
神のようでいて、神でない。世界を俯瞰する“天元”という存在――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第5回:天元役・榊󠄀原良子さん
TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」が、2026年1月8日(木)より放送中です。
放送にあわせ、アニメイトタイムズでは連載インタビューを実施。第5回は天元を演じる榊󠄀原良子さんの登場です。一見神のようなシンボリックな存在にも思える天元ですが、榊󠄀原さんは「老獪で、とぼけていて、神のようでいて神でない人物」だと語ります。
これまで多様なキャラクターを演じてきた榊󠄀原さんから見た天元や、ナレーションとしても参加してきた『呪術廻戦』という物語。様々な領域から、天元という存在の奥行きに迫ります。
じくじくと滲み出てくるような血の匂いがする作品
ーーまずは『呪術廻戦』という作品に対する印象をお伺いできればと思います。
天元役・榊󠄀原良子さん(以下、榊󠄀原):最初に感じたのは、バッと飛び散る血ではなくて、じくじくと滲み出てくるような血の匂いがするという印象でした。舞台は現代なんですけど、どこか古事記のような、そういうムードも感じたんですよね。
ーーたしかに。「呪術」という言葉も入っていますし。
榊󠄀原:正直、ちょっと怖かったので検索したんです(笑)。それまでほとんど知らなくて、「どんな作品なんだろう」と思って調べたら、すごく人気があって、「そんなに怖いものじゃないですよ」と言われて。
あまりにもおどろおどろしいと「どうしましょう」と思ってしまうんですけど、結果的には大丈夫でした。
ーーよかったです(笑)。続いて、榊󠄀原さんから見た天元というキャラクターの印象をお聞かせください。
榊󠄀原:最初に思ったのは、「老獪な人」だなと。老獪な人って、あまり直接的にいろんなことを話さないじゃないですか。
きちんと正しいことは話しているけれど、その裏にはもっと深い真実がある。「今は話すタイミングじゃないな」と、あえて留めるような人なんじゃないかなと。一応、悪い人ではないと思っています。
ーー謎が多く、神秘的なものを感じます。
榊󠄀原:それでいて、ちょっととぼけていますよね。それも老獪さがあるからこそ。そこがまた良いと感じました。
「天元=神」ではない
ーー天元を演じるうえで大切にされていることや、楽しかった点、挑戦された部分があれば教えてください。
榊󠄀原:先ほども少しありましたけど、この作品をぱっと読むと、「天元=神」だと受け取る方が多いと思うんです。私自身も最初は、神のようなイメージを抱きました。
でも、読んでいく中で「どうも違うぞ」と。これは「神」ではなくて、「ものすごい人」を作らなければいけない役なんだ、と感じたんです。
ーーものすごい人。
榊󠄀原:はい。そう考えると、これまで私が演じてきた役って、悪役にしろ何にしろ、神的な力を持つ存在が多かったんです。「その延長線で入ってはいけないな」と強く思いました。
荘厳さや威圧感はもちろん、いわゆる「神様然としたイメージ」とは違うものを、自分の中で作っていこうと。今までやってきたものを全部なしにして、新しく組み立てていくのは正直難しかったです。
多くの人が「神」だと思ってしまう存在を、「神ではないけれど、すごい人なんだ」というキャラクターとして立ち上げる。それは、演じる側としても挑戦しがいのある役だと思いました。
ーーセリフ自体は少なくとも、常に重要なことを言っている印象があります。
榊󠄀原:そういう意味では、やりがいはありましたね。薨星宮を後にするときに、脹相が悠仁に「死ぬなよ」と言った後一人咽び泣くシーンでは、九十九由基が「あんた泣いてんの?」と驚くシーンがありますが、天元の台詞は「………」としか書かれていなくて。声に出さなくても良いのですが、脹相の反応に「訳わからない~」というように「はッ?」とセリフを入れました。そのときの一言には、天元の意外性を出そうと、ちょっと情熱を込めました。












































