
「打ちのめされることはあるけれど」すべてのはたらく人へ贈る“お仕事アニメ”は「優しく元気をくれる作品」──アニメ『笑顔のたえない職場です。』双見奈々役・夏吉ゆうこさん×原作・くずしろさん対談インタビュー
「双見と一緒なら頑張れる気がする」
──先ほど夏吉さんとくずしろ先生(ぬいぐるみ)との2ショット写真も撮影させていただきましたが、抱き心地はいかがでしたか?
夏吉:めちゃくちゃ大きかったから重たいのかなと思いきや、羽のように軽くてモチモチしていて! 持った瞬間から初めて会った気がしない、謎の愛着が湧いてきて思わず抱きしめてしまいました(笑)。ただただ可愛かったです。
──先生、夏吉さんと2ショットの撮影はいかがでしたか?
くずしろ:幸せですね……! 夏吉さんに抱きしめてもらったぬくもりを感じられないかなと思っていました(笑)。(ぬいぐるみが)すごく大きいから、夏吉さんが埋もれてしまっていたのですが、そのカットも可愛かったです。
夏吉:なんだか不思議な気持ちでしたね。先生の……本体と表せばいいんですかね(笑)、ご本人は近くにいらっしゃるのに、と。変な抱き方をすると怒られそうだなと思いながら撮影していました。
くずしろ:いやいや! ありがとうございました……!
──(笑)。それでは次に、夏吉さんが感じる双見奈々の魅力を教えてください。
夏吉:やはり本作は“お仕事モノ”ということで、自分の生活や普段のお仕事を投影しながら見ています。
私自身も、例えばインタビューで「もっとこうやって回答すればよかった……!」など、自己嫌悪することもあるのですが、双見の悩みって、先ほど先生がおっしゃったように「普通とは別のところにある」といいますか。想像もつかないことで悩んだりするものの、芯がぶれない神聖さ、ピュアなところがあると思っています。
私は、人としての弱みを持ちすぎているキャラクターを見ると、一緒に落ち込んでしまうタイプなのですが、双見は不思議と元気をくれるんです。
各話を見届けると、なぜか前向きになれる。絶対的に信じられる才能や軸があるから、見ている人を落ち込ませない不思議な魅力を持っているんだと思います。演じていても、双見と一緒なら頑張れる気がするし、ネガティブな子なのに演じるとポジティブになれるんです。本当に魅力的だなと思います。
──先生がアフレコで夏吉さんの演技をご覧になった感想をお聞かせください。
くずしろ:朝10時からの収録だったのですが、早い時間にも関わらず夏吉さんがフルスロットルで演じてくださいました。朝早いのに、よくお腹から声が出るなぁと(笑)。
双見は叫ぶシーンが多いので、ただ叫んでいるだけだと「うるさい」「気が滅入る」のような雰囲気になってしまうのではと心配していたのですが、夏吉さんはセリフごとに表情を変えて、コミカルに演じてくださったり、ちゃんと落ち込んでくださったりと、双見の濃淡を演じていただきました。
本当に可愛らしく、あるシーンでは漫画以上にテンションが高かったり、ある場面では漫画以上に真面目だったり……アフレコを見ていて「なるほど」と思うこともあって新鮮でしたね。
自分で描いている時は「このセリフはちょっとキツすぎたかな」「ネガティブ過ぎたかな」と思うセリフもあって。でも夏吉さんは、双見を可愛らしく愛せるキャラクターとして演じてくださって、毎回ありがたい気持ちで拝聴していました。
夏吉:ありがとうございます……! 確かに、朝10での双見の収録は気合いが要りましたね(笑)。珍しくラジオ体操をしてから家を出ていました。
双見の叫びは、少年漫画の主人公のような「お前を倒す!」というポジティブな叫びではなくて、弱音の叫びだからこそ、気持ち的には朝一番の収録の方が双見には合っていたのかもしれません。悲痛になりすぎないように、滑舌や語尾を意識していました。
──早い時間の収録だからこその恩恵といいますか。
夏吉:その分、収録の休憩時間には「収録が夜だったら飲みに行けたのにね」って、お酒の話をすることも多かったですけどね(笑)。
お酒が好きなキャストさんが多くて、大人数のざわざわを録る“ガヤ録り”のときは、ほとんど内容は聞こえないので適当な会話をするんです。雨宮(天)さんと一緒にガヤをしている時に「ワイン、デキャンタで頼もうかな」と、ボソッと言ってみたり(笑)。
──(笑)。
夏吉:あと雨宮さんが、なぜかカバンにお醤油を入れて現場に来たことがありましたね。
──お醤油……?
夏吉:「わぁ、なんかお醤油出てきた!」って! 「お醤油持ってくるなら言ってくださいよぉ」「お豆腐持ってきたのに!」みたいな、作品や収録とは関係のないことを話していましたね(笑)。
──(笑)。そしてアフレコ現場では、先生ともお話しする機会があったとか。
夏吉:何度もアフレコ現場に来てくださったんです。原作の先生ってお忙しいから中々お会いできないイメージがあったのですが、多忙な連載の合間を縫って朝から来てくださって。私たちレギュラーキャストをはじめ、ゲストキャラのキャストさん一人ひとりに「良かったです!」と直接声をかけてくださいました。それがどれほどコチラの力になっていたか……!
もちろん、毎回変わらず一生懸命演じさせていただくのですが、先生が来てくださるからこそ、もう一段階スイッチが入るといいますか。笑顔のたえない中でも引き締まった空気になっていたのは先生のおかげだと思っています。
──先生の存在が、キャストのみなさんにとってもモチベーションになっていたのですね。
夏吉:今日もお会いできる……!という感じでした(笑)。
くずしろ:一人だけファンミーティングに行っているような感覚だったので恐縮です……(笑)。



















































