
新曲「もう何もいらない未来」を聴いて「トゲトゲに一生ついていきます!」。キャスト陣が『ガルクラ』の人気に感じた戸惑いと喜びの感情。『劇場版総集編ガールズバンドクライ』仁菜役・理名さん、桃香役・夕莉さん、ルパ役・朱李さんインタビュー前編
東映アニメーションが初めて手掛ける3DCGのガールズバンドアニメ『ガールズバンドクライ』。「トゲナシトゲアリ」というバンドを組んだ少女たちの青春物語に加えて、J-POPシーンをけん引するagehaspringsが全面音楽プロデュース・楽曲制作を担当したことでも話題を呼び、昨年、大人気の中でTV放送が終了しました。
そして1年が経った2025年、前後編に渡る劇場版総集編アニメとしてカムバック! 前編『青春狂走曲』が10月3日(金)、後編『なぁ、未来。』が11月14日(金)に全国公開されます。
そんな今アツいアニメ『ガールズバンドクライ』で、ボーカル担当の井芹仁菜役を演じる理名さん、ギター担当の河原木桃香役を演じる夕莉さん、ベース担当のルパ役を演じる朱李さんにインタビュー! 前編では、『ガルクラ』の立ち上がりから現在に至るまで、TVアニメやトゲナシトゲアリのバンドとしての活動について振り返っていただきました。
※インタビューは武道館ライブ公演前に実施
どんどん大きく広がる『ガルクラ』現象に湧いた、戸惑いと喜びの感情
――アニメの放送が始まり、物語が進むにつれて『ガールズバンドクライ』(以下、ガルクラ)やリアルバンドのトゲナシトゲアリ(以下、トゲトゲ)への反響がどんどん高まっていきました。その現象についてどう感じられましたか?
井芹仁菜役 理名さん(以下、理名):このプロジェクトが発表されたとき、『ガルクラ』は完全オリジナルアニメで、私たちの名前が世に出た時点ではまだ表向きの活動が始まっていなくて、知名度がまったくない状態でした。なので、当時のSNSの反応も「どんな作品? 何者なの?」とか「またバンドアニメか」というようなものもあって、「あまり期待されていないのかな」という不安もありました。
いざTVアニメの放送が始まるとたくさんの方から「このアニメ、おもしろい!」とか「この曲、好き!」など好意的な反響をいただきましたし、海外でもたくさんの方に視聴していただいているようで、「まさかここまで大きくなるとは!?」とビックリしました。
そして今も世界中で多くの方がアニメを観てくださっていて、トゲトゲの楽曲を聴いてライブに来ていただけることがとても嬉しいです。
河原木桃香役 夕莉さん(以下、夕莉):私たちにとってトゲトゲは初めてのバンド活動であり、声優として演じることも初めてで、まさに“初めて尽くし”でした。
TVアニメが始まる前から音声ドラマの収録はしていましたが、「アニメが始まったら自分たちの演技がみなさんにどう見られるのかな?」とドキドキしていました。アニメはメンバーみんなでリアタイしつつ、SNSでお客さんの反応をチェックしていたら、1話から最終話に向かっていく中で私たちもビックリのトレンド1位になったりと、徐々にリアルタイムでツイートしてくださる方も増えているのを感じて、「声優への挑戦を受け入れてくださったんだな」と思えて嬉しかったです。
物語が進むにつれて反響の渦が少しずつ大きくなっているのを肌で感じながら最終話まで視聴しました。
ルパ役 朱李さん(以下、朱李):私たち全員、声優のお仕事やアフレコも初めてで、台本をどう開いたらいいのかさえわからない状態からのスタートだったので、未知の挑戦ばかりでした。それに、みんな個々では楽器を演奏したり歌ったことはありましたけど、バンドを組むことも初めてでした……。
夕莉は部活での経験はあったんですが、私は数百人規模のお客さんの前で演奏したことはなかったので、ライブハウスから野外フェス、そして武道館でライブができることになるとは思いもしませんでした。それとともに、アニメも総集編として劇場で上映されるくらい、たくさんの方から愛されている作品なんだと感じて、そんな応援される作品に関われてすごく光栄です。
TVアニメ放送が始まった当時は、どれくらいの方が視聴してくれているのか、アニメファンの方の間でどれだけ話題になっているのかもわかりませんでした。それが放送されるたびにトレンド入りするようになり、7話でトレンド1位になると最終回まで1位が続いて、「こんなに注目される作品になったんだな」という喜びでいっぱいでした。
【#ガルクラ】
— アニメ『ガールズバンドクライ』公式 (@girlsbandcry) June 28, 2024
㊗️7週連続トレンド1位㊗️
第7話から最終話まで毎週トレンド1位を獲り続けることができました😭
皆様の応援のおかげです!
誠にありがとうございます🙏
まだまだ感想お待ちしています!☀️ pic.twitter.com/tW4Uw34Nj2
――アニメだけでなく、リアルバンドのトゲトゲの活動も最初はライブハウスから始まり、ホール、大型ロックフェス、海外公演などを経て、9月には単独で日本武道館公演を行うまでになりました。
理名:2024年3月に1stワンマンライブを開催して、そこからどんどん会場のキャパシティも大きくなっていったので、不思議な感覚です。会場が大きくなっても「チケットが取れない」という声が出ていることも信じられなかったし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
9月の日本武道館公演はトゲトゲのワンマン史上最大の会場なので大きな挑戦ですし、それ以上にたくさんの方に来ていただけると思うと嬉しいです。
夕莉:TVアニメ放送後の最初のワンマンライブが2ndで(2024年9月13日に川崎CLUB CITTA'で開催された『トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE "凛音の理"』)。その2ndワンマンが私にとっていちばんプレッシャーが大きいライブでした。私たちはアニメの放送前からバンド活動をしていましたが、初期のライブはお客さんの顔が見えるくらいの距離で、お客さんの笑顔や歓声を直接感じることができたので不安はありませんでした。
でも、2ndワンマンはアニメを観て知った方もライブに来てくれるようになるだろうなと思っていたので、「アニメから好きになってくれた方たちにリアルの私たちの演奏がどう見られるのかな?」と。また、2ndワンマンはアニメとリンクした演出も多かったので、「キャラクターとリアルの私たちをどうリンクさせて観てもらえるのかな」という不安もあって、緊張とプレッシャーが大きかったんです。
それ以降は、会場の大きさやお客さんが増えたことへのプレッシャーはなくて、一生懸命全力でパフォーマンスしたい気持ちと、「このライブで自分たちの魅力をどれだけ伝えることができるのか」という自分との戦いでした。ライブごとに、「自分に課した課題やハードルをひとつずつ丁寧に飛び越えて成功させよう」という気持ちで挑んでいます。
武道館公演もいつも通りのプレッシャーや緊張感で臨みつつ、バンドをやっている人なら誰もが憧れ、目標にする武道館ということで想い入れも強いので、「最高のライブをしなくちゃ!」という気持ちがあります。
朱李:私も夕莉と同じで、TVアニメの放送が終わって最初のワンマンライブの2ndが印象深いです。それと、その前に行われた『かわさき100フェス』(2024年6月29日に川崎市・等々力球場で開催)はアニメ最終回の翌日のライブで、アニメを観て初めて私たちのライブに来てくださった方がたくさんいらっしゃったので、「どう見られるのかな?」と少し緊張しました。
最近は、キャパシティの大きな会場でのライブや、対バンライブやフェスへ出演するときもあまり緊張しなくなりました。どちらかというと自分の体力面が心配で。私たちのワンマンライブは毎回演奏する曲数が多く、武道館でもたくさん演奏すると思うので、身体を鍛えたり、体力の配分をしっかり計算して挑もうと思っています。


























