
5th LIVE「Nova Historia」を経て、新たな歴史を創り上げたAve Mujicaの2025年下半期。1年の締め括りは魅せる“魂の叫び”がこもった1枚で。3rd Single「‘S/’ The Way / Sophie」ドロリス/三角初華役の佐々木李子さん、アモーリス/祐天寺にゃむ役の米澤茜さんインタビュー
「‘S/’ The Way」は道を切り裂きながら進んでいくイメージ
──5th LIVEでもメンバー同士の信頼関係を実感した出来事や、“これぞAve Mujicaのライブだ”と思えた場面はありましたか?
佐々木:そう言われて思い出すのは、「DIVINE」ですね。あの日「S/’ The Way」とともに初披露だったんです。5th LIVEはノーMCで、ノンストップだったんですけど、「DIVINE」のラスサビ前、心がぐっと動いた瞬間があって。ドラムがめちゃくちゃ聴こえてきたんですよね。そのときに自然とアモーリスのほうを見ちゃったんです。
目を合わせようとしたというよりは、あそこはドラムに注目が集まるシーンでもあったので、自然と見ちゃいました。「ドラムを聴け!」みたいな、そういうパワーを感じて。ライブ映像を見返しても、「ここ、魂で通じ合ってるな」と、鳥肌が立ちましたね。
なにより、5th LIVEのときは(高尾)奏音ちゃん(オブリビオニス/豊川祥子役)のグランドピアノが圧倒的で、本当に“神の成せるワザ”というか……奏音ちゃんのグランドピアノに導かれる形で、「Nova Historia」=新たな歴史を作ることができたんじゃないかなって。
──さきほど米澤さんから「目を合わせてみたり」というお話もありましたが、佐々木さんも目を合わすことを意識しているのでしょうか。
佐々木:はい。そういう場面を増やしたくて。たとえば「顔」でギターを弾かず、ハンドマイクで歌ったんです。ギターを持っていると行きづらい場所にも行けるし、ドラムの近くにも寄れるなって。それで「この曲、ハンドマイクでどうですか?」と提案させてもらいました。
新たな歴史を刻みたいっていう気持ちがあったので、今回はとにかく自由に、全員がやりたいことをとことんやったライブだったと思います。ゆづむんのギター回しも、1日目はバッチリ決めましたが、2日目はやると見せかけてフェイクを入れ舌をべーっと出して、欺くようなパフォーマンスをして。そういうことをするって、私たちは知らなかったんですよ。カッコいい!って。
米澤:きっとその場で考えたんじゃないかなって。そういうの、誇らしいですよね。
佐々木:うんうん。「みんな今日はどんなことするんだろう?」って楽しみがライブのたびにあって。だからついつい、歌いながらメンバーを見てしまうんですよね。
──「‘S/’ The Way」を初披露したときは、どのような感覚でしたか?
米澤:「‘S/’ The Way」は、ドラムでいうと、今のところ一番ずーっと叩いている曲なんですよね。良い意味でパフォーマンスより演奏に集中した曲でした。本当にパフォーマンスする余裕がないくらい忙しくて(笑)。それくらい隙間のない曲なので、披露するときはかなり緊張しました。上手に叩かないと体力が持っていかれる曲ですね。
しっかりしたフォームで叩くことが本当に重要で。そういう意味では、ちょっとマラソンにも近いかも(笑)。それができたので、成長できた感覚があります。
佐々木:私はもう“早く聴いてほしい!”と思っていたので、ワンマンで届けられる喜びもありました。歌っていても弾いていてもテンションが上がる曲なので、思わずBメロでも髪を振り乱しながら歌っていて。なんというか……切り開いていくような感覚というか……本当、スラッシュじゃないですけど、道を切り裂きながら進んでいくようなイメージで歌ってましたね。
──少し話が戻りますが「‘S/’ The Way」を初めて届いた時、おふたりはどんな印象でしたか?
佐々木:最初に聴いたとき、まず びっくりしました。〈Yes, S-L-A-S-H, ‘S/’ The Way〉っていう。フレーズの勢いがすごくて、鋭さもあるし、歌いながらもそのカッコよさをしっかり出したいと思いました。とにかく「早く歌いたい!」って気持ちになった曲です。
米澤:私はまず“ずっとバスドラ鳴ってる!”って思ったのと、Ave Mujicaとして初めてのタイプの曲調だったので、その新鮮さが印象的でした。
佐々木:ああ、そうかも。音程がない部分があったりね。歌うというよりかは、魂を削って刻むように届けたいと思いましたね。
──〈心を乱さないで ねぇ ロゼ〉という冒頭も印象的です。
佐々木:あの導入、大好きなんです。語りかけつつも導くような存在の歌で。“一緒についてこい!”という気持ちでいつも歌っています。
──レコーディングはいかがでしたか。
佐々木:長時間、みっちりと細かいところまでこだわりました。どの曲もそうですが、この曲は特に“妥協しない”というか、こだわり抜いて録っていった印象があります。聴き手の心地よさというか……。サビの部分や掛け合いも、どう歌えばより巻き込めるか、子音をどこで強めるかなど、丁寧に作り上げていきました。
──どういった形で進めていくのでしょうか。
佐々木:最初は自由に歌わせてもらうんですよね。で、最初のテイクの良さも残してもらいつつ、さらに良くするために話し合いをしたり。「ドロリスっぽさをもっと出していい」「強く歌うだけじゃなくて、耽美に歌ったほうが引き立つかも」とか、そういったエッセンスを追加していく感じで録っていきましたね。
──〈世界がすこしだけ 静かになる〉のあたりで、世界が一段階歌変わる感じがして。
佐々木:あそこは完全に“入り込む”瞬間でしたね。世界に入り込んで、憑依させて、〈静かになる〉からのギターソロが刻まれる。ライブを想像しながら歌いましたね。
──まさに〈mas?uerade〉という言葉もありますね。
佐々木:そうですね。私は歌詞をもらった時には、あえて意味を聞きすぎず、自分で想像する時間を作るようにしているんです。解釈を楽しめるのもAve Mujicaの面白さでもあるので、リスナーさんが「mas?uerade=ライブなのかな?」などと、自由に想像してくれるのはすごく嬉しいです。しかも今回はTVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez デラックス決勝編』#11のEDテーマでもあるので、エンディング映像に寄せられたコメントもすごく盛り上がっていて、見ていて嬉しかったです。
──『ヴァンガード』の主題歌という面から意識されたことはありますか?
佐々木:やっぱり“勝ちにいく強さ”ですね。自分で道を切り開いていく、力強い姿。本当の自分を見せつけるというか……“自分たちの世界を見てほしい”という気持ちを大事にして、自信たっぷりに歌いましたね。
──米澤さんは、佐々木さんの歌声を聞いてどんな印象を持ちました?
米澤:この曲に限らずではあるのですが、AI音声のデモを最初にもらったとき、やっぱり「早く李子の声で聴きたい!」ってなるんです。李子の声のほうがドラムがスッと入ってくるというか……“どう叩くか”イメージが一気に湧いてくるんです。理由はうまく説明できないんですけど(笑)、毎回楽しみです。
佐々木:えー! 嬉しい! こまめにそういった連絡をくれるんですよ。「今日コーラス録ったんだけど、李子の声聴いて電車で泣いた」とか。
米澤:ちょうど数日前に送りましたね(笑)。「Sophie」なんですけども。溢れてきた想いをそのまま伝えてしまいました。
佐々木:「電車で泣いてる。もう1回聴く」って(笑)。すっごく嬉しくて。メンバー全員そうなんですよ。「Sophie」は、めいしゃん(岡田夢以さん、ティモリス/八幡海鈴役)が珍しく、長文で私宛に感想を送ってくれて。いつもは直接言ってくれることが多いんです。「こんな曲を歌えるのはりこちだけだよ」って言ってくれて、私がそのメッセージ見て泣くという(笑)。





















































