映画
映画『アメリと雨の物語』監督陣が見つめた日本の景色【インタビュー】

世界を席巻する色彩の奔流――映画『アメリと雨の物語』マイリス・ヴァラード、リアン=チョー・ハンの両監督が語る「2歳半の神様」が見つめた景色【インタビュー】

映画『アメリと雨の物語』が、2026年3月20日(金)より全国公開されます。

本作は、アニメ界のアカデミー賞といわれる「アニー賞」で主要7部門にノミネートされたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞を受賞。ゴールデングローブ賞にもノミネートされるなど、今世界で最も注目されるアニメーション映画のひとつです。

物語の舞台は1960年代の日本。外交官の家庭に生まれたベルギー人の女の子アメリは、2歳半まで周囲に全く反応を示さない状態でしたが、とあるきっかけから自分を「神」だと信じる“無敵の子供時代”に突入します。大好きな家政婦のニシオさんとの生活や、自分にぴったりな「雨(あめ)」という漢字との出会い。そして3歳の誕生日、彼女のすべてを変えてしまう出来事が訪れ……。

神戸生まれの作家アメリー・ノートンさんの自伝的小説を原作に、圧倒的な色彩と独創的な視点で描かれる本作。アニメイトタイムズでは、マイリス・ヴァラード、リアン=チョー・ハンの両監督に制作の舞台裏を伺いました。

関連記事
アメリと雨の物語
1960年代日本—神戸で生まれたベルギー人の小さな女の子アメリ。彼女の成長を描く物語。外交官の家庭に生まれ、2歳半までは無反応状態だったアメリ。その後、子ども時代に突入した彼女は自らを「神」だと信じ、魔法のような世界を生きている。家政婦のニシオさんや家族との日々の生活は、彼女にとって冒険であり、新たな発見の連続。少しずつ変化していく。しかし、3歳の誕生日に人生を変える出来事が起こり、彼女の世界は大きく変わっていく…。誰もが子供時代に夢見た世界を描く感動のアニメーション作品。作品名アメリと雨の物語放送形態劇場版アニメスケジュール2026年3月20日(金)キャストアメリ:永尾柚乃アメリ(モノローグ):花澤香菜ニシオさん:早見沙織カシマさん:深見梨加パトリック:森川智之ダニエル:日笠陽子ジュリエット:青木遥クローディア:北林早苗スタッフ監督:マイリス・ヴァラード リアン=チョー・ハン 原作:「チューブな形而上学」(アメリー・ノートン著)音楽:福原まり配給:ファインフィルムズ 映倫:G文部科学省特別選定(中学校生、高等学校生、青年、成人、家庭向き)、文部科学省特別選定(小学校児童向き)後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フ...

19歳の頃から思い描いていた「神様」の姿

ーー本作はアメリー・ノートンさんの自伝的小説がベースになっていますが、最初にこの物語に注目された理由を伺えますか?

マイリス・ヴァラード監督(以下、マイリス): 以前『カラミティ』をリアンと一緒に制作していた時に、彼がこの本をプレゼントしてくれたんです。彼はこの作品に非常に情熱を持っていて、「どうしてもこれをアニメ化したいんだ」と熱く語っていました。

なので、ここからはリアンに語ってもらいましょう(笑)。

リアン=チョー・ハン監督(以下、リアン): (笑)。私がこの本に出会ったのは19歳の時でした。もう20年以上前になりますね。当時の私は、いわゆる純文学青年というわけではなく、日本のアニメやビデオゲームといったポップカルチャーに夢中になっていました。そんな中で出会ったこの物語に心を打たれたのです。

2歳半のベルギー人の女の子が日本で生まれ、自分のことを「神様」だと信じている。その独創的な視点、そして私が当時から大好きだった1960年代から70年代にかけての日本の姿、ニシオさんとアメリの切なく胸を打つ関係性に深く感動しました。

19歳の私は世間知らずでしたが、すでにアニメ化を夢見ていたんです。例えば、ビーチのシーンはまるでモーセのように、海を二つに割ろうとするイメージが頭に浮かび、「絶対にやらなきゃ」と。

ーーお二人は長い間、共に活動されているのでしょうか?

マイリス: リアンとはもう10年来の付き合いになります。二人ともパリのゴブラン校(Gobelins)という学校の出身で、キャリアの初期には『リトルプリンス 星の王子さまと私』などの作品で共にストーリーボード(絵コンテ)を手がけました。

その後、レミ・シャイエ監督のチームに加わり共作を重ねる中で、リアンとは非常に感性が近く、物の感じ方が似ていると改めて確信するようになったんです。

ーーその時期に、現在まで続く関係性ができていったのですね。

マイリス: ええ。アートディレクターのエディン・ノエルをはじめ、何年も刺激し合いながら一緒に歩んできた仲間たちは、私たちにとって“アーティスティック・ファミリー”と呼べる存在です。長い時間を共有する中で「私たちのやりたいこと」も明確になっていきました。それは内面的なアイデンティティの形成を、象徴的な比喩を散りばめた演出で描くこと。そして「死」や「喪失」といった、大人にとっても重いテーマを、あえて「子どもの目線の高さ」で語ること。原作にはまさにそうした要素が含まれていたので、私たちの制作哲学と見事に一致しました。

おすすめタグ
あわせて読みたい

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年秋アニメ一覧 10月放送開始
2026春アニメ何観る
2026春アニメ最速放送日
2026春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
放送・放送予定ドラマ作品一覧
平成アニメランキング