
『矢野くんの普通の日々』天﨑滉平さん&貫井柚佳さんインタビュー|矢野くんと清子は二人とも“ボケ”!? 恋愛の行方だけでなく、二人の“関係性”を最後まで見届けてほしい
講談社「コミックDAYS」にて連載中の、田村結衣先生による漫画『矢野くんの普通の日々』。本作のTVアニメが2025年9月30日(火)より放送開始となります。
本作の主人公は、毎日ケガまみれで学校にやってくる「超・不運体質」の矢野くん。心配性なクラス委員の吉田さんは彼の手当てをしていくうちに、徐々に特別な想いが芽生えていって……? 個性的な友人たちに囲まれながら、変化していく二人の関係性を描いたピュアさあふれるラブコメディ作品となっています。
放送開始を記念し、矢野くん(矢野 剛)を演じる天﨑滉平さんと、清子(吉田清子)を演じる貫井柚佳さんにインタビューを実施!
オーディションでの思い出や、収録現場でのエピソード、キャラクターと物語の魅力などをたっぷり語っていただきました。
数あるオーディションの中でもセリフの記憶が残っている珍しい作品
──原作を読んだり、演じて感じた作品の魅力をお聞かせください。
天﨑滉平さん(以下、天﨑):本当に温かくて、優しさにあふれている作品だなと思いました。矢野くんの不運体質は少しファンタジーですが、作品の中で描かれている出来事は誰しもが思ったり、体験したことがあるようなリアリティーのある物語で、そのバランスが絶妙で魅力的に感じました。
──演じていて高校時代を思い出したのでは?
天﨑:矢野くんを見ていると「こんな高校生活を送れたら素敵だな」と思ったり、「自分の周りにもいい友達がいたな」と思い出させてくれました。
貫井柚佳さん(以下、貫井):元々、原作を読ませていただいていて、大好きでした。原作のコマのテンポの良さや描き方がとてもおもしろくて、1枚の絵としても美しいシーンも随所に出てくるんですよね。小さいコマの中で線数は少ないのに、清子ちゃんが口をポカンとしているところなど、コミカルだけど感情がとても繊細に描かれていて。笑ってしまったり、気持ちのいい涙がポロポロ流れてきたり、喜怒哀楽が詰まっているし、感情が引き出されました。
矢野くんの周りで起きる出来事はクスっと笑えるけど、どれも輝いて見えるので、すごく尊くて、「いいなあ」とうらやましかったです。清子ちゃんや矢野くんだけでなく、他のキャラクターもみんな個性的だけど、お互いを思いやっているし、尊重しながら仲良くしている様子を見ていると「これって青春だな」と思えたりして。『矢野くん』の世界のキャラクターたちと心が近くなったり、シンクロすることで私も感受性が豊かになった気がするし、みんなのように純粋な心で日々を過ごせたらいいなと思うようになりました。
──本作への出演はオーディションで決まったんでしょうか?
天﨑:最初はテープを送って、そこからスタジオオーディションの流れでした。オーディションを受けさせていただくにあたって、原作を読ませていただいたのですが、温かい空気感や繊細な心の機微を大切にしているのだろうなと思いました。
オーディションで演じたセリフは原作の前半部分のシーンが多くて、まだ矢野くんがどんな人なのかが詳しく描かれていなかったので、ミステリアスな雰囲気を醸し出しつつ、徐々に心を開いていく感じを大事に演じました。
僕は割とセリフの間を詰めて、ポンポン言葉を紡ぐキャラクターを演じることが多いのですが、矢野くんに関しては自分の中で流れる空気も大事にしたほうが良さそうな気がして、自分の心の中で整理がついたタイミングで、焦り過ぎずにゆっくりセリフを言った覚えがあります。
──矢野役に受かった時はいかがでしたか?
天﨑:すごく嬉しかったです。僕らは日々、いろいろなオーディションを受けさせていただいておりますが、「あの作品のこのセリフがまだ記憶に残っているな」とピンポイントに思うことはなかなかありません。でもこの作品のとあるセリフがすごく印象に残っていて、「受かったらまたこのセリフを言えるんだな」と思っていました。なので、受かったという連絡をいただいた時は、「またあのセリフを言えるんだ! 今度は他のキャストさんと一緒に作品作りができるんだ!」という喜びと、楽しみな気持ちでいっぱいでした。
貫井:私は元々、原作の愛読者だったので、「清子ちゃんを絶対にやりたい!」という気持ちが強かったし、私が思う清子ちゃんを全力で皆さんにお届けできたらという想いで臨みました。全身全霊でスタジオオーディションに挑んだので、その時の記憶がほとんどなくて。
オーディションのセリフの中に、第1話で矢野くんと初めてちゃんとしゃべるシーンがあって、その時の清子ちゃんはかなりテンパっていましたが、「もっとテンパって! 上下激しく!」と言われたのを覚えています。アニメでは原作の世界観をナチュラルに描いていくのか、それとも少しデフォルメして描くのか、まだつかめていませんでしたが、このシーンのディレクションで「思ったよりやってもいいんだ」と。なので私が思い描く清子ちゃんの声を詰め込んでオーディションに挑んだので、受かったと伝えられた時は本当に嬉しかったです。
どの作品でもそうですが、オーディションの時は「この役に受かるのは絶対私!」と自信満々な自分と「受ける人は魅力的な人が多いんだろうな」と不安な自分がいます。なのでたったひとりに選んでいただけることは、本当にありがたく嬉しく幸せです…!
──でも原作の愛読者だったということは、清子役に決まった瞬間、喜びと同時に大変だろうなという覚悟もあったのでは?
貫井:そうですね。「清子ちゃんは内と外でずっとしゃべっているんだよな」と思いつつ、やりがいを感じていました。受かってから最初の収録までかなり時間が空いていたので、未来への楽しみな気持ちが大きかったです。
天﨑:僕も「早くアフレコ始まらないかな」とワクワクしながら過ごしていました。






















































