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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

※下記には重大なネタバレが含まれます。
のちに上弦の壱・黒死牟となる継国巌勝、そして始まりの呼吸の剣士である双子の弟・縁壱が生まれたのは室町時代の頃です。
根拠となるのは黒死牟が無限城で悲鳴嶼たちに討伐されそうになった際の回想シーン。今(1915年)から400年前に、鬼となった黒死牟は老いさらばえた弟・縁壱と60数年ぶりに邂逅し、80歳を超えてなお生きている弟の姿に驚愕します。
1915年の400年前ということは、2人が巡り合わせたのが1515年、さらにそこから80年以上前の1435年頃に継国家の双子が生まれた計算に。1435年は室町時代にあたります。
室町時代は1336〜1573年で、1400年代に入ってからは明(中国の王朝)との貿易が始まり、1404年には金閣寺が建立されました。1400年台後半からは戦国時代に入っていく時代でもあり、幼い巌勝が国中で一番強い侍になることを夢見ていたのも納得ですね。
そして生まれてからおよそ20年後、2人は鬼殺隊の剣士となります。おそらく1455年前後の頃でしょう。その後、兄の巌勝が鬼となり、黒死牟が誕生しました。
ちなみに、縁壱は鬼狩りとなってまもなく鬼舞辻に遭遇しますが、このとき既に鬼になった珠世を連れていました。このことから、珠世も室町時代以前の生まれであることがわかります。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のメインキャラクターである猗窩座。彼が鬼になったのはおそらく江戸後半頃だと思われます。
猗窩座は死ぬ間際に「百年以上無意味な殺戮を繰り返し」とモノローグで語っているため、1915年から100年ちょっと遡るとすると、1700年代後半から1800年くらいでしょうか。1603年から1867年と長く続いた江戸時代の後半に当たります。
その頃日本は鎖国状態にありましたが、1800年頃はロシアやイギリスから度々通商を迫られるなど、世界的に国同士の交流が活発化し始めている時期です。そうは言っても、鬼となった猗窩座にはきっと興味のないことだったでしょうけれど。
なお、妓夫太郎と堕姫の前に上弦の鬼が討伐されたのもほぼ同時期の1800年頃のことのよう。上弦の鬼たちが無惨に招集された際、無惨が「113年ぶりに上弦を殺された」と口にしていたためです。
猗窩座は一度招集されたことがある様子でしたので、猗窩座は鬼になって間もなく上弦の地位につき、その後に上弦の鬼が討伐されたと推測されます。その空いた上弦のひと席に妓夫太郎と堕姫が座ったのだと私は考えています。
1000年に渡り、人々が想いを繋ぐ姿が描かれる『鬼滅の刃』。その長い月日を紐解いていくと、人々の想いの強さを感じるとともに、宿敵である鬼舞辻がどれだけ長い時間を生きてきたかが実感でき、物語が立体的に感じられます。
また、実際の日本史と見比べてみると時代背景やキャラクターの理解にも繋がり、一層物語を楽しむことができました。今回はあくまで筆者個人で調べて考察した内容ですので、興味がある方は是非ご自身でも一度調べてみてはいかがでしょうか。

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
