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『矢野くんの普通の日々』天﨑滉平&貫井柚佳が語る矢野くんと清子の関係性/インタビュー

『矢野くんの普通の日々』天﨑滉平さん&貫井柚佳さんインタビュー|矢野くんと清子は二人とも“ボケ”!? 恋愛の行方だけでなく、二人の“関係性”を最後まで見届けてほしい

 

矢野くんは成長するにつれ普通失うはずのピュアさを持ち続けている男の子

──ご自身が演じるキャラクターの印象と、ご自身と似ている点をお聞かせください。

天﨑:この作品は読むと心が洗われて、清らかな気持ちになりますが、矢野くんはその象徴的な存在だと思っています。矢野くんが考えていることや想いを口にするたびに、「なんていい子なんだろう!?」という気持ちにさせてくれる素敵な男の子です。僕は矢野くんを演じる側の目線と、遠くから見守る親心みたいな目線があり、親心のほうが強すぎるとお芝居に影響しそうなので、現場にいる時は「自分は矢野くんなんだ」と言い聞かせながら演じています(笑)。

僕と比べてみると、自分の幼少期と似ていると思いました。僕がまだピュアだった頃……。

貫井:えっ!? もうピュアじゃないんですか?(笑)

天﨑:そこは否定したいところだけど、こんなにピュアなわけないでしょ! 今どきこんなピュアな子はなかなかいませんよ!

貫井:(外遊びなどで)ケガとかはよくしてましたか?

天﨑:ケガはしょっちゅうしていたかもしれません。毎日、外で遊び回っていたから矢野くんと同じように引っ付き虫や葉っぱとかよく付いていましたし、芝生にスライディングするからズボンも緑色になったり、水遊びをすれば服をびしょびしょにして帰ってきたりしてました。

 

 

──それは矢野と同じ不運体質じゃないんですか?

天﨑:僕は自分から積極的に遊びに行った結果なので(笑)。矢野くんと似ているところは子供の頃のピュア度はちょっとだけ……近いのかな……と思います……。

貫井:声がちっちゃくなっちゃった!(笑)

──では続いて、貫井さんお願いします。

貫井:私も心配性なところがありますが、清子ちゃんの場合は自分よりも周りの人のことを心配していることが多くて。私は自分のことで手一杯なことが多いので、清子ちゃんはしっかりしているなと思うし、相手を思いやる優しさが素敵だなと思います。

また表情が豊かで、思ったことがすぐに顔に出ちゃって、特に矢野くんのことになるとそれが顕著で、矢野くんの一挙手一投足に照れたり、あわあわしたりして。そういう意味で清子ちゃんもとてもピュアで、そこがかわいいなと思います。

でも家ではお姉ちゃんらしく、学校でも学級委員長をしていて、面倒見がいいからみんなから頼られる存在で。清子ちゃんが矢野くんを心配したり、何かとお世話を焼いていると、矢野くんがふと口にした言葉に動揺して、ときめいてしまって……このシーンにはぜひ注目してくださいね! そこから矢野くんのことが一層気になっていくわけですが、私から見てピッタリの二人だなと思うし、矢野くんと出会ったことに(両手を合わせながら)感謝!

天﨑:(貫井さんのマネをしながら)感謝!(笑)

貫井:私も心配性なので、いつも荷物が多いんですが、周りの人のことが気になった時、声をかけたいなと思っても人見知りの気持ちが強くて、ぐっと飲み込んでしまいます。友達になりたくても一歩を踏み出せないまま終わることも結構あって。LINEのアドレス交換をしようと声をかけても小さくか細く「ごめんなさい。キモかったですよね」と自分から引いてしまうんです。

清子ちゃんも矢野くんも人当たりが良くて、その後も波長が合って、どんどん距離が近づいていくのが素敵だなと思っています。心配性なところは似ているけど、相手を心配したり、素直に声をかけられるところ、一歩踏み出す勇気はうらやましいです。そして矢野くんのことを想い続ける健気さも素敵だなと思います。

 

 

──私の印象では、貫井さんは清子と似ているというか、そのもののような気がします。

貫井:本当ですか!? きっとバタバタしているところですよね(笑)。

天﨑:確かに似ていると思いますよ。

貫井:へへへ、嬉しい。

天﨑:今の感じも。喜んでいる時とかよくデヘデヘしている時があるじゃないですか?

貫井:デヘデヘします。

天﨑:清子ちゃんもメイちゃんとかのおかげで一歩踏み出せているところはありますよね。矢野くんにアプローチした後、「やりすぎたかも?」と不安になったり、落ち込んだりして。そういう感じは貫井さんと似ているかなと思いました。

貫井:清子ちゃんが私の中にもいるのかもしれません!(話しながらなぜか目の前に置かれた複数の台本を立てて整え始める)こんな感じで整えたくなる感じも似ているのかなと。あっ!? 「何、急に変なことしてるんだ!」という目で私を見ていますが、今後こういうシーンがあるのでお楽しみに。

──それにしても、話しながらやる必要はないのでは?(笑)

貫井:確かに(笑)……あと清子ちゃんはよく髪がボサボサになるんですが、私もさっきから汗をかいて、わちゃわちゃして、髪がぼさぼさになっていますね…。

天﨑:どんどん似ているところが見つかりますね。

貫井:デヘヘ。嬉しいです、はい。

 

清子は“かわいすぎない”のがかわいいキャラクター。主人公の二人はどっちも“ボケ”!?

──では次の質問を……

貫井:あわあわ。

天﨑:どうしたんですか?

貫井:アクセサリーの指輪の石を取ってしまいました。

天﨑:そそっかし過ぎるでしょ! なんか矢野くんと吉田さんの関係性が中の人では逆転しちゃってますね(笑)。

貫井:すみません……(笑)。

 

 

──では気を取り直して(笑)、お互いのキャラクターの印象とお芝居の感想をお聞かせください。

天﨑:吉田さんは“かわいすぎない”ところがかわいいと思っています。表情が豊かで「その顔、TVに映して大丈夫なの?」というくらい表情を崩すところも、髪の毛がボサボサなところも愛おしいなと。矢野くんは普通の人と少し違う感性を持っていて、それを周りからよくツッコまれるのですが、吉田さんも結構天然ボケのタイプで。真っ直ぐすぎるが故に、周りが一瞬見えなくなったり、想いがストレートだから周りが驚くようなことを無意識にしてしまったり。主人公が二人ともボケというのも珍しいですし、二人のやり取りもおもしろくて。

貫井:おかしいな。清子ちゃんもセリフやモノローグでよくツッコんでいるんだけど(笑)。

天﨑:羽柴も二人それぞれにモノローグでよくツッコんでいるし、他のキャラクターも。

貫井:メイの存在はありがたいですね。

天﨑:矢野くんと吉田さんの会話をずっと見ていたいなと思いますし、吉田さんはポンコツかわいいところがあるので好きです。

貫井さんのお芝居の感じは本当にピッタリ……いや、それ以上で、貫井さんの声が付いたことで吉田さん像がより鮮明になって、より魅力的にしてくれたと思います。

また、吉田さんがお話を引っ張っていかなくてはいけない存在だと思っていますが、貫井さんはけん引力がすごくあって、アフレコでもついていきやすかったです。矢野くんが感情をあまり出さない分、吉田さんが言葉と行動で話の盛り上がりやおもしろいきっかけを作ってくれるので、何でもできる貫井さんが吉田さん役に選ばれた理由もわかった気がします。

貫井:いやこちらこそですが…!嬉しいです…!

──セリフ数も多く、感情も忙しい清子を貫井さんが演じているのをどう見られていましたか?

天﨑:微笑ましく見ていました。まるでマンガを読んでいるような気分で(笑)。なんかキャラクターっぽいですよね。

貫井:私だけじゃなくて、他のキャストさんもキャラっぽい方がいますよね? (羽柴役の)坂(泰斗)さんとか。

天﨑:そうですね(笑)。そういう意味で、それぞれのキャラクターにピッタリのキャスティングになっていると思いますし、休憩中などでも話題に事欠かない、おもしろい方々が揃ったと思います。

いつかみんなで座談会とかできたらいいなと思っていましたが、僕がパーソナリティを務める『矢野くんと〇〇の普通のラジオ』の第1回(9月30日配信)に、貫井さん、メイ役の種﨑敦美さん、羽柴役の坂 泰斗さん、泉役の高橋李依さん、田中役の岩崎諒太さんをお迎えすることが決定しました! そこでも楽しくみんなでおしゃべりできたらいいなと思っています。

貫井:楽しみ!

 

 

──次は、貫井さんから見た矢野の印象と、天﨑さんのお芝居の感想をお聞かせください。

貫井:矢野くんみたいにピュアな人は現実にはそうそういないだろうなと思っていましたが、「矢野くんって本当にこの世にいるんだな」と思ったくらい、天﨑さんのお芝居がピッタリでした。矢野くんを演じるのはすごく難しいと思っていて、もし発言と違う心情が少しでも透けて見えてしまったら別人になってしまいますが、見事に演じられていました。

あと矢野くんの絶妙なリアクションがすごくおもしろくて、アフレコ中に声を押し殺しながら笑った音が乗ってしまったこともあり、その節は皆さんに大変ご迷惑をおかけしました(笑)。でも作品がそもそもおもしろい上に、各キャラクターに声とお芝居が付いたことで、自分が『矢野くん』の世界の中にいるような感覚になりました。

収録ではほぼ絵ができている話数が多かったこともあり、清子ちゃんとしている私と、マイクワークを考える声優としての私、そしていち視聴者としての私の3人がその場にいて、視聴者の私が笑うのを止められなくて。キャラクター紹介PVのショート動画で、机の脚につま先をぶつけた後、回りながら壁にぶつかるシーンの声が絶妙で。あんなクルクル回ったらもっと声を入れたくなっちゃうはずなのに。

天﨑:実はもっと入れたかった(笑)。

貫井:その抜き方がまさに矢野くんらしくて。

天﨑:ありがとうございます。

貫井:視聴者の私が大興奮していました(笑)。

──矢野は最初の頃は感情の変化があまり見られなかったのに、徐々に心を開いていくことで感情を表すようになりました。

貫井:最初に矢野くんを見守るシーンで何かにぶつかったり、アクシデントが起きた時の声と比べると、話数が進んでいった後は段々声が大きくなっていくのも感じました。矢野くんは最初、一人だったけど、清子ちゃんや周りの人と接するようになって、友達がたくさんできたことで、いろんな表情を見せるようになって。私も親のように「(泣き声っぽく)よかったね、矢野くん」という気持ちになりました。

天﨑:(笑)

貫井:ピュアで素敵な心や優しさは持ち続けた上で、人と接することで更に人間的な優しさが膨らんでいるのが愛おしく感じるキャラクターだなと思いました。

 

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