「野球もアニメも、ファンの方々にとっては単なる娯楽ではない」これからのベルーナドームは「大切なものを支える場所」へ──埼玉西武ライオンズ×アニメイトタイムズ特別インタビュー・球団広報担当社員に聞くアニメと野球の近似性

一心にボールを追いかけ、一瞬にすべてをかける──グラウンドで繰り広げられるアツい戦いで、私たちに勇気や希望をもたらしてくれるプロ野球選手は“憧れの象徴”とも言える存在です。

その裏側には、情報をファンに届けるプロフェッショナル「球団広報」の存在があります。数々のアニメコラボで話題の埼玉西武ライオンズは、一体どのような戦略や想いでファンと向き合っているのでしょうか。

そこで今回は、埼玉西武ライオンズの球団広報担当社員にインタビューを実施。普段は知ることのできない仕事の裏側から、現代の「推し活」文化を捉えた緻密なアプローチまで、詳しくお話を伺いました。

プロ野球選手・西川愛也さん×山田陽翔さんが大好きなアニメ・漫画を“圧倒的至近距離”で語りまくった1時間──「こんなに趣味のことをお話しする機会も中々ない」「楽しすぎて一瞬で終わっちゃいました」【埼玉西武ライオンズ×アニメイトタイムズスペシャルインタビュー】

一心にボールを追いかけ、一瞬にすべてをかける──グラウンドで繰り広げられるアツい戦いで、私たちに勇気や希望をもたらしてくれるプロ野球選手は“憧れの象徴”とも言える存在です。そんなプロ野球選手の中にも、アニメ・漫画を愛す生粋の“オタク”がいるハズ……。プロ野球選手のことをアニメ・漫画の視点から知りたい。プロ野球選手のプライベートな「好き」をもっと知りたい！そう考えたアニメイトタイムズ編集部は今回、埼玉西武ライオンズの西川愛也（にしかわまなや）選手と山田陽翔（やまだはると）投手にインタビューを実施！自他ともに認める「アニメ・漫画好き」であるお二人が語る、ご自身の「好き」が溢れて止まらない！　“圧倒的至近距離”で繰り広げられたスペシャルトークをお楽しみください。ベルーナドームで圧倒的至近距離を体験しよう！お互いのプレイヤーとしての印象は？──まずは自己紹介をお願いします。西川愛也選手（以下、西川）：埼玉西武ライオンズ、背番号51番、外野手の西川愛也です。山田陽翔投手（以下、山田）：埼玉西武ライオンズ、背番号36番、ピッチャーをやっています。山田陽翔です。──本日はどうぞよろしくお願いします。まずはお互いの印象からお伺いできればと...

「球団広報」の仕事って？

──「球団広報」とは、どのようなお仕事なのでしょうか？

埼玉西武ライオンズ・広報担当社員（以下、ライオンズ広報）：最も分かりやすいところで言いますと、広報部にはチーム全般の広報活動を担当する「チーム広報」がいます。

一方で、私が担当しているのは「事業広報」というパートです。チーム関連の広報活動ではなく、西武ライオンズが運営するさまざまな事業についての広報活動を行います。例えば、先日一軍試合開催日に『クレヨンしんちゃん』とのコラボイベントがありましたが、その際に「どのようなコミュニケーションをとってイベントを周知していくか」を考えるのも事業広報の役割になります。また野球興行時だけでなく、当社が自主興行としてベルーナドームで開催する「ライオンズ夏祭り」のような地域イベントの広報活動も事業広報の業務のひとつです。

──「広報」と聞くと、SNS運営などのイメージもあります。

ライオンズ広報：おっしゃるとおり、SNS運用も広報部で行っています。ライオンズでは、事業広報で公式SNSを運用しています。

その他にも、ライオンズの広報部の中には、球団のオフィシャルサイトを運用するウェブ担当や、駅の装飾物などのグラフィックや広告などを担当するブランドデザイン担当がいます。

各球団で広報部の体制は異なりますが、基本的に広報の役割は「チーム広報」と「事業広報」に分けられることが多いと思います。

──「事業広報」担当者としての1日のスケジュールを教えてください。

ライオンズ広報：試合日の場合、基本的には、デーゲームかナイターかといった試合スケジュールに合わせて出勤します。

打ち合わせやプレスリリース作成以外に、試合前に、今回のようなご取材に対応する場合もあります。グルメの撮影や応援風景の撮影など、取材テーマごとに各部署と連携し、私たちが帯同しながら撮影対応を行います。

SNSチームの場合は、練習風景の撮影、公開予定動画の撮影・編集作業、試合速報対応などがありますが、その日に始球式やセレモニアルピッチ（※）が予定されている場合は、ご登場いただく方のピッチング風景などの撮影をさせていただき、YouTubeで公開させていただく場合もあります。
別のチームはゲストの囲み取材の手配や対応、コメントの配信などに向けて動きます。

（※試合開始前にゲストがマウンドに上がり、ボールを投げ込むこと）

──素朴な疑問なのですが、セレモニアルピッチにご出演される方は、どのように決まるのでしょうか。

ライオンズ広報：スポンサー様のご意向による場合もありますが、基本的にはセレモニアルピッチを含むイベント運営を専門に行う部署が広報部とは別にあり、そちらで企画を進めています。

例えば「ライオンズ75周年シリーズ」では「75周年の企画にふさわしいゲストは誰か」といったテーマに基づき、その部署が候補案を出します。例えば、7月14日(月)に開催した試合には、セレモニアルピッチにライオンズのOB選手である中島宏之さんと片岡保幸さんに来場いただいただけでなく、試合後のスペシャルライブとしてCHEMISTRYさんにお越しいただくなど、そのシリーズに「どのようなお客様に来ていただきたいか」「そのためには、どのようなゲストを呼ぶと来場いただくみなさまに喜んでいただけるのか」を考えて選定しております。

──個人的に、一昨年の春頃にベルーナドームで開催された、試合後の郷ひろみさんのライブがとても印象に残っています。

ライオンズ広報：ありがとうございます（笑）。郷ひろみさんのライブも「どのような企画を打ち出し、どのようなお客様をお呼びしたいか」「どうすればライオンズをより身近に感じていただけるか」「どうすればお客様にもっと楽しんでいただけるか」という視点で担当部署が考えていますね。