
純真でまっすぐでチャーミング! 味わいのある梨田ありさを「演じていて、とっても楽しくて!」──アニメ『笑顔のたえない職場です。』梨田ありさ役・小林ゆうさん×原作・くずしろさん対談インタビュー
梨田ありさは「素晴らしくて可愛らしい方」
──本作において、くずしろ先生が梨田ありさというキャラクターに託した役割などはあったのでしょうか。
くずしろ:明確な役割はないのですが、ライバルや同業者といった立ち位置の人間を出したいという意識がありました。それと自分に正直な台詞を作れるキャラクターが作りたかったという気持ちもあります。実は私は、どちらかといえば反論をしたいタイプでして……。
その点、主人公の双見(奈々 CV:夏吉ゆうこ)は後ろ向きな性格ではありますが、編集の言葉を真正面から受け止めて考えたり、自分で処理しようと頑張ったりと、穏やかに済ませる良い子なんです。一方、梨田はずっと自分に正直でいてくれる。だから私としては、梨田がいてくれてとても助かっています(笑)。
他のキャラクターであれば、書きたい台詞をキャラクターに合わせてチューニングする必要があって。例えば「はーさん(間 瑞希 CV:伊藤美来)は、こんなことは言わないだろう」「佐藤(楓 CV:雨宮 天)がこれを言うのは良くない」と考えながら台詞を書いているんです。
──梨田ありさは、先生の正直な気持ちを投影できるキャラクターといいますか。
くずしろ:そうですね。梨田なら、私の正直な部分を理解してくれそうかなと。双見は「そういう考えもあるかな」と返してきそうなところを、梨田は「わかるぞ……!」と言ってくれる気がしています(笑)。
──キャラクターの誕生過程を垣間見たような気がしています。
小林:(頷いて)ここでしか聞くことのできない先生の貴重なお話を知ることができて、梨田さんを大好きな一人としてとても嬉しいです!
──小林さんが考える梨田ありさの魅力をお聞かせください。
小林:梨田さんは本当に可愛い方だと思うんです。“可愛い”にも色々な“可愛い”の形があると思うのですが、自分の想いにまっすぐで、傷だらけなりながらも「それでもこの道で生きていくぞ!」という逞しくて健気ないじらしさのような可愛らしさがあって、すごく人間的な魅力を感じています。
梨田さんからは、「生きる魂」も感じます。言葉自体はトゲトゲしたもののように思えても、その奥は純真でまっすぐで自分の仕事に対しての強い想いを持ってらっしゃる。時にユニークに見えるところも思い切り自分のことをオープンにされていて素敵だと感じますね。
知れば知るほど、どんどん好きになる。味わいのあるキャラクターだと思います。だから演じていて、とっても楽しくて!
初登場のシーンだって突然、酔った状態で双見さんの家を訪れた梨田さんでしたが、とても個性的な登場の仕方で梨田さんらしくて好きでした。色々なシーンの梨田さんを見ていくと、彼女の様々な気持ちが見えてくるので、とても深くて魅力的なキャラクターだなと思います。
──ある種、人間らしいキャラクターですよね。
小林:そうなんです。とても人間味に溢れている方なので、どんな方でも梨田さんに共感できる一面があるのではないかと思います。でも、それは梨田さんに限らず、本作に登場するすべてのキャラクターに言えることですよね。一人ひとりに心を寄せていただいたり、キャラクター同士のやり取りに共感していただけるのではないかと思います。
私は、梨田さんとはーさんのやり取りが大好きなのですが、はーさんの新たな一面を垣間見ることができて嬉しいですし、梨田さんとの化学反応みたいなものも癖になるくらい素敵なシーンだと思います。どのキャラクターも一生懸命に生きているから、読ませていただいていると温かい気持ちになる作品だと思っています。
くずしろ:梨田のことをこんなに「素晴らしくて可愛らしい方」だとおっしゃってくださるのは小林さんだけでした。他の方は「面白いけれど、遠くで眺めていたい」といった表現をされるんです(笑)。
それを小林さんに伝えると「梨田さんは素敵な方ですよ!」「梨田さんが何でも正直に言ってくれるから、それで周りが救われていることもあるんです」とおっしゃっていただいて。もう、泣きそうになりました。このように梨田を受け止めてくれる方がいるなんて思いませんでしたから。
──インパクトの強いキャラクターでありつつ、魅力はそれだけではない、と。
くずしろ:私もおもしろキャラとして梨田を扱っていた節があったのですが、根っこは真面目で可愛げもあるキャラクターなんですよね。小林さんがそのように言ってくださったおかげで、梨田をより高い解像度で見ることができるようになったと思います。






















































