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『怪獣8号 THE GAME』先行プレイレポート

『怪獣8号 THE GAME』先行プレイレポート|展開されるオリジナルストーリーやキャラクターが魅力! アカツキゲームスのプロデューサー・藤田真也氏へのインタビューの模様もあわせてお届け

ここからは、ゲーム試遊後に行った、株式会社アカツキゲームスのプロデューサー・藤田真也氏へのインタビューをお届けします。
 

アニメ好きが高じて生まれた『怪獣8号 THE GAME』

──『怪獣8号』という作品をアプリゲーム化しようと決めたきっかけを教えてください。

株式会社アカツキ プロデューサー藤田真也(以下、藤田):もともと私がアカツキで色々とオリジナル作品を制作していたのですが、その中で『怪獣8号』のアニメを制作されているProduction I.Gさんとお仕事でご一緒する機会が非常に多かったんです。

彼らが『怪獣8号』のアニメを制作をすることになったと伺い、何か面白い取り組みができないかとお話をしていく中で、 Production I.Gさんから「『怪獣8号』のアニメ化が決まったので、一緒にゲームの提案に行きますか?」とお話をいただいて企画書をお持ちした次第です。

──Production I.Gさんとの関係が生まれた作品とはどんなものだったのでしょうか?

藤田:私がアカツキ内で「FUZI」というクリエイターチームを作って、オリジナルアニメやMVをYouTubeで公開していたんです。

その流れでProduction I.Gさんのグループのウィットスタジオさんとも一緒にオリジナルアニメを制作する機会があり、より近い位置で会話する機会が増えていたのがきっかけですね。

──オリジナルアニメやMVを作っていたとのことですが、藤田さんもアニメはお好きですか?

藤田:完全にアニオタでしたね。放送されているアニメは全部見るようなタイプだったので、実はゲームよりもアニメの方に時間を費やしてきたかもしれないです。それくらいアニメをずっと見ていました。

原作者・松本直也先生が示してくれたゲーム制作の道筋

――ゲーム化に際して原作者・松本直也先生とはどのようなお話をされましたか?

藤田:先生には企画初期からご参加いただいて、それこそゲームオリジナル要素に関してはかなりご意見をいただきました。

先生は制作者のスタンスをかなり尊重してくださる方で、私たちが企画をご提案した時も全面否定することはまずありませんでした。先生からは「こうしたらもっと面白くなるかもしれませんね」とか「こうした方が『怪獣8号』らしくなると思います」といった、ゲームをより良くするためのアドバイスをくださることが多かったです。

今回、アニメ第2期の放送に合わせてゲームをリリースしようと決めていたので、かなり制作期間が短かったんです。それもあって、先生がゲームとも正面から向き合って道筋を示してくださったことは、開発において非常に大事な側面だったと思います。

――制作期間が短いというとどれくらいだったのでしょうか?

藤田:本格的な製作期間は約2年ほどだったんじゃないかなと思います。ゲーム開発の動き出しはジャンルを決めていくことが難しいんですよ。実は、今の形に落ち着くまで全く違うゲームジャンルを考えていたのを方針転換したので、それも入れるとトータルで3年ちょっとの制作期間になりますね。

一概には言えませんが、一般的な大型タイトルであれば3~5年ほどかかるところを、この『怪獣8号 THE GAME』に関しては体感としては通常より6,7割くらいの期間で製作したのではないかと思います。

これに関しては迷いながら作る時間が無かったというのも大きいですね。ゲーム開発では何度も試行錯誤しては作り直すこともありますが、今回はアニメ放送にリリースを合わせたいと考えておりでそれができなかったので、最初の数ヶ月は迷うことはあったものの以降は迷わず一本道で作り上げたのは大きかったと思います。

――松本先生からは具体的にどのようなコメントがありましたか?

藤田:松本先生からはビジュアルに関するお話が多かったですかね。特にゲームオリジナル要素についてはキャラクターの色味、顔、服装などがどうしたら『怪獣8号』らしくなるかといったアドバイスをいただきました。

私たちも一つの案だけを出すのではなく、複数のバリエーションを用意して、どのビジュアルが『怪獣8号』の世界観に違和感なく溶け込めるかを松本先生の視点で確認していただくようにしたんです。

――逆にゲームオリジナル要素を松本先生からご提案いただくことはありましたか?

藤田:先生からはオリジナル要素をご提案いただくというよりも内容を膨らませてアイディアを頂くことが多かったです。

原作には描かれていないことをゲームに登場させるために設定を考えてご提案くださったり、原作キャラに関しては先生の頭の中にはあったけど色々な事情で原作では描かなかった裏話や裏設定をお聞きしてゲームに取り入れることも多々ありました。

――アカツキさんから提案したものを『怪獣8号』の世界観に合うように調整していただくことが多かったんですね。

藤田:オリジナル要素については基本的にそうでした。
漫画の連載やアニメ制作がある中で、ゲームにもかなり時間を割いてくださったので、ご苦労をおかけしてしまったとは感じています。先生や編集部のご協力がなければ、こんなにスムーズに製作を進められなかったので大変感謝しています。

あとはアニメチームからの協力も大きかったですね。今回、ともにゲームの企画・制作を行っている東宝さんやProduction I.Gさんと密に連携させていただけたこと、怪獣や武器のデザインといったアニメ設定が非常に細かく作られていたことは、ゲームにも相当反映されています。

「間口は広く、遊びは深く」にこだわったゲームシステム

――ゲーム内で『怪獣8号』らしく見せるために苦労した点はありますか?

藤田:ゲームってスケール感を最も表現しやすいメディアだと思うんです。今回はわかりやすく怪獣という巨大な存在がいて、キャラクターとは目線が違うじゃないですか。だからゲームのアングル自体が怪獣を見上げるような視点になるので、そのスケール感を表現するのが一番難しかったというかこだわった部分ですね。

――スケール感の話にも繋がりますが「ジャイアントキリングRPG」というジャンルを採用した理由はありますか?

藤田:「ジャイアントキリングRPG」というジャンル名は結構すぐに決まりました。この作品を読んだ時に、怪獣のスケール感はもちろん、主人公がパンチ一発で怪獣を倒すという昨今なかなか見ないカタルシスというか爽快感が作品からにじみ出ていたのが印象的だったんです。

それでいて登場キャラクターたちが劣勢になることが多いんですよね。劣勢になりながらも、最後には逆転して強敵を倒す展開が多いので、弱い者が強い者を倒す「ジャイアントキリング」という言葉と掛け合わせてピッタリだと感じました。

あと、「ジャイアント」という単語から怪獣の巨大な感じも伝わるし、『怪獣8号』という作品をストレートに表現するのに適していると思って名付けています。

――バトルシステムでも巨大な怪獣を倒すためにハラハラさせられる工夫を感じます。相手とこちらの行動の重さ(自ターンまでの時間)が違うことで、どうすれば怪獣の行動を封じて倒せるかを考える必要がありました。このバトルシステムのこだわりについても教えてください。

藤田:間口を広くするように気を付けました。普段はゲームをあまりやらないけどアニメから興味を持った方とかも少なからずいると思うんです。『怪獣8号』という作品をゲームに落とし込む時に「間口は広く、遊びは深く」というゲームを作るために、特にバトルシステムの設計は試行錯誤を重ねました。ただ、我々はゲーム屋なので、その目線で作ると複雑になり過ぎてしまうのを、一歩引いて作品ファンの目線で考えたり、UIでわかりやすく伝えることを目指しています。

このゲームは『怪獣8号』という作品を取り扱っていることを絶対に忘れていけないので、作品を読んだ時に感じるシンプルで分かりやすいストレートな印象を大切にしたかったんです。

タイトル自体が『怪獣8号 THE GAME』とストレートじゃないですか。実はサブタイトルもたくさん考えたんです。でも、原作やアニメの下にゲームが位置するのではなく、横に並び立つ『怪獣8号』のゲームを作りたかったので「ゲームで表現する『怪獣8号』はこれです」という気持ちをタイトルに込めています。

本編に深く関わるオリジナルキャラクターを作りたかった「四ノ宮サガン」の存在

――四ノ宮サガンというキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか?

藤田:アニメや漫画をゲーム化する際に、四ノ宮サガンのようなゲームオリジナルキャラクターはよくある要素ではあると思うんです。でも、そういったキャラクターってプレイヤーから見ると「ゲームの都合で作られたもの」とわかっちゃうんですよ。ゲームを閉じると本編の世界には存在しないキャラクターになってしまうのをやりたくなかったので、今回は『怪獣8号』のど真ん中をいきたかったのでそれはやりたくなかったんです。

ちゃんと本編に深く関わるキャラクターにすることが絶対に必要だったので、四ノ宮サガンは四ノ宮キコルと接点のあるキャラクターとして登場させました。

――ストーリー自体もゲームオリジナルの部分から、キャラクター個別やアニメ第1期の追体験までボリュームがかなりありますね。

藤田:特にストーリー表現には力を入れています。アニメのゲーム化って色々なパターンがあると思うんです。アニメの場面カットをそのまま使ってセリフだけで展開するもの、キャラクターのバストアップで会話を進めるものなど様々な表現方法があります。今回はコンシューマーゲームのように3Dフィールドの中で色々なアングルからキャラクターの物語を追っていくという形で、ゲーム独自の映像を作っているのが一番大きいポイントです。

だから、作ろうとすればするほどコストも時間もかかってしまう中で、ゲームオリジナルのストーリーを制作しつつ、『怪獣8号』の世界を知らない人に向けて「追憶ストーリー」という形でアニメ第1期分のストーリーも全て入れています。

(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社 (C)Akatsuki Games Inc./TOHO CO., LTD./Production I.G
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