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『あくでき』アカリ役・花守ゆみりインタビュー|声優インタビュー連載第4回

「私はアカリのことがずっと大好きです」。どう思われても、強い美学を最後まで演じきるーー『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』アカリ役・花守ゆみりさんインタビュー【連載第4回】

キャラクターなりの美学があるから、アカリのことがずっと大好きです

――第1話から第4話まではいわば“アカリの回”という印象があるのですが、第4話までのストーリーを読まれてどのように感じられましたか?

花守:第1話から第4話までは、この世界がティアラの言う“元の世界”、つまりゲームの中の世界であるということを意識的に説明したり、彷彿とさせたりするシーンが随所に散りばめられています。

その中で、アカリはかつてメインヒロインだった存在としてそこに立っているわけですが、もしかしたら「正しさ」としてこの世界に存在しているのは、実はアカリのほうなんじゃないか、というちょっとした恐怖感のようなものを見ている方は受け取るんじゃないかな。ホラーというほどではないんですけど、そういう感覚があるような気がします。

メインヒロインという存在があるけれど、今回のアニメの主人公、つまり作品の主人公は悪役令嬢として描かれているティアラです。じゃあ、その悪役令嬢はどうしたら幸せになれるのかという。悪役令嬢と言いつつも、ティアラはすごく真っすぐで、真面目に生きてきたことも描かれているんですよ。

一見、決められた運命があるように見えて、でも人生の積み重ね次第で、いくらでも未来を変えることができる。この世界は決して“ゲームの世界”じゃないんだということが、第4話までで描かれているんじゃないかなと思っています。

それが単にゲームのシナリオをなぞるだけではなく、「ちゃんと自分たちの幸せを探していく物語なんだよ」と教えてくれる。その役割を第4話までのアカリが見せているところが、この作品の魅力のひとつなんじゃないかなって私は思っています。

――キャラクターだけを見ると「手強すぎる恋敵」とまではいかなくても、ちょっとツンとした要素を持っているのかなという印象があります。

花守:そうですね。設定だけを見ると、そう思ってしまいがちなんですけど、たとえば第4話でアカリがティアラに手紙を渡すシーンを見ていると、「この子、すごくいい子なんじゃないかな」と感じるんですよね。

私は「アカリには、アカリなりの美学がある」とずっと感じています。彼女は「この世界はゲームの世界だ」という前提で、これまでずっと行動してきたキャラクターなんです。だからこそ、ティアラという存在はアカリから見れば異分子であり、視聴者としても「なんでこのキャラ、こんな動きをするんだろう?」って思うような、特別であり特殊な存在。

ティアラという存在を通して、アカリは「この世界は、もうゲームの世界じゃないんだ」と気づくことができたりもします。そうなると、自分は“愛を奪うためのキャラクター”ではなくて、人として、ハルトナイツやアクアと向き合わなきゃいけないんだという気づきを得るんですよ。

その気づきを得たときに、ショックで崩れてしまうのではなく、「だったら、幸せになる方法をちゃんと考えなきゃ」と前向きになれる。まるで「気づかせてくれてありがとう」と教えてくれたかのような勢いで、ティアラと手を取り合えるところがアカリの強さだと思っています。

そこが私が彼女にすごく惹かれる、魅力的な部分ですね。やっていることだけを見ると、場を乱したり、しっちゃかめっちゃかにしてしまう行動も多いんですけど、その先で、彼女のモノローグや心情を改めて聞くと「筋が通っていて、かっこいいな」と思えます。そういう美学が、最初から最後までずっとブレずにあり続けるキャラクターだと思っているので、私はアカリのことがずっと大好きです。

――実際にお芝居をする際には、そうしたお考えを踏まえたうえで、どんなことを意識されていかれたのでしょうか?

花守:アカリは、自分のことをまったく疑っていないキャラクター。「自分がこう思ったから、こう言う」ということに裏がないんです。本当に思ったことを正しいと信じて、すべて真っすぐに発言する子です。それを常に念頭に置いて演じていたので、「あ、今、お腹からちゃんと声が出てるな」と、自分でも感じることがありました。

一方で、音響監督さんから、「ここは華やかな場所だから」「夜会みたいな、貴族が集まるシーンだから、みんなおしとやかに話している場所なので、アカリさんもアカリさんなりに、少し抑えましょう」と言われることもあったり……(苦笑)。

アカリとして普通に話すと、たぶん3メートル先の人にも聴こえちゃうので、「もう少し内側に入れてみましょう」と、結構調整していただきながら演じていました。でも、その中でも「アカリはブレない」と思いながら演じていました。

そういう意味でも、演じていて「すごく可愛い!」というより、「かっこいいな」と思うキャラクターでした。しゃべると、場の空気が一気にアカリのものになるような、すごくパンチ力のあるキャラクターでしたね。最後まで(笑)。

――今のお話を聞いていると、女性にモテそうな要素があるのかなと。

花守:ありますよね(笑)。最初は「この子、大丈夫かな?」って思わせるんですけど、気づいたらすごく心強い存在になっているタイプの女の子だと思います。

友達になったら、ものすごく心強いと思いますし、相談したら、間違っていることはちゃんと指摘してくれて、自分の中でひとつけじめをつけてくれそうです。そういうところも含めて、やっぱりかっこいいなと思います。

ハルトナイツの魅力は乙女心を持っているところ

――第4話を含めて、アカリの台詞や活躍シーンの中で、「ここが好きだった」「ここが見どころだった」というポイントを教えてください。

花守:第1話や第2話の頃は、「この子が今発している言葉って、本心からなのか、それとも裏があるのか」というのがちょっと分かりづらい感じだったと思います。でも、第3話以降で、ひとりになった時の描写が出てきて、たとえばベッドに普通に横になっちゃったりするところを見て、「あ、アカリって普通の女の子なんだな」と感じました。すごく親近感が湧いたというより「こんな世界でも、こんなふうに生きられるなら、この子は強く生きられるんだな」と思えて。

だからこそ、逆に「裏がないのかもしれない」と感じられたんですよね。そういうところが、彼女の魅力なのかなと思いながら、「はあ、疲れた……」みたいなシーンは、すごく楽しく演じさせてもらいました。

表情がコロコロ変わる子なので、そういう意味でもティアラとはまた違ったヒロイン感があって、見ていて飽きないキャラクターだと思いましたし、見れば見るほど、「裏がなく、ブルドーザーみたいな子だな」と思われるんじゃないかな?

結果的にティアラを危険な目に遭わせてしまったシーンもありましたけど、それに対しても、ちゃんと自分の中でけじめをつけて、お互いに手を取ることができたので、「強いな」という気持ちはすごくありましたね。

普通、あの状況で手紙を書こうとは思わないじゃないですか! でも、「私は書く」「そして幸せになる」という強い意志を持って生きている子なので、やっぱり憎めないんですよね……。演じていても、「ヒロインを演じる」というよりは、「この子の美学を、どんなふうに思われても、ちゃんと演じきるぞ」という気持ちが強かったです。

――アカリはハルトナイツと一緒になるキャラクターですが、演じられている佐藤拓也さんとのアフレコでの掛け合いはいかがでしたか?

花守:実は、佐藤さんとは、あまり収録のタイミングが合わなくて、基本的には佐藤さんの音声を先に聴きながら収録する形だったんです。佐藤さんが演じるハルトナイツには、どこか砂糖菓子のような繊細さがあって。最初は、ティアラに対して少し横暴な物言いをする場面もあって、「え、なんで?」って思うところもあったかもしれないんですけど、その後、どんどんティアラに対して、「あれ、ティアラって、俺に優しくしてくれていたのに、俺、なんで……」って落ち込んでいく、その“乙女感”がすごくて!

もしかしたら、アカリよりもハルトナイツのほうが、繊細な心の持ち主なんじゃないかな、と思いながら、聴いていてクスッとしてしまう場面もありました。それでも、ティアラのほうに戻るのではなく、ちゃんと「アカリが好きだ」という気持ちを捨てずにいてくれた。だからこそ、アカリは最後にひとりにならなかったんだな、と思いますし、「じゃあ、ハルトナイツと私で幸せになる」ときちんと踏み切れたんだなと感じました。

ティアラとアクアの甘々な雰囲気とはまた違った、安心感のある二人組ですよね。なんだかんだで、すごくバランスのいい二人です。この先もハルトナイツを引きずり回している情景が目に浮かびます(笑)。

――アカリが引っ張っていく姿が目に浮かびます。

花守:「ウジウジしてないで、もう早く行きましょう!」って言ってそうですよね。でも、そういう組み合わせがすごくいいな。ハルトナイツは、考え込んでしまって、あとから後悔ができ、アカリと同じように自分の心にけじめをつけて、前に進める人なんですよね。間違えた時に、「何が悪かったのか」をちゃんと見つめて、進む場所を変えられる。その強さが二人にはあって、そこが似ているんじゃないかな、と思っています。

――この作品に登場するカップルは、どの組み合わせもいいバランスで個性が違っていて、それぞれに魅力がありますよね。

花守:本当にそうですね。原作を読んでも、アニメを見ても、「この二人の空気感、好きかも」って思えるカップルが、きっと見つかると思います。女の子が好きなヒロイン像が、この作品のどこかに必ずある、という安心感があるんですよね。

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