、今の南雲さんを見ていろいろと思うところがあって。今後の話数にもつながっていくんですけど、ちょっとした悔しさというか、一番かっこいいところを知っている分「そんなもんじゃないだろ?」みたいな部分が根底にあるんでしょうね。

だからこそ、呆れたように接するけど、ずっと好きだし、リスペクトの気持ちがあるんだろうなと思います。「なんでこんないつもケンカみたいな感じになるのに、ずっと一緒にいるんだろう?」の理由がここでしっかり描かれるので、皆さんにも納得してもらえる部分なのかなと思いますね。

 

 

──#2ラストではにーくらの脳内の悪魔たちが登場します。このシーンの収録は大変だったかと思いますが、収録時のエピソードや感想をお聞かせください。

豊崎:楽しかったです(笑)。大変とかでは全然なかったんですけど、(実際にアフレコで使用した書き込みがいっぱいの台本を広げて)台本はこのように非常にカラフルに仕上がりました(笑)。私はパっと見て視覚でわかるように色分けをするようにしていて、ほかの作品でも兼ね役がいっぱいあるときは「この子は赤でマークする」「この子は青でマークする」というふうにやっているんですけど、これに関してはキャラ分の色があるので、すごくカラフルな台本に仕上がっていますね。

収録の前の週に台本をもらったときにキャラの絵も一緒にいただいていて、それがすごく分厚くて何でだろう?と思ったら、出てくる悪魔分の設定画を付けていただいていて。あ、今回は出ていないんですけど、実はもう一匹いて今後出てきますので、お楽しみに(笑)。

このシーンは台本で見たときから一発録りしたら面白いだろうなと思っていて、でも普通は別録りになることが多いから、別々になるだろうなと思いつつもテストのときは1回全部一気にやってみようと思って準備していったんですよ。みんながそれを見て笑ってくれたらいいな、くらいの気持ちで。実際やったら皆さん笑ってくれて、そのまま本番も一気にやることになって。やっぱり「汗をかく」というテーマだし、そもそもこのシーンの悪魔は全部がにーくらから出てきているわけなので、セリフが被ることもない(=別録りにする必要もない)ということで一気に挑戦してみました。そこも含めて皆さんに楽しんでいただけていたらいいなあと思います。

一説によると、この回があったことによって今後の回で光岳役の福山(潤)さんが同じ方式で収録することになったらしく、それに関しては前例を作ってしまってすみませんという気持ちですが、見ていて本当に楽しかったです(笑)。

 

 

──ほかにも#1、#2で好きなシーンはありますか?

豊崎:いっぱいありますけど、アヒル口のシーンですかね。ここも楽しかったです。「よいしょっと!」の言い方もにーくらと南雲でバリエーションが違うので、皆さんもぜひいつかやってみてほしいです。みんながこの「愛され力」を勘違いしているのが私はじわじわ面白くて。今後また「週刊CITY誌」を作っている編集部の話もあるので、それを知ってから見ると「週刊CITY誌」に書かれている内容にどれだけ信ぴょう性があるのかとかも含め、面白ポイントなのかなと思います。#2は濃かったですね、にーくら的には。

──今後の放送へ向けて、ファンの方へのメッセージをお願いします。

豊崎:日曜日の夜に最速放送があるということで、翌日またお仕事だったり学校だったり、夏なので夏休みの方もいらっしゃるかもしれないんですけど、リアルの世界で暮らす皆さんにとって日曜の夜に見たこの「CITY」で笑いとか元気とか生命力とかを補充していただくことで「明日頑張ろう!」って思ってもらえるようなアニメになっているかなと思います。ぜひぜひこの「CITY THE ANIMATION」を見て、いっぱい笑顔になって、そして元気になって、月曜日からまたそれぞれの日常にこの「CITY」がつながっていくというか、そういうふうになったらいいなと思っています。

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『CITY THE ANIMATION』作品情報

 

キャスト

南雲美鳥:小松未可子
にーくら:豊崎愛生
泉わこ:石川由依
真壁鶴菱:川原慶久
真壁立涌:入野自由
真壁まつり:七瀬彩夏
雨飾えり:田所あずさ
泉りこ:和久井優
安達太良博士&安達太良の父:子安武人
安達太良の母:浅野まゆみ
安達太良達太:KENN
安達太良良太:猪股慧士
安達太良かもめ:林鼓子
安達太良うみ:福嶋晴菜
安達太良そら:天麻ゆうき
鬼カマボコ:宮崎遊
轟:鈴木崚汰
オババ:山本和臣
いい人:水内清光
タナベ菫桜子美:後藤邑子
穂高:土門仁
光岳伸晃:福山潤
帯那林道:金子誠
黒金大和:髙坂篤志
ナレーション:大塚芳忠

スタッフ

原作:あらゐけいいち『CITY』(講談社「モーニング」所載)
監督:石立太一
キャラクターデザイン・総作画監督:徳山珠美
美術監督:山崎詩央里
色彩設計:宮田佳奈
撮影監督:植田弘貴
3D監督:加瀬達規
音響監督:鶴岡陽太
音楽:ピラニアンズ
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:CITY THE ANIMATION 製作委員会

主題歌

OP:「Hello」Furui Riho
ED:「LUCKY」TOMOO

(C)あらゐけいいち・講談社/ CITY THE ANIMATION 製作委員会
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