音楽
花耶、2年半ぶりワンマンで新曲ラッシュ|『無職の英雄』OP主題歌を初披露

花耶、TVアニメ『無職の英雄』OP主題歌「Reincarnation」を初披露! 新曲「サザンカ」「小夜中の輪舞曲」も届けた2年半ぶりワンマンライブレポート

“ホーリーボイス”と称される歌声を持つアーティスト・花耶のワンマンライブ「花耶 Acoustic Live 2025」が、8月24日、東京のライブハウス・青山月見ル君想フで開催された。

学生時代から数々の歌唱コンクールで優勝・入賞し、2022年にソロ歌手としてメジャーデビュー、2023年からはメディアミックス音楽プロジェクト『ウタヒメドリーム』のメインキャラクター・HiREN役として声優業にも取り組み、アーティスト・声優・女優として幅広く活躍する花耶。久しぶりの単独公演となったこの日は、魚住有希(アコースティックギター)と鈴木栄奈(キーボード)をサポートに迎え、自身初となるアコースティック編成でのライブをお届け。初公開の新曲や新旧の名曲カバーを含む全17曲で、満員御礼となった会場のファンを魅了した。

 

初作詞作曲ナンバー「スナドケイ」、ライブ初披露「Love(d)」で涙をこぼす

会場の青山月見ル君想フは、オープンから20年を迎える老舗のライブハウス。背面に大きな満月の浮かぶステージが特徴で、その月に誘われるように、全身白の衣装を着た花耶が姿を現すと、自身のデビュー曲「白馬の王子と薔薇色の私」でしっとりとライブをスタートさせる。“ホーリーボイス”の名付け親でもある一青窈が歌詞を提供した本楽曲、夢想的な恋を連想させる一面もあるが、より大きな愛が描かれており、花耶は歌えることの喜びを噛み締めるように、幸せそうな表情を浮かべながら歌声を紡ぐ。続く「スナドケイ」は花耶が初めて作詞・作曲したナンバー。流れ落ちていく砂粒のように巻き戻せない時間、それでも忘れられない想いを、切々とした歌い口で表現していく。そしてリリースから1年以上を経てライブ初披露となったのが「Love(d)」。その悲恋の歌を歌い終え、花耶は両手で顔を覆い、涙をこぼす。「みんなにやっと会えて本当に……」と、言葉にならない言葉で想いを伝える花耶。今年4月に喉の手術を行い、「声が変わったらどうしよう?」と不安に襲われる瞬間もあったことを明かす。だが、こうして無事にステージに立つことができて安堵したのだろう。以降のMCでは、歌っている時の凛々しい佇まいとは少しギャップのある、朗らかかつ親しみのあるトークで和やかにライブを進行していく。

 

 
ここからはカバー曲のコーナーへ。まずはアニメ好きの彼女らしくアニメソングからセレクト。大空を舞う鳥のように伸びやかな美声とブルーのライト演出が“蒼いあの空”を描き出した「ブルーバード」(いきものがかり)、サビのロングトーンでの艶やかかつ情熱的なアプローチにぞくぞくして目が離せない「花になって」(緑黄色社会)、神秘的かつ力強い表現で迫った「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)を立て続ける。「どうですか?アコースティックなアニソン、お大人ディープで
よくない?」と本人もご満悦な様子だ。確かにシンプルな楽器編成とアレンジだからこそ、歌の魅力が際立ち、彼女特有の繊細な声のニュアンスもより深く伝わってくる。アコースティックライブは、花耶の歌唱力・表現力を味わううえで絶好のスタイルなのかもしれない。

 

 
ここでマイクスタンドを準備した花耶は、『NANA』の登場人物・レイラに憧れて髪を長く伸ばしていること、ライブでマイクスタンドを使うようになったことを語ると、その流れで同作の実写映画の劇中歌「ENDLESS STORY」(REIRA starring YUNA ITO)を歌唱。時にマイクを両手で握りしめながら、真っ直ぐに“あなたのために 歌いたいこの歌を”と届ける。続けて花耶が大ファンとして知られる『名探偵コナン』シリーズより劇場作品『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の主題歌「相思相愛」(aiko)を包容力たっぷりに歌うと、続く「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」(ReoNa)では、悲しさと優しさが入り混じったような複雑な表現で、遠く離れてしまった人への想いを形にする。花耶いわく、「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」はTVアニメ『シャングリラ・フロンティア』を観ていてボロ泣きした曲だという。彼女のアニメ・漫画のルーツに触れられるブロックとなった。

 

神秘と激情が渦巻く歌声に観客総立ち――この日最高の熱気に

シンガー・声優になる夢を叶えた花耶が、以前から思い描いていたもうひとつの夢。それがミュージカルに出演すること。彼女はMCでその夢を明かすと、今日のライブは「自分のことを知ってもらう機会」にしたいとのことで、ディズニーのミュージカル映画『白雪姫』より「夢に見る ~Waiting On A Wish~」を披露する。それまでの儚く優美な印象とはまた趣きの異なる、朗々としていて生命力を感じさせる歌唱アプローチ。その歌声には物語や情景を紡ぐ力も備わっていることをしっかりとアピールした。

 

 
カバーコーナーはさらに続く。その身を振り絞るかの如きひたむきな歌い方が胸を震わせる「Lemon」(米津玄師)、手拍子を呼びかけて会場の一体感を高めつつ色っぽく攻めた「飾りじゃないのよ涙は」(中森明菜)、アコギとピアニカによる地中海音楽的な伴奏も相まってエキゾチックな雰囲気を醸し出した「Hungry Spider」(槇原敬之)。曲調は多彩だが、花耶の情緒に満ちたボーカルが不思議と統一感を生み、夏の夜を彩っていく。そして最後のカバー曲として歌われたのは「月のしずく」(RUI)。時折、ステージの後ろに浮かぶ月を見つめながら、祈るように歌う花耶。その切実な表情、“逢いたい…”と願う想いの強さが、観客の心をギュッと締め付ける。やはり哀切感の滲むバラードでの花耶の表現は絶品だ。最後は遙か遠くを見つめ、思いを馳せるようにカバーコーナーを締め括った。

 

 
同時にアコースティックパートも終了し、ここからは花耶ひとりに。早速「みんなが待ってくれていた新曲をお届けします!」と嬉しそうに宣言すると、今年の10月クールから放送されるTVアニメ『無職の英雄 ~別にスキルなんか要らなかったんだが~』のオープニングテーマ「Reincarnation」を初披露することに。アニメに限らずソロで主題歌を担当するのは今回が初めてだという花耶。「びっくりするくらい難しい曲」とのことで、とても緊張しながらこの日を迎えたそうだが、いざ楽曲が始まると表情は一変し、楽曲の神秘的かつ壮大な世界観に没入する。ストリングスが織り成すシンフォニックなサウンドとサビで一気に加速する展開にはアニソンならではの外連味が感じられ、花耶は舞い踊るような手振りと共に美しい歌声を燃え上がらせる。サビ終わりの儚く伸びるファルセットも印象的で、歌声の大波が何度も押し寄せてくるような激情感に、観客も総立ちになって「オイ!オイ!」と声を上げ、間違いなくこの日最高の熱気を生み出した。

 

 
歌い終えて「……好きですか?」と恐る恐る聞く花耶に、満場一致で「大好き―!」と応える会場。アニソンシンガーとしての第一歩を踏み出す楽曲として、大きな話題を呼ぶことになりそうだ。なお、花耶はウタヒメドリームオールスターズの一員として、同アニメのエンディングテーマ「奇跡なんかいらない」も歌唱することが決定している。ここで今冬のファンクラブ限定イベント開催、2026年2月14日に青山月見ル君想フでバレンタインライブ開催、2026年放送アニメの主題歌タイアップ決定を発表してファンを喜ばせると、ライブ本編のラストナンバーに。その楽曲とは、10月29日リリースのニューシングル「Reincarnation」のカップリングに収録される新曲「サザンカ」。花耶本人も作詞に参加しており、自分の夢や信念を叶えるために信じている心を、好きな花であるサザンカに例えて歌詞を書いたという。ラテンのパッションと歌謡曲の情緒を感じさせるマイナーアップチューンが会場を再び熱狂させ、花耶は時にフラメンコっぽくスカートの裾をつまみ、ステージ前面まで近寄りながら、己の信念を貫く意志を情熱的な歌に託してアピールする。ここから始まる新たな夢の続き、アニソンシンガーとしての旅路に向けて。何があっても諦めない芯の強さを見せつけて、彼女はステージを去った。

アンコールは純白の新衣装で登場、「今が一番幸せ」と笑顔で感謝

アンコールを受けて再びステージに戻ってきた花耶は、先ほどよりもフワッと愛らしい純白の衣装に模様替え。ファンに向けて「いつもは寝る時が一番幸せと言っているんですけど、今が一番幸せと思いました!」と感謝の気持ちを伝えると、ニューシングルよりもう1曲のカップリング曲「小夜中の輪舞曲」をお披露目する。ステージに置かれたイスに座り、まるで眠りから覚めたような振り付けからスタート。衣装の雰囲気も相まって、ドールが音楽に合わせて動き出したかのような演出だ。ゴシック感のある曲調、Bメロから立ち上がって披露された優雅なダンス、華麗さの中に妖しさも漂う魔性的な歌声。あらゆる要素が美しく絡み合った濃密なステージが展開され、演劇を観ているかのような気分に。最後は深くお辞儀してその場に伏せると、照明が暗転して、そのまま暗闇に溶けるように消え去っていった。

 

 
その後、スクリーンに映し出されたのは、花耶が便せんにしたためた直筆のメッセージ。本公演中にもMCが苦手と語っていたが、今の素直な気持ちを淀みなくしっかりと伝えたかったのだろう。デビューライブ以来、約2年半ぶりとなったこの日のライブを迎えられた感謝の気持ちが、そこには綴られていた。きっと様々な紆余曲折を経験してきたのであろう。だが、彼女はここまで諦めることなく歩んできた。多彩な楽曲を表現豊かに歌いこなした本公演が証明する通り、その“ホーリーボイス”には、まだまだ大きな可能性が眠っている。彼女が歌姫としての大きな夢を掴む日は、そう遠くはないはずだ。

 
[文・北野創]

 

ライブ情報

『花耶 Christmas Live 2025 & Fan Meeting』

【日時】2025年12月7日(日) 一部:18:00〜 二部:20:15〜
【場所』<代官山>晴れたら空に豆まいて
【チケット】絶賛発売中
<チケット購入はこちら>https://kaya.bitfan.id/events/14312

『花耶 Valentine Live 2026』

日時:2026年2月14日(土)
場所:<青山>月見ル君想フ
チケット:近日発表

『花耶 One-Man Live 2026』

日時:2026年4月26日(日)
※花耶BirthDay当日
場所:<渋谷>渋谷WWW
チケット:近日発表

 

さらに!! 来場公演数に応じてスペシャルなプレゼントもご用意!

<特典内容>
☆ 3公演ご来場:B2 ポスターカレンダー+A3サイズポスター+ポストカード
☆ 2公演ご来場:A3サイズポスター+ポストカード
☆ 1公演ご来場:ポストカード
※特典ごとの絵柄は全て別となります。
※各公演ご入場の際に、「花耶オリジナルフォト ネームPASS」をプレゼント!

 
花耶 オフィシャルサイト
花耶 オフィシャルX

 

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