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秋アニメ『ステつよ』羽原信義監督インタビュー

「影」の表現とロボットアニメ的カメラワーク――若手×ベテランで描く映像美。羽原信義監督に訊くアニメ『ステつよ』の魅力【インタビュー】

赤井まつり先生によるライトノベルを原作としたTVアニメ『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』がテレビ東京ほかにて好評放送中!

クラスの中でも影が薄い主人公・織田晶がクラスメイトと共に異世界に召喚。なぜか職業が暗殺者だった晶は、勇者となった幼馴染の佐藤司のステータスよりも自分のスキルが異常に高すぎることに疑問を抱き……。

本稿では、羽原信義監督のインタビューをお届け。『蒼穹のファフナー』など、様々な傑作に携わってきた羽原さんが本作の監督を務めることになった経緯やアニメ化にあたってのこだわり、今後の見どころなどをお話いただきました。

 

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暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが
クラスメイトと共に異世界に召喚された高校生・織田晶。召喚によってクラスメイト全員にチート能力が付与される中、彼は生来の影の薄さからか平凡な“暗殺者"の能力を得る。だが、ただの“暗殺者”のはずなのにステータス値が、最強の職業“勇者”すら軽々と凌駕していて――!?そして、召喚の首謀者である国王の言動に疑念を抱いた晶は、自分の存在をひた隠しその陰謀を暴くも、逆にあらぬ罪を着せられ追われる立場に追い込まれてしまう。国王への復讐を誓った彼は、逃げ込んだ前人未踏の迷宮深層でエルフの少女アメリアと邂逅を果たす――…。これは“暗殺者”の能力を得た少年が、エルフの少女と出逢い真の”暗殺者”へと至るまでの物語。作品名暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが放送形態TVアニメスケジュール2025年10月6日(月)〜テレビ東京・BSフジほかキャスト織田晶:大塚剛央アメリア・ローズクォーツ:水野朔夜:小林沙苗リア・ラグーン:田村好クロウ:草尾毅ラティスネイル:諸星すみれキリカ・ローズクォーツ:和氣あず未佐藤司:森永彩斗朝比奈京介:水中雅章アウルム・トレース:堀江瞬マヒロ・アベ:内山昂輝グラム・クラスター:間宮康弘サラン・ミスレイ:諏訪部順...

 

キャリア初の「なろう系」作品。編集スタッフにこだわった理由とは?

──原作を読んだ感想や魅力を感じた点をお聞かせください。

羽原信義監督(以下、羽原):キャラクターの表現がしっかりしていて、「生きている人として描かれているな」と感じました。「なろう系」と呼ばれるラノベ原作ものをやるのは初めてでしたが、「こんなに世界観がしっかりしているのか」と驚きました。加えて、主人公の晶もただの子供ではなく、自我がある若者として描かれていたので、受け入れやすかったです。

──なぜ晶の能力が「暗殺者」だったのか、晶たちを召喚した王国に潜む陰謀、地下迷宮で出会ったアメリアが抱えるものなど、序盤から謎が目白押しですよね。

羽原:どこか推理小説っぽい部分も感じられ、読みながら様々な考察を楽しめる作品だと思いました。そこをどう組み立てて、映像化していくかをみんなで考えて作りました。

 

 

──少し遡って伺いたいのですが、羽原監督が本作に携わるきっかけは何だったのでしょうか?

羽原:当時僕が所属していたSUNRISE BEYONDに『ステつよ』のアニメ化企画が来まして。社長から「監督をやりませんか?」と声をかけていただきました。ただ、体力的に30分のTVシリーズを監督できるのか不安だったので、一度はお断りさせていただいたんです。その後、いろいろお話するうちにやらせていただくことになりました。

──きっと『ステつよ』をアニメ化するなら羽原監督がピッタリだと思われたのでは?

羽原:そうだといいですね(笑)。既に最終話まで作り終わっていますが、完成した作品には非常に手応えがありますし、作り終えた満足感が今も続いているので、みんなと一緒に頑張れて良かったと思っています。

──本編を視聴させていただきましたが、あのクオリティを1クール続けるのは大変だろうなと。

羽原:それは制作の力なんですよ。働きやすい形でアニメーターを集めてくれて、個々が100持っている力を120出してくれているからこそ、あの映像になったと感じています。

──制作チームを組むにあたって、監督からオーダーされたことはあったのでしょうか?

羽原:シリーズ構成・脚本の岡田(邦彦)さんは僕の指名です。あと、オフラインとオンラインの編集さんお二人も、今までずっと一緒にやってきてくださった方にお願いしています。

──シリーズ構成・脚本を岡田さんにお願いしたいと思った理由を教えてください。

羽原:岡田さんと今までご一緒したことはなかったんですけど、「シナリオが読みやすい」という評判を聞いていまして。実際に読ませていただくと、映像が浮かびやすいシナリオだったんです。感覚的に僕と近いものも感じたので、一度お会いしてお話しさせていただいて、正式にオファーさせていただきました。

 

 

──編集のスタッフさんについては、いかがでしょう?

羽原:実写映画の監督も同じ編集の方々と一緒にやることが多いようです。阿吽の呼吸と言いますか。感覚的に合う・合わないがあって、いつもお願いしている方は僕の意図を汲み取ってくださるので、すごく助かっています。

──晶のモノローグや会話など、本作も間や音楽の入るタイミングにこだわりを感じます。

羽原:そうなんです。セリフをしゃべった後に視聴者が考える間も必要になってくるので、その辺の緩急の付け方を編集で調整したりする必要があります。

あと僕はなるべく音楽に合わせたくて、OPとEDはもちろん、途中でBGMをここに入れると決めたら、音楽を敷いた上で映像を編集したりするので、編集さんは大事なんです。

──様々な方の協力を得て、初めて「なろう系」のアニメを作ってみた感想は?

羽原:すごく楽しかったですね。現場がとにかく楽しくて、各話に制作進行が付くんですけど、平均年齢が25歳いかないくらいの若い人たちが作っていたんです。パワーあふれる彼らに支えてもらいながら、走り切ることができました。これまでアニメに関わってきた長い経歴の中でも、これほど現場の皆がキラキラして見えた作品はなかったかもしれません。

──フレッシュかつエネルギッシュな現場だったんですね。

羽原:原作の赤井まつり先生もお若い方ですし、柔軟に協力いただいて。そのおかげで現場が上手く回ったという印象です。

 

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