
『HUNTER×HUNTER』と「築地銀だこ」のコラボはどのように実現した? 株式会社ホットランドホールディングス 広報室に聞いたコラボに込めた想いとメニュー開発秘話【インタビュー】
TVアニメ『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』は、集英社ジャンプコミックス累計発行部数8,400万部を突破した冨樫義博先生による漫画作品が原作のアニメ作品
そんな『HUNTER×HUNTER』が12月10日(水)から、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)とのコラボを実施することが決定! 287期ハンター試験に登場するマフタツ山名物「クモワシの卵」をイメージした『美食ハンターおすすめ!?「まるごと卵の濃厚チーズてりたま」』など、作品ファンとしても気になる内容はファンを中心に話題を集めています。
実はTVアニメ『HUNTER×HUNTER』が日本国内の飲食チェーンとコラボするのは初めてのこと。
そこでアニメイトタイムズでは、このコラボがどうやって実現したのか、作品をたこ焼に落とし込むにあたってのこだわりなど、気になるあれこれを株式会社ホットランドホールディングス広報室の丸山美嘉さんにお話を伺いました。
「作品への愛や熱意」が切り開いた『HUNTER×HUNTER』コラボへの道
──まずは今回のコラボメニューについて教えてください。
株式会社ホットランドホールディングス 広報室 丸山美嘉さん(以下、丸山):今回のコラボレーションで発売するたこ焼は、前半メニューとして287期ハンター試験に登場するマフタツ山名物「クモワシの卵」をイメージした『美食ハンターおすすめ!?「まるごと卵の濃厚チーズてりたま」』を、後半メニューとして『「伸び~るモチとアボカド明太」~ひそかに香る黒胡椒仕上げ~』、それぞれ8個入り、特製のスリーブに入れ、1舟ご購入いただくとオリジナルカード(1枚)が付属する商品としてご用意いたしました。
▲コラボメニュー
▲オリジナルカード
また、お持ち帰り専用の「だんらんパック(24個入り)」というセットがありますが、こちらも描き下ろしイラストを使用したスペシャルパッケージでご用意させていただきます。こちらは1箱ご購入いただくとオリジナルクリアファイルが付属する商品となっております。
▲「だんらんパック(24個入り)」スペシャルパッケージ
▲オリジナルクリアファイル
たこ焼以外では、Lサイズの単品ドリンクを1杯ご注文いただくごとに、オリジナルデザインのシールを1枚プレゼントする企画もご用意しています。ドリンクの種類は、築地銀だこ店舗で販売しているものであれば特に指定はありません。(ドリンクディスペンサー取扱店舗のみ)
あとはたい焼ですね。クロワッサンたい焼もオリジナルデザインのボックスをご用意していますので、こちらをご購入いただくとコラボデザインのクリアファイルを1枚プレゼントさせていただきます。
──『HUNTER×HUNTER』が、日本国内の飲食チェーンとコラボするのは初めてとのことですが、今回のコラボが実現するまでの経緯を教えてください。
丸山:築地銀だこは、日本全国、ショッピングセンターのフードコートをはじめ、年齢や性別を問わず多くの方にご利用いただいていますが、より幅広い層の方々に楽しんでいただける施策や作品を検討する中で、『HUNTER×HUNTER』は連載開始から現在も幅広く多くの方に愛されているという作品ですので、社内検討しご相談させていただきました。
社内でも『HUNTER×HUNTER』とのコラボレーションを願っていたメンバーもいますが、他社事例も少なく、実施のハードルの高さは予想していましたが、遂に実現できたという感じですね。
──もちろん作品愛や情熱がベースにあると思いますが、これまで全国展開している飲食チェーンとコラボをしてこなかった『HUNTER×HUNTER』と、今回コラボが実現できた決め手は何だと思いますか?
丸山:やはり一番は作品への愛や熱意だと思います。どうしてもこのコラボレーションを実現させていただきたかったので、何度も企画内容など細かい部分まで検討を繰り返し、ついに許諾をいただいたという形です。
作品の序盤をコラボ企画として参加・体験していただくことで、改めて本作の魅力を再認識していただけたらと思います(作品とたこ焼との相性も!)
──今回のコラボでは、物語初期の「旅立ち」から「ハンター試験編」、「天空闘技場編」までに焦点を当てているのが印象的です。
丸山:今回の『HUNTER×HUNTER』コラボレーションを企画していた時点で「スタートは、ぜったいに最初(主人公のゴンの旅立ち)から始めよう」と決めていました。主人公が、父に会うためにくじら島からの旅立ち、仲間と出会い、様々な試練や困難に立ち向かう。という流れは、この作品の持つ魅力であり、まさにジャンプの王道作品みたいなところが非常にわかりやすく、その中に『たこ焼』というアイテムも非常に相性が良いのでは。と思っていたんです。
企画を考えるにあたって、改めて原作やアニメを見返すと、色々なことを思い出し、新たな気づきもあり、非常に楽しかったんです。そういった感覚をファンの方々にも改めて感じていただきたくて、今回のコラボレーションに参加・体験していただくことで、改めて本作の魅力を再認識していただき、たこ焼との相性も実感していただけたら嬉しいです。
──前半メニューの『美食ハンターおすすめ!?「まるごと卵の濃厚チーズてりたま」』では作品の世界観を表現し、後半メニューの『「伸び~るモチとアボカド明太」~ひそかに香る黒胡椒仕上げ~』はコラボメニュー王道のキャラクターをイメージしたものにするなど、メニューを眺めるだけでも楽しいですね。
丸山:企画当初は、ヒソカだけの商品も検討・試作等をおこなっていたのですが、中々難しい部分もあり、今回イルミも素敵な描き下ろしイラストをご用意いただけたので、それぞれのキャラクターやイメージカラーに加えて、ヒソカの「伸びて」「くっつく」念能力やイルミの特徴的な「針」といった2人の魅力を一つの商品としてたこ焼で表現してみました。
──ちなみにヒソカだけ、イルミだけ、の商品はどのようなイメージだったのですか?
丸山:企画段階ではそれぞれ様々なアイディアがありましたが、単体にするとそれはそれで商品化には難しい部分もあったんです。ただ、2人を一つの商品に組み合わせたことでわかりづらくなる懸念もありましたし、かなり難度の高い企画でした。
お客様にご満足いただけるような商品に仕上げるために、社内の企画・試作段階では「伸びる素材だけを使って作れるか?」、「針だけじゃ物足りなくないか?」といった声など様々な意見を踏まえ、最終的に今回の形にまとまりました。
コラボ商品開発における“縛り”
──店舗での提供を考えると調理工程や使える食材の縛りもあると思います。コラボ商品開発の難しさや縛りはどのようなものがありましたか?
丸山:店舗での商品製造工程や食材管理等を含むオペレーション、全国全店で使用と販売するための食材の安定確保と供給、食材の賞味期限、作品ファンの方も通常のお客様もご納得し楽しんで購入いただける価格帯での商品設計など考慮すべきことは多々あります。
ただ、私たちが一番大事にしているのはお客様に「ぜったいに美味しい!!」と思っていただけるたこ焼を提供することです。
実際に店舗で調理できるかはもちろんですが、チェーン店として全国全店で同じようなクオリティで提供できるものにしていくためには、素材の加工レベルから色々なことを考えていく必要があります。
ただし、そのために通常商品とかけ離れた高価なものにするわけにはいかないので、皆さんに楽しんでいただけるような価格帯の中で「築地銀だこは、コラボ商品でもぜったいに美味しい商品を提供してくれる。」という信頼をいただけることが一番の目標です。
キャラクターをイメージしたり、ストーリーに沿った内容を加えたりと、コラボ商品の企画には色々とパターンがありますが、適当な食材を使ってそれらしく見えれば良いのではなく、『商品として美味しい』とちゃんと思っていただけることを第一に考えています。
──そういった縛りの中で作品をイメージした商品を作るというのは、本当に大変そうですね。
丸山:例えば前半コラボ商品の「クモワシの卵」を再現するにしても、そもそも架空の卵じゃないですか。原作とアニメでも表現が異なっているので、これをどう再現するのかアイディアを出し合った結果、「ゆで卵を丸ごと乗せてみよう!」と初挑戦することになりました。
しかし、原作では「クモワシの卵は、濃厚でいて舌の上でとろける様な深い味わい」と表現されていて、通常店舗で使っているたまごサラダ用のゆで卵だと黄身も白身も固めになってしまい課題がありました。そこで今回の商品では「とろける様な味わい」を感じていただけるように、上に乗せるゆで卵は通常とは別の種類を用意しています(※)。
この商品には、「てりやきソース」と「濃厚チーズソース」がかかっていますが、チェダーチーズやブルーチーズなど色々な種類を試して味の「濃厚さ」にもこだわりました。また、原作ではクモワシの卵は谷の間に吊るされていますが、チーズソースを糸状にかけることで味の濃厚さだけではなく、「吊るされているイメージ」も合わせて表現しています。定番商品の「てりたま」にはチーズは使用していないので、トッピングや組み合わせでの変化も楽しんでいただけると嬉しいです。
※編集部注:築地銀だこでは各店舗ごとに毎日ゆで卵を潰してたまごサラダを作っているとのこと。たまごサラダ用のゆで卵なので固ゆでのため、今回のコラボ商品でたこ焼に乗せるゆで卵は別の種類を用意している。
▲美食ハンターおすすめ!?「まるごと卵の濃厚チーズてりたま」
──後半メニューでも色々と試行錯誤されましたか?
丸山:後半のメニューは「伸びる」というヒソカらしい要素の再現が難しく、社内で「バンジーガムを感じられる伸び具合か?」といった議論をしながら試行錯誤しました。
この商品には、バンジーガムをイメージした紫色のソースがかかっていますが、「伸びる」を再現しようとした時に、ネバネバして伸びる食材って色々あるじゃないですか。とろろやお餅、オクラや納豆など色々と検討しました。例えば納豆は味は非常に美味しくてたこ焼にも合うんですけど、そのまま使うには匂いが強く持ち帰りができなくなります。他の食材も商品に使うには難しいところがあり、最終的に「紫色のもちソース」に辿り着きました。
もちソース自体は他商品でも使っていましたが、紫色にしたことはなく、そこからの試作も大変でした。キャラクターの色に合わせるために紫芋を使用していますが、色味の違いで伸び具合や硬さが明らかに変わってしまったので、その調整はかなり試行錯誤を繰り返しました。
▲「伸び~るモチとアボカド明太」~ひそかに香る黒胡椒仕上げ~
──イルミの針を再現した「揚げ麺」も色々と試されましたか?
丸山:はい。イルミの針の再現も、様々なスナック麺やごぼうを細くスティック状にして揚げたものなど色々と試しました。作中に土の中からイルミが出てくる描写があるので、ごぼうは面白いですし、味はごぼうが一番美味しかったんです。ただ、どうしても針のような「パリパリ感」が出せなくて、最終的に今回の揚げ麺になりました。
実はこの揚げ麺は、塊をあえて手で潰して乗っけているんです。そうすることでランダムな食感をお楽しみいただけるようにしています。
──今回のコラボでは「天空闘技場編」までが対象でしたが、ファンとしてはその先の「G.I.編(グリードアイランド編)」や「キメラアント編」のコラボも見てみたいです。もしコラボ第2弾、第3弾があるとしたら「こんな商品を作ってみたい」という夢はありますか?
丸山:まずは今回のコラボレーションを皆さんに参加・体験していただいて、その反響などを見ながら考えたいですが、未だ明確な商品イメージがあるわけではありませんが個人的な夢としては「幻影旅団」の商品は挑戦してみたいと思っています。
























































