
TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』古屋亜南さん×島﨑信長さん 1クール目振り返りインタビュー|反発から親友へ――キョウヤとソウジ、1クール目の歩みを振り返る
毎週日曜朝9:30〜フジテレビほかにて連続2クールで放送中の『SI-VIS: The Sound of Heroes』。音楽ユニット「SI-VIS」(シーヴィス)の活躍を描いた作品で、表向きはアーティストとしてライブ活動をしつつ、実は世界を壊す謎の現象「ミラージュ」と立ち向かっている。ミラージュによって消滅させられた町や人は、生きている人々から忘れ去られてしまうのだが、それを引き起こしているのが《XENOS》(ゼノス)という地球外生命体だった、ということが明らかになってきた1クール目。ここから、「SI-VIS」と《XENOS》の戦いが本格的になっていきそうだが、その前に1クール目を「SI-VIS」のメンバーであるキョウヤ役の古屋亜南さんとソウジ役の島﨑信長さんに語ってもらった。
2人が振り返るキョウヤとソウジの歩み
──アニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』を実際にご覧になって、魅力に感じた部分を教えてください。
古屋亜南さん(以下、古屋):「SI-VIS」の世界観って、僕たちが住んでいる世界と何ら変わらない世界なんです。でも、「SI-VIS」のメンバーが《XENOS》(ゼノス)と戦っている世界は、リアルな感じではなかったりする。その、架空とリアルが混ざっているような世界観の作品に、演じる側として出演するのは初めてだったので、実際にオンエアで映像を観たときは、アニメならではの世界観に感動しました。アフレコで、まだ完成されていないものも見ていたので、作り手側として参加していないと味わえないような感覚も味わえて新鮮でした。
──音楽が付くだけでだいぶ変わりますからね。
古屋:そうなんです。あとは色が付き、撮影処理でエフェクトが付いたりもしているので。僕は、第1〜3話の先行上映会に観客として参加していたので、それを観ているとき、歌をで戦うヒーローもののアニメに参加しているんだなぁって、作り手側と視聴者側の両方の気持ちになって、少し不思議な感じでした(笑)。
島﨑信長さん(以下、島﨑):確かに収録するときは歌が流れているわけではないから、実際に合わさった映像を見ると、カッコいいなと思いましたね。“The Sound of Heroes”という文字のごとくだなって。ライブの空間もカラフルで、見た目的にも面白かったですし、やっぱり歌のシーンは魅力的だと思いました。キャラクターは、演者と歌唱担当で分かれているんですけど、個人的にはセイレーン(CV.佐倉綾音)の歌(歌唱担当:セイレーン starring IZUMI)が好きで、本当にカッコいいんですよ。
古屋:セイレーンの歌、僕も好きです。
島﨑:だよね! メンバーみんな歌えるけど、抜きん出ているのはセイレーンということだから、その説得力と芯の強さをボーカルから感じて、素敵だなぁと思いました。あと、キャラクターに関して言うと、みんな目立つ要素が多くて、あくが強いんだけど、結構人間くさいんですよ。良い意味でも悪い意味でも(笑)。こういう人って、こういうことするよね!みたいなのをちょいちょい感じさせる描写があるんです。我々はそれを台本のト書きで見ているから、余計に感じるんですけど、人間として、どういう風に生きていて、どういう風に思っているのかが、映像から伝わってくるのもいいところだと思います。派手なところだけではないんですよね。
──1クール、キャラクターを演じてきての感想と、キョウヤとソウジの成長を感じたところを教えてください。
古屋:キョウヤ自身も成長しているけど、演じている目線だと、周りの人たち…それこそ「SI-VIS」のメンバーとの関わり方が変わっていくんですよね。それがキョウヤだけでなく、「SI-VIS」全体の成長に繋がっているなと思いました。
キョウヤの芯の部分である、ものすごく元気で、でもちょっと繊細で、自然な優しさを持っているというところは変わらずに演じていたんですけど、「SI-VIS」という素晴らしい環境の中で、いろんなトラブルはあったけど、周りのサポートもあり、関係値が積み重なっていく。それによってグラデーションのように、みんなちょっと良い感じになっていくような感じだったので、ここが成長したなというより、全体的に、みんなを巻き込んで明るくなった気がします。
──演じていて、大変だったことはありますか?
古屋:自然な優しさを出すというのは大変でしたけど、だんだん僕もキョウヤとリンクしていって、その中で、信長さんのサポートもあり、1クールが終わる頃には、キョウヤが自分に馴染んでいった感じはあります。大人になったと思うし、ちょっとはリーダーシップも出せているのかな?って思うけど、それを狙ってやっている感じではなかったです。
──ソウジはいかがですか?
島﨑:僕もこういう仕事を長くしているし、好きだから、第1話の時点で、ソウジってこういう子なんだろうなと思ったんです。もちろん設定はもらっているけど、今回はオリジナル作品なので、話がどうなるかはわからない中、きっとこうなるだろうなと思っていたのが、しっかり当たっていたんですよね。だから、第1話からソウジのことが好きだったし、演じていく中で、ソウジのことも、周りのみんなのこともより好きになっていきました。
ソウジって、キョウヤに対して、最初は当たりが強かったりもしたけど、キョウヤに出会う前までも長く生きてきているので、このくらいの幅とか広がりはあるよね?と思ったし、それをしっかり描いてくれている印象もありましたね。だから、段階を追った見せ方とかも含めて、すごく脚本が上手いなぁと思いました。
──結構ひとりで何でもやってしまうソウジが、第9話で、クラスメイトを頼りましたが、あのあたりの変化はどうでしたか?
島﨑:学園祭のところですね。あれもキョウヤという要素がなかったら、ああはなっていなかったと思うから、キョウヤから影響を受けたり、キョウヤを見ている中で、クラスメイトを含めた人との関わり方、頼り方を身に付けていけたりしたのかなと思いました。基本的には、素直でストイックで、上昇志向の高い生真面目な良い子なんですよね(笑)。ちょっと視野狭窄に陥っちゃったり、これだと信じ込んでしまって、他の可能性を拾えなかったりするところがあったけど、キョウヤとの出会いが、良い化学反応を生んで良かったなと思いました。「友達ができて良かったね」という気持ちでした(笑)。
──キョウヤとソウジの、ここまでの歩みということに関してはいかがでしたか? 反発し合っていたところから、第5話の合宿、そして第14話を経て、親友のようになっていきました。
古屋:第4話のラストですかね、合宿に行くぞ!となったときに、集合場所に、キョウヤより前にソウジがいるんですよね。そこからもうストイックですよね(笑)。キョウヤ的には気まずいから、探り探り声を掛けるんですけど、そんなところから始まった合宿も、みんなで協力して、苦楽をともにすることで共同体となっていく。そんな中でも覚えているのは、キョウヤがカレーを作るんですよね、手に怪我をしながら。本当に嫌なら、その場にいないのに、凪(CV.石見舞菜香)に手渡されて、ソウジはカレーを全部食べるんです。そのあと、JUNE(CV.斉藤壮馬)が、ソウジがカレーを全部食べたのは、頑張りと優しさを認めているからだよと教えられて、そこでだんだん距離が縮まっていくんです。
そのあとキョウヤが憧れていたYOSUKE(CV.浪川大輔)の話をし始めたのがきっかけになって、周りもみんな、自分が知っているYOSUKEの話をしたあとに、キョウヤが立ち上がり、YOSUKEのソロ曲「Braver Dreamer」を歌い始めるんです。そこで誰よりも先にソウジが立って、一緒に歌う。最終的にはみんなで歌って、合宿後は、バスの中でみんなで寄り添って寝てしまう。その後の第6話のライブで、再び「Braver Dreamer」を歌いながら、キョウヤとソウジが一緒に戦っている姿を観て、ものすごく感動したんです。なので、第5話と第6話は、たまにセットで見返すくらい好きなエピソードです。
──第1話で、世界を消滅させる謎の災害「ミラージュ」での戦いで、命を落とした「SI-VIS」のメンバーであるYOSUKEの存在と彼の歌を、今は「SI-VIS」とその周りのごく一部の人以外は覚えていないという話があった上で、彼の歌だけは受け継いでいくというのも感動的でした。
古屋:まさにそれです! あと、北九州のKPF (北九州ポップカルチャーフェスティバル)というイベントに登壇したときに、ご一緒したのがキョウヤとソウジのボーカル担当である、馬越琢己さん(キョウヤボーカル担当)と、鮫々さん(ソウジボーカル担当)だったんです。僕の登壇前に、お二人が生ライブをする構成だったんですけど、実際に「Braver Dreamer」を歌っていたんですよね。その時は第6話を観客側で観ている感じがして、イデアを感じました(笑)。(※イデア:感動や興奮や歓喜によって生まれる生命エネルギーのこと)
──それは良い経験ですね(笑)。
島﨑:ソウジって、キョウヤに対して基本プンプンしているんだけど、それはイライラもあるけど、素人であるキョウヤのためを思ってでもあったんですよね。背負うものが多すぎるから、引き返すのなら今だぞっていう。でもこの合宿で距離が縮まって、一度懐に入れたら、すごく仲良くなってしまう。そういうところもソウジっぽいんですよね。
古屋:僕が思っていたのは、まだ最初はソウジもマイルドだったと思うけど、YOSUKEが死んでしまって、それに対してソウジがキョウヤにキツく言ったことに対して、キョウヤが反発するんです。そのエネルギーがあるから、第3〜4話では当たりが強かったのかなって。認めたくないけど、それと相反して認めている気持ちもあったんじゃないのかな?と、僕はキョウヤを演じながら、そういうソウジの見えない優しさみたいなものを感じていたんですよね。
島﨑:まぁ、基本良い奴だからね(笑)。収録当時も言っていたけど、あれだけ人に対して一生懸命怒るって大変なんだよ。いちいちリアクションを取るなんて、良い人なんだよね。
──本当に嫌いなら、無関心ですからね。
島﨑:そう! こいつダメだなと思ったら、表面上は当たり障りなく対応するだけですから。頑張って作ったカレーならば残さず食べる。そういうところはソウジっぽいし、人間性が出ていますよね。
古屋:出てますね。
島﨑:そういうところも含めて、脚本が上手なんですよ。カレーを食べ切ったあとで、美味しくないものは美味しくないとダメ出しはする。食事のシーンって人間性が出やすいと個人的には思っているので、そういう細かいところを拾って描いているのは良いなと思いました。YOSUKEの話をし始めるシーンだって、ソウジが乗っかったから、みんなが話す流れになったと思うし。
──そんな2人の関係性が、決定的になったのが第14話でした。落ち込んでいるキョウヤを、ソウジは青森まで迎えに行きました。でも、キョウヤのおばあちゃんに対しては素直に話していたのに、キョウヤを見るとつい強く言ってしまうという(笑)。
古屋:ここまで来て、キョウヤに会った瞬間に、そうなる?っていう(笑)。
島﨑:しかもそのあと、ちゃんと反省していたし(笑)。
古屋:そういうかわいさもありますよね(笑)。でもこのエピソードは、キョウヤを連れ戻すという流れと同じように、お芝居的にも信長さんに引っ張ってもらったと思っているんです。実は監督に、「これまでにないくらい沈んで、自分ひとりだけの力では立ち直れないような心持ちでいてください」と言われていたんです。「何なら信長さんに任せて、引っ張ってもらいましょう」と。
島﨑:そんな会議があったんだ(笑)。
古屋:そうなんです。しかも僕、その前に大事な収録に体調を崩して出られなかったんですよね。それも監督に「利用してください」と言われ、後ろめたさと罪悪感を抱えたまま収録に臨んでいるんです。
島﨑:いなかったとき、あったね! ちょうどそのあと打ち入りもあったのに。
古屋:そこで挨拶をしなければいけなかったのに……(苦笑)。でも、そういうことも全部乗せて、沈むところまで沈んで演じたんですけど、本当に心臓に手を突っ込んで引っ張っていただいたような感じだったんですよね。キョウヤが、みんなと一緒にいたいと涙するんですけど、それも言語化とか理論立ててやったとかではなく、その瞬間に出た感情を、そのまま言葉にしただけなんです。だから、そのときの記憶が鮮明なんです。しかも最後はバイクに相乗りして帰るという流れも良かったので、本当に引っ張ってくれてありがとうございました。
島﨑:いやいや。でも、バイクで青森まで迎えに行くってすごいよね(笑)。
古屋:そうですよね(笑)。でもそのバイクでの会話も、青春なシーンだから、声を張りたいけど、ヘルメットがあるからどうしよう?とか、芝居のプランも結構一緒に話し合ったりしたのも嬉しかったです。
島﨑:あと、先程食事のシーンで人間性が出ると言ったんですけど、日常の細かい所作には人間性が乗ると思っていて、ソウジって、ちゃんとおばあちゃんに丁寧な態度で接しているんですよね。あれでソウジというキャラに深みが出るんです。育ちだとか、どういう子なのかがわかる。でも、いざキョウヤを見ると、言おうと思っていたことと違うことを言ってしまう。それも彼らしさで、頭も良いし、考えているんだけど、最終的なところではパッションで動くタイプなんですよね(笑)。このキャラクター性なら理論的なところに振りがちだけど、ソウジはしっかり両方混ざっているところが面白いですよね。
古屋:そのブレンド具合が良いですよね。
島﨑:だからこそ、キョウヤに届くんだろうね。良い感じにキョウヤを導いてあげようではなく、最終的に真っ直ぐぶつかっていくからこそ、一緒に上がってもいけるという。
古屋:あと、あそこでソウジが思わず強く言ってしまったとき、「ごめん」と言うだけで反発もできないほどになっていたキョウヤに対して、ソウジが歩み寄ってくれたというのも、僕は感動したんです。
島﨑:それに、おばあちゃん役のゆきのさつきさんが、すごくいい味を出してくださっていたよね。
古屋:良かったです。収録終わりに、「キョウヤ、頑張って」って声を掛けていただきました(笑)。



















































